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NEC、建機の遠隔操縦に適応遠隔制御技術を活用し作業効率の向上を実証
2020年3月31日
日本電気株式会社
NECは、国土交通省が実施した「遠隔操縦における作業効率向上に資する技術(無線通信技術、映像処理技術)」の技術検証に参画し、建機の遠隔操縦においてNECの適応遠隔制御技術を用いることで、従来の制御技術より優れた作業効率が実現可能なことを実証しました(注1)。

本実証は、国土交通省九州地方整備局九州技術事務所が実施したもので、2019年10月に長崎県の同省雲仙復興事務所の作業現場(水無川1号砂防堰堤内上流)で行われました。
本実証では、重機(バックホウ)に設置されたカメラの映像を約100m離れた場所にある遠隔操縦室に無線で送り、その映像を見ながら土砂掘削の遠隔操縦を行いました。
本実証に用いられた適応遠隔制御技術(注2)は、通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像配信と制御が可能な技術です。本技術の活用により、映像配信の遅延を予測して安定した映像を伝送するとともに、建機操作コマンドの到達遅延も予測し、操作の行き過ぎの発生を抑制することができます。
実証結果
実証結果については、以下の3項目について検証を行い、全てにおいて従来技術より優れているとの結果が得られ、作業効率向上に資する技術と評価されました。
- 映像の解像度(注3):従来技術参考値の640px × 480pxと比較し、本実証では750px × 700pxと受信側の解像度が向上しました。
- 映像の安定性:伝送遅延時間は、従来技術参考値の500msと比較し本実証では328msと向上、映像の乱れ・コマ落ち・ノイズも発生しませんでした。
- 作業効率性:30m3当たりの作業時間は、従来技術参考値の60分と比較し本実証では25分33秒と約2.3倍に向上しました。
NECでは今後、国土交通省の公共工事などで活用する新技術を提供するデータベース「NETIS(New Technology Information System)」へ適応遠隔制御技術の登録を進めます。
NECは、2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」のもと、ネットワークの強みを活かした新たな領域におけるサービス事業を推進しています。本適応遠隔制御技術により、ネットワークを柔軟に活用し、人・モノが生み出すデータを産業の枠を超え賢くつなぐ 「NEC Smart Connectivity」(注4)の提供を加速し、新たな社会価値を創造していきます。
以上
- (注1)国土交通省「遠隔操縦における作業効率向上に資する技術(無線通信技術、映像処理技術)」、「UAV等を用いた砂防堰堤の自動巡回・画像取得技術」の試験結果等を公表します~新技術の活用に向けて~
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000677.html
- (注2)適応遠隔制御技術の映像配信に関する部分は、適応映像配信技術を活用しております。
https://jpn.nec.com/techrep/journal/g17/n01/170111.html - (注3)本実証では以下の方法で解像度を確認しております。
送信側:録画した動画ファイルのプロパティ
受信側:ISOチャートをバックホウカメラに写し、操作室にてモニターに表示されたチャートを目視で確認 - (注4)
NECが培ってきたネットワークの技術や関連ソリューションの知見・実績を活かした、ネットワーク・サービスの総称です。5GやLPWAなどを活用し、社会インフラや製造、リテールなど様々な領域において、これまでつながることのなかったデータをつなぎ、必要な人・モノに届けるという、新たなデータ流通を実現します。
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