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ローコード運用自動化ソリューション
NEC OSSNEC Operation Support Systemとは
通信事業者様のネットワーク設備は、基地局をはじめ世界中に膨大な数が配備されていて、事業者1社当たり100万を超えることもあります。設備は日々、新規構築され、更新され、故障し、修理されており、日夜、インフラ保守にかかわる多くの人々に支えられています。そんなネットワーク設備の「運用」を担うのがOperation Support System(以下、OSS)と言われるシステム群です。
TM Forum (注1)をはじめとする各種関連業界標準に準拠した「NEC Operation Support System(以下、NEC OSS)」は、保守運用業務をサポートする「Assurance」、設計/構築業務をサポートする「Fulfillment」、各領域を管理するオーケストレータの役割を担う「Orchestration」の領域をカバーし、運用に必要な要素を具備しております。
NEC OSSはマイクロサービス化された機能を組み合わせることができるフレークワーク製品であり、フルスクラッチの柔軟さとパッケージ製品のベース機能の両面の特徴を持ち、「導入期間」、「業務適合」、「開発柔軟性」、「拡張性」に優れています。また、NEC NOSSは人間による作業を極力減らし、ネットワークが自ら自律的に動作することでゼロタッチでの運用を目指すAutonomous Networksの考えのもと、運用自動化を実現するためのソリューションとなっています。
さらに、日本市場において近年顕在化している課題に、「2025年の人材の崖」(注2)に代表される人材不足やサービス提供の迅速性への対応があり、この解決策として、業務をデジタル化(以下、DX化)する機運の高まりと、通信事業者様自身が開発運用を行う内製化への期待も高まっています。こうした新たなニーズに対応するためにNEC OSSは、No/Low-Code(注3)の仕組みを備えており、カスタマイズ性の高さに加え、内製化への取り組みを加速する支援メニューなどを備えた製品となっています。
NEC OSS製品/ソリューションイメージ
NEC OSSで提供する主な機能・サービスは以下の通りです。
Assurance
Assuranceシステムは、通信事業者様のネットワークの運用保守業務に必要となる監視機能を提供します。
NEC OSSのAssuranceシステムは保守業務の効率化、高度化を可能にし、保守稼働削減や迅速な障害復旧を実現します。
現在、通信事業者様では3G/4G/5G/6Gの複数世代のネットワーク、ネットワーク仮想化/クラウドネイティブ化による管理階層の増加によりネットワークが複雑化しており、保守稼働増加、障害復旧の長期化が課題となっています。
NECのAssuranceシステムはマルチベンダーの装置に対応し、Fault Management、Performance ManagementやIT Service Management(ITSM)領域であるチケット管理や変更管理など、ネットワーク監視に対応した機能を具備しています。
また、監視/分析/措置といった一連の保守フローを自動化するオートメーション機能も具備しており、アラームやパフォーマンス情報などの組み合わせ条件を契機とした自動制御の実行や、装置のトポロジー情報やアラーム情報を用いて主原因を自動で特定するコリレーション分析が可能です。
NEC OSSはAI/Machine Learning(ML)による保守業務の高度化についても取り組んでいます。アラーム発報がないという障害であるサイレント障害の検知や、予測データと実績データを比較することで、平常時とは異なる異常を検出する予兆検知を実現しています。また、AI/ML 分析に必要となるビッグデータ蓄積基盤、マルチベンダーのAI/ML エンジンの管理が可能なAI/ML エンジン管理プラットフォームも提供しています。通信事業者様に最適なAI/MLを選択し、導入することが可能です。
Fulfillment
Fulfillmentシステムは、通信事業者様の管理する通信ネットワークの構築業務に必要なネットワークの設計・設定・試験の機能を提供します。
近年、通信事業者様では5Gへの移行によりエリア拡大のために急速な基地局建設が課題となりました。また、ネットワークが複雑化する中で、サービスの多様化や品質の確保、消費電力削減への取り組みが求められ、通信事業者様ではFulfillment 業務の自動化を進めています。今後Beyond 5G/6Gネットワークでは5G 以上に高速・大容量・低遅延のデータ通信提供が求められるため、更なるネットワーク構築業務高度化への取り組みが必要になってくると考えています。
NECのFulfillmentシステムは、局建を行うプロビジョニング機能や設備管理、置局工事で必要なネットワークロールアウトの機能を具備し、物理・仮想ネットワーク設備の導入及び新設/増減設を一元管理しリソースの効率化を実現します。また、NECの研究技術である自動設計技術のAIと連携した計画・設計業務の自動化や、クラウドサービスを利用してネットワークの設定から試験までを自動化する自動構築技術の実現に向けても取り組んでいます。
Orchestration
AssuranceとFulfillment、または他の機能や隣接システムなど、さまざまな情報や機能を組み合わせて高度なオペレーションや広範囲の業務自動化を実現する重要な役割を担うのがOrchestration( オーケストレーション)です。
ネットワーク全体でのオーケストレーション (End-to-End Orchestrator:E2EO)、ネットワークドメイン単位でのオーケストレーション(Domain Orchestrator)、ドメイン内のリソース単位のオーケストレーション(Resource Orchestrator)など、さまざまなレイヤ・ドメインでのオーケストレーションがありますが、NECのオーケストレーションはマルチレイヤ・マルチドメインのオーケストレーションを共通プラットフォームにより提供します。
また、外部接続インタフェースやフロー制御などを開発レスで変更可能な高いカスタマイズ性と拡張性を具備しており、 これによりネットワークやサービス、リソースの状態に合わせてさまざまな機能・システムと連携して動作する柔軟なオーケストレーション機能を迅速に導入し、継続的に進化させることが可能となります。
業務コンサルティング
NECが長年培ってきた通信キャリアから電力系通信事業者・CATVまで幅広い通信業界での豊富な経験と通信業界の国際基準であるTM Forumの知見から実現性のあるソリューションを提供します。
- 業界標準( TM Forum )による分析
- 豊富なプロジェクト経験からの実践的なアプローチを含んだ提案
- 通信業界オペレーションの実績・知見に基づく事業戦略の提示
NEC OSS ソリューションの提供価値
コスト
通信事業者様の要望に合わせて、必要機能に絞った柔軟な価格設定とライセンスモデルの提供が可能。
カスタマイズ性
ノーコード・ローコードフレームワークを活用した高いカスタマイズ性を具備。通信事業者様に向けた豊富な技術支援も可能。
対応力
SW/HWの両方を自社調達可能、クラウドを使った提供にも対応可能。機能をマイクロサービス化した製品ベースの開発により、複雑な要件への柔軟な対応と開発期間短縮を実現。
国内製品
長年のオペレーションシステム導入実績から、ノウハウを結集した国内通信事業者様にベストプラクティスなNEC製OSS製品の提供。
将来拡張性
今後の拡張のため、TM Forumに準拠した提案によりベンダーロックイン排除を支援。通信事業者様の業務を深く理解し、ビジネスパートナーとしてAI/MLなどの先進領域まで継続的に支援。
注釈
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- TM Forum:TeleManagement Forumは、情報通信事業者向けの通信ネットワーク運用管理システムの相互接続性の向上と共通課題の解決を目的として、1988年に設立された非営利の国際コンソーシアムである。
- https://www.tmforum.org/
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- 経済産業省:DXレポート ~ITシステム「2025 年の崖」克服とDXの本格的な展開~,2018.9
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf
- 経済産業省:DXレポート ~ITシステム「2025 年の崖」克服とDXの本格的な展開~,2018.9
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- No/Low-Code:プログラミング言語によるコーディングを行わず(No)または、最小限(Low)にとどめ、GUIやツールを利用してアプリケーション開発を行う仕組み。
2023年6月27日 NEC技報
オープンネットワーク技術特集
~オープンかつグリーンな社会を支えるネットワーク技術と先進ソリューション~
・OSSにおける運用完全自動化へのNECの取り組み
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