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新しい資金調達の方法!飲食店のクラウドファンディング成功事例
NECがゼロからつくり直したサブスク型POS返済義務なしの資金3,500万円!健康にいい弁当屋「おいしいプラス」
2014年9月から東京・丸の内で営業している弁当屋「おいしいプラス」は、開業資金をクラウドファンディングで集めたことで有名なお店です。
クラウドファンディング社が、有名日本料理店「青山えさき」の江﨑新太郎シェフに弁当屋の出店を持ちかけたことがきっかけでした。それまで同様の提案を断ってきた江﨑シェフですが、「500キロカロリー以下、糖質40グラム以下のヘルシーな弁当」というコンセプトに共感して承諾。
クラウドファンディング社が自ら立ち上げた「jitsugen」というプラットフォームで、1口50万円の出資を募ったところ、わずか4時間半程で目標の3,500万円に達しました。事業計画通りに進めば、出資者は6年間、出資額に対して年12.4%の利回りが受け取れますが、売れ行きが悪ければ元本割れで、事業が失敗しても出資金は返済されないという仕組み。それにもかかわらず瞬時に売り切れたということは、健康志向という時代に合ったコンセプトやシェフのブランド力が魅力的だったということでしょう。これは、リスクがあったとしても、顧客にとって魅力ある案件ならば、それだけの資金調達が可能であることを示していると言えます。
お得なリターンで資金555万円!馬肉専門店「ローストホース」
東京・広尾エリアにある、完全会員制の馬肉専門店「ローストホース」が、2014年12月オープンのための資金調達に活用したのは、サイバーエージェント・クラウドファンディング社が運営する「Makuake」というサービスでした。
このとき、ローストホースが集めたのは、出資者506人、目標の300万円をはるかに上回る555万7,711円。出資者は、そのままローストホースの会員になれるという条件だったのですが、500人を超えた時点で、予約が取れなくなる可能性があると判断して、途中で募集を打ち切ったそうです。
このファンディングが成功したのは、出資者=会員であり、会員だけが"自分たちの空間"で、絶品の馬肉を食べられるというリターンのプレミアム感でした。もっとも人気があったのは、営業開始から1年間は6,500円定額で飲み放題・食べ放題という特典がついた「出資額10,000円」のコース。そのほかに、オリジナルTシャツがプラスされる「出資額15,000円」コースなど、3つのコースがありました。出資者にとっていかに魅力的なリターンを設定できるかが、クラウドファンディングの成否を分ける鍵になっているのです。
目標額を達成しなくても宣伝効果抜群!とろさば料理専門店「SABAR」
2014年1月に大阪・福島で開業して以来、現在では大阪に2店舗、京都に1店舗、東京に1店舗を構えるまでになった、鯖寿司専門店「鯖や」が経営するとろさば料理専門店「SABAR」ですが、東京初進出の際には、先述の「Makuake」を活用して資金調達を行いました。
目標額は1,000万円でしたが、実際に集まったのは193万380円。ただし、目標額を達成しなくても集まった金額だけを出資する「即時支援型」だったので、その金額のうち、80%は「SABAR」、20%はプラットフォームや決済代行会社に配分されて、出資者にはリターンが支払われました。
投資額の点では成功例とは言いがたいのですが、大きな宣伝効果につながりました。実は「鯖や」は、飲食店のクラウドファンディング利用では草分けとも言える存在。これまでに、ミュージックセキュリティーズ社が運営する「セキュリテ」などを活用して、多額の資金調達に成功した経験がありました。クラウドファンディングを導入するというその斬新な経営手法も相まって、東京出店のクラウドファンディング活用についても、多数のメディアで注目されたのです。
飲食店がクラウドファンディングで成功するためには?
以上、クラウドファンディングを活用して資金調達や広報宣伝に成功した飲食店の事例を見てきました。ただし、100万円も集められない事例もたくさんあります。安易に考えるのではなく、顧客が興味を持つようなお店のコンセプトや魅力的なリターンを考えた上で、さまざまなプラットフォームやサービスの中から、最適なものを選ぶことが重要です。
また、クラウドファンディングはインターネット上のサービスですが、成功のためには、顧客とのリアルな関係作りが欠かせません。ファンディングを始めただけで満足しないで、過去のお店の常連に声をかけたり、名刺交換した人にはメールをしたりなど、自ら積極的にアピールすることが求められます。
クラウドファンディングを経営に生かそう
資金調達や広報宣伝効果がある、飲食店のクラウドファンディング活用。さらに、募集中の出資者の反応やその後のリターンを通じたコミュニケーションは、後々のマーケティングや経営にも生かすことができます。さまざまな成功例や失敗例を知り、最良の形で実現できるように計画したいものです。
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