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おひとり様向きレストランに価格のないカフェ。海外で見られる新しい飲食店の形態
NECがゼロからつくり直したサブスク型POS飲食店は味が勝負!とはいえ、たまには少し変わった経験もしてみたいというお客さんも多いのではないでしょうか。海外には、日本であまり見られないアイデアを実現しているレストランやカフェもあります。今回はその一部をご紹介しましょう。
おひとり様も入りやすいミシュラン星付きレストラン 「EL Ideas」
シカゴの「EL Ideas」は、2014年にミシュランの1つ星を獲得したレストラン。そんなお店ならば、厨房には簡単に立ち入れないのでは……と思われがちかもしれませんが、まさかのオープンキッチン! おひとり様のお客さんがシェフとの会話を楽しめるようになっています。
オープンキッチンがあると、「どんなインスピレーションを得てこの一皿を作ったか」といったストーリーをシェフから直接お客さんへ伝えられるなど、料理を中心に会話が生まれます。単に料理を楽しむ場であるだけでなく、シェフとのコミュニケーションの機会を提供している点に、EL Ideasの付加価値があるのです。お客さんにとっては、また訪れたくなるような印象深いお店となるでしょう。
数カ月ごとにシェフも内装も変わる! 「Kitchen LTO」
アメリカでは現在、ポップアップレストラン(空き店舗などを利用して、期間限定で出すお店)が急増中。そんななか注目したいのが、テキサス州ダラスの「Kitchen LTO」。言ってみれば、「常設のポップアップレストラン」です。この場所で料理を提供したいシェフが数カ月間ポップアップ店を開ける仕組みになっており、決められた期間が過ぎると、また新たな店がオープンし、内装もがらりと変わります。
飲食店を始めたくても、経験の浅い人がすべてをゼロから準備して開業するのはハイリスクです。そこで、Kitchen LTOのようなスペースで、温めてきたアイデアを一定期間だけ試してみる。それによって、自分のセンスや腕前が市場で評価されるかどうかを知ることができるのです。Kitchen LTOを利用するにも審査を通過する必要はありますが、いきなり開業するよりは、はるかにローリスクなのは言うまでもありません。お客さんにとっては好みの味に出会えるチャンスが増えることになりますから、シェフにとってもお客さんにとっても、うれしい仕組みです。
払えるだけ払ってもらえればOKなカフェ 「Panera Cares」
アメリカのベーカリー&カフェ・チェーン店「Panera Bread」の運営するカフェ、「Panera Cares」。景気の悪さが影響してなかなか外食できない人のために、「払えるだけ払ってもらえればOK」というシステムを作り上げました。店からレジを取り除き、代わりに寄付用のボックスを設置してあります。
メニューには一応「標準価格」が設定されていますが、その額にこだわる必要はありません。カフェのコンセプトに共感して、懐に余裕のある人が余分に払ってくれることで、あまり払えない人の分もカバーされるとのこと。こうした値段の付け方は、一般に「Pay What You Want (PWYW)」と呼ばれ、外食を通した寄付の形としてアメリカでは定着しています。
これまでPanera Breadは、地域コミュニティの健康維持を重視するなど社会的責任を果たそうとする姿勢によって賞賛されてきましたが、このカフェのコンセプトもその経営理念に沿ったものとなっています。
- Panera Cares
食べ物の持ち込みOKなバー・レストラン 「Basis」
経済危機のなか鈍る客足をなんとかしたい……ということで、「食べ物の持ち込みOK」にしたのがオランダ・アムステルダムのバー・レストラン「Basis」。食べ物が持ち込まれた場合、ドリンク代をもらえればよい、という思い切ったルールを打ち出しました。食器類や電子レンジも使わせてもらえるという徹底ぶり。リスキーとも思えるポリシーですが、導入後にはさまざまな料理が持ち込まれ、店の雰囲気は活気づいたようです。
Basisのこのコンセプトは単に「食べ物を持ち込む」ということではなく、お客さんに自分自身の「フィーリング」を持ち込んでもらおうというもの。つまり、肩肘張らずにありのままの自分でいてもらって、みんなでくつろげる場所にしようということです。アートや音楽を披露するのも歓迎だそう。そうした自由で楽しい雰囲気に惹かれて訪れるお客さんも多いかもしれませんね。
- Basis Amsterdam
斬新なアイデアをぜひ日本でも!
海外のさまざまなアイデア、いかがでしたか? 斬新なアイデアの数々を、ぜひ飲食店経営の参考にしてみてください。日本でも実践できるものがあるかもしれません。
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