CFOメッセージ

2018年3月期の業績

当年度の売上収益は、主にパブリック事業が増収となったことなどにより、前年度に比べ1,794億円(6.7%)増加し、2兆8,444億円となりました。営業利益は、売上収益が増加したことなどにより、前年度に比べ220億円改善し、639億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が改善したことなどにより、前年度に比べ186億円改善し、459億円となりました。この結果、自己資本利益率(ROE)は5.3%と、前年度に比べ1.9ポイント改善しました。
なお、当年度の年間配当金は、親会社の所有者に帰属する当期利益が計画比で増益となったものの、2020中期経営計画の実現に向けた資金需要などを総合的に勘案し、期初に公表した1株につき60円*としました。

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    当社は、2017年10月1日付で当社株式の単元株式数を1,000株から100株に変更するとともに、当社株式について10株を1株とする株式併合を行いました。

2019年3月期の計画

次年度は、2021年3月期およびそれ以降のあるべき成長軌道への第一歩となる事業年度として、まずは構造改革を実行し、変革の実現に向けた基盤を固めていきます。

売上収益はシステムプラットフォーム事業やネットワークサービス事業で減収を見込んでいますが、グローバル事業の増収により2兆8,300億円と、ほぼ横ばいを計画しています。また、営業利益は構造改革費用400億円のほか、成長投資などを織り込んだ結果、500億円を計画し、親会社の所有者に帰属する当期利益は250億円を計画しています。年間配当については、前年度比で当期利益の減少を見込むことから、誠に遺憾ではありますが、減配となる1株40円を計画しています。

2020中期経営計画の実現に向けた収益力の強化

当社は数年前から、キャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善など財務体質の強化に積極的に取り組んできました。
その結果、フリー・キャッシュ・フローやネットD/Eレシオなどの指標も大きく改善し、より安定的な財務基盤を築くことができました。

今後は、この財務基盤を維持しつつ、2020中期経営計画の実現とその先の成長を見据え、現在保有している資金を収益力の強化へと振り向けていきます。具体的には、構造改革の実行により収益体質をさらに改善させます。また、新規事業の開拓や営業キャッシュ・フローの拡大を目的としたM&Aなどの成長投資を実行していきます。

M&Aについては、2018中期経営計画で設定した投資枠2,000億円を継続します。当社は2018年1月にNorthgatePublic Services社を買収しましたが、これに続くM&Aについても引き続き検討を進めていきます。収益を向上させることに加えて、バイオメトリクスやAIなど、従来からNECが持つ強みを活かすことができる案件の実行に努めます。なお、総額2,000億円を超える投資については、キャッシュ・フローの状況をふまえ、財務構造に十分配慮して実行することを指針とします。

私はCFOとして、長期的視点で収益力を高め、企業価値を向上させていきます。

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