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世代を超えてつなぐ手話のバトン NECが支える高校生手話スピーチコンテスト40年
手話を通じて世界の懸け橋になりたい──。手話を学ぶ高校生を応援する「全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」は、2023年8月27日に開かれた大会で、40回の節目を迎えました。今年も事前審査を突破し全国から集まった高校生10人が参加。親から子へ、日本から世界へと、つながる想いが弾けました。1984年の第1回大会から単独協賛するNECも、ボランティアや事業を通じて、ともに共生社会の実現をめざしています。40年という長きにわたり、世代を超えて紡がれた、大会に関わる人々の想いに迫ります。
これからの未来をつくっていく高校生たちをサポートしたい
高校生の想いが響く手話スピーチコンテストは、全日本ろうあ連盟、朝日新聞厚生文化事業団と朝日新聞社が主催。
NECは協賛だけでなくボランティアとしても、受付や誘導など毎年約20人のグループ社員がサポートしています。なぜNECが大会を支え続けているのか。それは、10年以上ボランティアをしているNECマネジメントパートナーの多田和恵の言葉にヒントがあります。
「高校生たちが手話について聴覚障がいについて勉強する、すごくいいきっかけになるコンテストなんですよね」とした上で、こう続けます。「聴覚障がい者の方が置いて行かれない社会をつくるということ。これは、持続可能な社会の実現をめざすNECのPurpose(存在意義)に繋がる活動なんです」。協賛を長年続けている会社の一員として、ボランティアという形で、未来をつくっている高校生たちをサポートしたい。その想いで、手話とボランティア活動を続けています。
テクノロジーでもNECは障がい者を支援しています。会場では、NEC独自のAI音声認識技術DX支援サービス「NEC Enhanced Speech Analysis-高性能音声解析-」を展示。このサービスは音声を素早く高精度にテキスト化することができ、聴覚障がい者が音声会話を理解するサポートにも役立ちます。サービスの実演には多くの来場者が見入りました。出展を担当した AI・アナリティクス統括部の角南智也は、「必要としている方がたくさんいるということを改めて感じ、視野が広がりました」と話し「NECのテクノロジーの可能性」を実感できたといいます。
40年の歴史 進化する共生社会 受け継がれる親子の想い
40年の間に、聴覚障がい者をとりまく環境は変化し、大会の在り方も変わりました。かつては健聴者だけの参加でしたが、今は聴覚障がい者も出場しており、今回の1位は聾学校の生徒でした。主催者の全日本ろうあ連盟理事長、石野富志三郎さんは「きこえる学生もきこえない・きこえにくい学生も一緒に出場できるようになり、随分社会が変わったと思います」と振り返り、手話の広がりに大きな役割を果たしてきたこの大会を通じ、「今後も共生社会をともに歩んでいきたい」とNECへの期待を語ります。
長い歴史があるからこそ、受け継がれた想いもあります。28年前にこの大会に出場した母親を目標にして、自身もこの大舞台に立った山﨑未夢さん(福井県・北陸学園北陸高等学校 3 年)。「母が昔、このコンテストに出場したっていうのを聞いて、手話という言語を知り、私も挑戦したいと思って大会に応募しました」と言います。
「心をもってコミュニケ―ションすれば、乗り越えられない壁なんてない」。山﨑さんのメッセージは、会場で、確かに多くの人々の心を震わせました。
未夢さんの練習に付き添い支えてきた母の広未さんは、「今まで練習してきた中で一番上手でした。いい経験にもなったし、100点満点以上をあげたい」と笑顔で語ります。
広がる手話を支えた大会 これからもずっと続きますように
未夢さんは「英語や手話の学習を通して、その言語を話す人達の文化を知ることや、別の文化を持つ人たちと交流することに、すごく興味を持ちました」と話します。自分自身が手話を通じて「学ぶことの楽しさ」を実感したことをきっかけに、こんな夢を抱くようになりました。「教育が不足している地域に行って、私が勉強の楽しさを教えてあげたい」
母の広未さんは、「子供たちが挑戦する機会に力を入れている企業は素晴らしいなと思います」と話し、大会が40回を迎えたことと将来への想いをこう続けます。「この40年で手話が広がっている実感もあるし、歴史の長さがその広がりにつながっていると思うと、もっともっと、こういうものが、将来もずっと続いていくといいなと思います」
世代を超え、大会に関わる様々な方々の想いを紡いできた本大会。歴史を重ね、聴覚障がい者への理解促進や手話の普及など様々な広がりをみせています。NECは、Purpose(存在意義)に掲げる「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」の実現に向け活動を継続していきます。
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