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「まちの安全」と「最先端技術」をつなぐ架け橋はNECの営業担当 橋の点検の効率化へ豊田市と実証実験

2023年9月1日、関東大震災から100年の節目となります。災害大国の日本では、暮らしを支えるインフラの保守や再整備は大きな課題となっており、NECも「安全」「安心」なまちづくりを目指し、防災の先端技術やソリューションの開発・提供に力を入れています。そんな技術を社会の役に立てるには、研究と実用の現場をつなぐ実証が不可欠です。その二つの現場を結ぶきっかけとなったNECの営業担当の熱い想いと、暮らしを守るNECの取り組みを紹介します。

「お客様の課題解決のカギ」自主的に参加した社内の展示会で見つけた

今回焦点となるのは「橋」です。日本には約73万基の橋梁があり、多くが高度経済成長期につくられ老朽化の進行が深刻化しています。法律で定められた5年に1度の点検の重要性が増す一方で、人材不足が進み、膨大な手間のかかる点検業務は大きな負担となっています。

この課題を解決すべく、NECの技術を使って橋の点検を効率化する。2023年6月から愛知県豊田市とNECが始めた実証実験の起点となったのは、NECの営業担当、木下洋一(NEC社会公共インテグレーション統括部)の熱意でした。

今回のカギとなる技術に出会ったのは1年前、年に1度NECで行われる大型の技術や新事業の社内展示会です。上司の指示でもなく、当時の仕事に直接結びつく保証もなく、「NECの技術をお客様の役に立てるヒントに出会えたら」と自主的に参加しました。

その頃は豊田市の行政DXを担当しており、道路の担当部署とのやりとりはなかったものの、豊田市全体が抱える課題を担当の枠を超えてヒアリングしていました。そこで何度も耳にしたのが「インフラ」というキーワードで、維持費や点検業務に関する悩みでした。

だからこそ、社内展示会で「建造物の3Dデータを使って損傷の変化や進行の予測ができる技術」に出会ったとき「豊田市の課題にマッチするかも」とピンときたといいます。

この技術は、実世界の橋をデジタルの世界に写し取る「デジタルツイン」を活用。3Dデータと2D写真の組み合わせがポイントで、建造物の過去の画像を使って3Dモデルを一度制作すると、以降は2D写真の情報だけで破損状況などを「数センチの誤差」で予測できます。撮影だけで高精度の予測ができることで点検業務の効率化が期待されており、2D写真を使えることで、3Dデータだけを使う場合よりも費用が抑えられるのも特長です。

木下はNECの研究所と、それまで接点がなかった豊田市の道路予防保全課にアプローチし、実証につなげました。

完成前の技術を顧客と一緒に育てる 心を動かした熱意

「営業担当者がここまでやってくれるケースは自分にとっては初めて」と技術開発をリードするNECビジュアルインテリジェンス研究所の小倉一峰は振り返ります。

「既存の製品を販売するだけではなく、NECの研究開発の重要性を理解した上で、すぐには売り上げにつながらないかもしれない技術とお客様とつないでくれた」。まだ事業化していない段階で顧客と実証できるのは、研究開発にとっても大きな価値があります。

また、今夏から始まった実証では自ら豊田市内に出向き撮影に参加。「実際の現場で橋梁の撮影を行ってみて、こうした点検や記録の業務がいかに大変かを痛感し、それを自動化できる今回の技術の有効性を改めて感じました」と手ごたえをつかんでいます。

まちの安全を守る市役所の担当者の心もつかんでいます。豊田市 建設部 道路予防保全課の星川雅貴さんは「木下さんのグイグイ来る熱意」によって、「完成前ではあるものの先進的な技術を一緒にやって(実証して)いくこと」の可能性を感じたといいます。NECの技術を活用することで橋梁の劣化を予測し、的確で現実的な修繕計画につなげることができる。そして「市民の安全と安心を守り、ひいては日本全体の橋梁の維持管理につながる技術に発展させたい」と期待しています。

「営業」と「研究」のタッグ 日本の安全・安心をめざす

「社会課題の解決がNECの使命。いま課題となっているインフラ全体の保守や整備の効率化を、技術で解決していきたい」と小倉は話します。その想いを現場とつないだ木下は、呼応するようにこう語りました。「将来を見据えて研究されているテーマを提案する機会を創りたい。今後も営業と研究所が接点をもつ機会が増えればいいな、と思います」。

この技術は今年度の豊田市との実証実験をステップとして、2025年度には橋梁の管理者や点検従事者向けの製品化、将来はインフラ施設管理全般のDX推進をめざしています。

NECならではの特長がある技術、これを営業がしっかり理解して顧客との架け橋になれば、NECの技術を育て、顧客の課題解決につなげることができる。「日本の安全・安心につながったら嬉しいですね」。豊田市の担当者、NECの小倉、そして木下が口をそろえます。

関東大震災から100年の今年、まちづくりを見つめなおす意識が高まっています。NECは2030VISIONの「とまらない社会を築き産業と仕事のカタチを創る」、そしてPurpose(存在意義)に掲げる「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」の実現に向け、一人一人が架け橋となっていきます。

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