Japan
サイト内の現在位置
ふくしま応援「気軽な雑談から」「胸元のバッジから」 NECの広報隊に1000人超
2023年3月9日

東日本大震災から12年。NECグループは、ICTや事業を通じた支援に加え、震災当初から被災地のためにボランティア活動を続けてきました。震災10年の節目となる2021年からは、福島県をクローズアップした応援の活動をスタート。もっと福島を知って応援する「広報隊」には、昨年だけで全国から1000人超の社員が登録しています。活動を通じて、この1年でどんな学びを得たのか、NECグループ社員に尋ねてみました。
「福島を知ろう」12年たっても復興は道半ば
震災から10年以上の時が経っても、復興は道半ばです。10年の節目で支援を一区切りする企業や団体も多い中、「誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」の実現をPurpose(存在意義)に掲げるNECグループは、「これからも力になりたい」と2021年から「ふくしま応援シリーズ」を始めました。福島の現状を「知って応援」、「伝えて応援」、「食べて応援」することをテーマにしています。「知って応援」では福島県職員の方などとオンラインで対話、「食べて応援」では、東京にある福島県のアンテナショップと連携して県産品限定セットを社内向けに販売。今年は本社や事業場の実店舗でも対面販売します。
「広報隊」もこのシリーズの一つで、福島県が実施している「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」広報隊への登録をNECグループ社員に呼び掛け。登録した人は専用のバッジを受け取り、福島県のことを「伝えて応援」します。これが広報隊のミッションです。昨年のうちに登録した社員は1000人を突破し、福島県広報課は「登録者数1,000人を超すのは企業の中でも非常に多い方です」とコメントしています。
コロナ禍の影響もあり、NECグループの「広報隊」全体での活動はこの1年ありませんでした。それでも、一人一人の行動が、ささやかに、でも確かな変化を生み出しています。

きっかけはささやか 今は「若手の仲間に話してみたい」
「リモートワークで閉じこもりがちだったのもあって、外に目を向けてみよう」。そう思ったのが、東日本大震災や福島県の発信が多い時期で、その時「たまたま」広報隊の募集が目に留まった、と話すのは、NEC入社6年目の諸角有紗です。「まずは情報収集」というつもりで広報隊に登録し、同じ時期に募集のあった社内外の企画にいくつか参加しました。
福島県が東日本大震災で大きな被害をうけたことはもちろん認識していましたが、いくつもある地方の一つ、という存在にすぎませんでした。それが1年前の広報隊への登録以降、福島の起業家の話を聞いたり現地に行ったりするうちに、東京生まれ東京育ちの諸角にとって、福島は「One of them」を超えた特別な地方になりました。「そこに暮らしている人、働いている人の話を聞くと、思い入れが深まりますよね」。今は福島で「複業」も行っており、被災牛による農地保全などを行っている団体のコンサルタント的な役割を担っています。
今の目標は、NECグループ若手社員でつくるコミュニティで、福島を話題にすることです。「特別なことをしているつもりはない」という諸角は、「複業」の話を入り口に、雑談のような形で自分の活動を紹介し、自然に福島に興味を持ってもらえたらいいな、と考えています。

広報隊バッジ 駅でもバスでも、たくさんの関心引き出した
ボランティアの「ベテラン」たちも、この1年、福島への理解を深め、広めています。
震災前から個人的に南会津の山村集落の再生活動に参加していた三好正義もその一人。昨年、「福島に関わることをNECでもやろう」と広報隊に登録しました。南会津の活動は今も続けており、震災後には現地でもらった野菜を東京のご近所でおすそ分けしたり、東北に旅行に行ったり。この1年だけでも、南会津にUターン移住した会社の先輩のところに3泊もしました。「福島での生活、福島のこと、もっと知って、広めていきたいですね」と三好は話しています。
「あれから家のご飯はずっと福島のお米です」。中山紳一は、別の団体の企画で、昨年5月に福島第一原発の廃炉作業を視察し「言葉が出なかった」と言います。
視察で福島に行く際、「広報隊」のバッジをつけていきました。「ひとつ、ひとつ、実現する ふくしま」。こう書かれたバッジは、驚くほどたくさんの人から声をかけてもらうきっかけになったといいます。「なんですか、それ」「そんな取り組みがあるんですか」。駅の改札の人、バスに乗り合わせた人、お店の人……現地で会う人会う人からの笑顔を引き出し、一緒に視察にいった別の企業の人からは「いいことやってますね」と感心されました。「NECの取り組みとして宣伝になるだけでなく、ちょっとした交流のきっかけにできました」。
1つのバッジでこれだけの反応が生まれます。NECグループの「広報隊」の力が合わされば、福島のことをもっと「伝える」ことができるはず。小さな一歩を積み重ねながら、NECグループはこれからも福島のことを応援していきます。

