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「NECの衛星に見守られているから安心な未来へ」ミリ単位の点検…宇宙利用ビジネス加速

10月4日~10日は、世界宇宙週間です。今から65年前の1957年10月4日、世界初の人工衛星「スプートニク1号」が打ち上げられました。1970年にはNECが携わった日本初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げが成功。そして今、宇宙への挑戦は衛星からのデータを活用する新たな時代に入り、NECの宇宙利用ビジネスも広がりつつあります。新たなサービスの提供に奮闘する2人の社員に話を聞きました。

曇っていても、夜間でも インフラ点検、宇宙から計測

NECは半世紀以上にわたって、約80機の衛星を開発・製造してきました。現在NECが保有する地球観測衛星「ASNARO-2」などに搭載した「衛星SAR(合成開口レーダ)」は、電磁波の一種であるマイクロ波を地表に当て、その反射を受信して対象物の位置の変化などを観測できる技術です。天候や昼夜を問わず、衛星から対象物までの距離をミリ単位で計測・撮影できます。

衛星SARを搭載した地球観測衛星「ASNARO-2」(NEC保有)

国内では今年7月、衛星SARを用いたリモートセンシングとAI技術を組み合わせ、橋の「異常なたわみ」をミリ単位の精度で検知し、崩落事故につながる重大損傷を発見する技術を発表。全国に約72万ある「橋の点検の効率化」につながる技術として注目を集めています。

きっかけはスパイ映画 「衛星を使えば、こんなことも」

「衛星SARの領域でのNECの強みは2つあります。1つ目は、自社保有の衛星『ASNARO-2』を使ったフレキシブルな撮像が可能なこと。2つ目は、NECの世界トップクラスの画像解析技術により、非常に高精度な解析結果をお客さまに提供できることです」。そう話すのは、NEC 電波・誘導統括部の大野翔平です。

NEC 電波・誘導統括部 大野翔平

「昔からSFやスパイ映画が大好きで。高校の頃、スパイが人工衛星を使って敵の様子を探る映画を観て、『衛星を使えば、こんなこともできるのか』と衝撃を受けました。それが、この分野に興味を持ったきっかけです」

大学では機械工学を専攻。そこで出会ったのが衛星SARでした。「衛星SARなら、国境を越えてさまざまな場所を観測できる。グローバル展開できるところにも、将来性と魅力を感じました」。その後、「国家の安全保障だけでなく、民間向けの防災・災害対策などへのサービス展開に挑戦したい」という思いを胸に、NECに入社します。

「現在は、国内だけでなく、海外からも多くの引き合いをいただいています。海外現地法人のメンバーと共に仕事をする機会も増え、グローバルへの事業の広がりを感じています」

今後の抱負は?という問いに、「衛星で見守られているから安心だと感じてもらえる世の中にしたい。そして、それを実現しているのがNECだと知ってもらえたら嬉しいですね」と話します。

災害に強いまちづくりへ お客さまの「いいね!」集めながら

大野と共に、衛星SARのデータ解析やソリューション提案などを担当しているNEC 電波・誘導統括部の十文字奈々。「別のサービスを担当していた頃にも、宇宙から広範囲のエリアの変化を“ミリ単位”で計測できるなんて、すごい技術だなと思っていました。その衛星SARに、いま自分自身が携われていることが、すごく嬉しいです」

NEC 電波・誘導統括部 十文字奈々

お客さまとのやりとりや、社内外の専門家とのディスカッションを通し、衛星SARだけでなく、道路や地盤の構造などの知識・理解も日々深めています。2022年2月に「デジタル技術を活用した防災まちづくりに関する協定」を締結した川崎市とのプロジェクトでは、衛星SARを活用した崖の変動モニタリングや、災害発生時の被災状況の広域把握など、お客さまと共に「災害に強いまちづくり」に取り組みます。

十文字はお客さまからの『いいね!』を沢山集めることを、年間目標の1つに加えています。「お客さまから明るいフィードバックが返ってきた時に、カウントしています」

スプートニク打ち上げ当時は、宇宙技術といえばロケット開発や打ち上げがメインでした。それから半世紀以上がたち技術は進化。宇宙利用産業のグローバル市場規模は毎年拡大し、衛星サービスはその3分の1以上を占めています。NECが磨いてきた衛星SARのモニタリング技術も、ここ数年で実証から、実用化が加速。人々の暮らしを守り「いいね!」を集めるため、現場の奮闘は続きます。

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