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ガーナの母子の健康を守る 栄養改善プロジェクトに参加、NECのICTができること

妊婦や出産後すぐの母親に栄養についての理解が十分ではなく、子どもが健やかに成長できない。途上国、特にサハラ砂漠より南のアフリカでは、子どもの栄養不良が問題になっています。母親に正しい知識を持って行動を見直してもらうために、NECが現地の栄養改善プロジェクトに参加しました。日本発の技術でできることは――。

母親に行動を変えてもらうため データを「見える化」し活用

プロジェクトの現場はガーナ。この国では、生後6か月からの離乳期に栄養不足となる子どもが多く、2歳児の約3割で発育に阻害が出ています。「2歳までに失われた成長は取り戻せない」とも言われ、ガーナの子どもの栄養不良は深刻な問題です。
この問題の解決のため、2009年開始の栄養改善プロジェクトを推進してきた味の素ファンデーションは、2019年からの2年間、WFP(国連世界食糧計画)と共に栄養サプリメントの販売、配布などの支援をおこなってきました。

今回、NECが加わり、ICT技術でプロジェクトを加速します。
NECが開発したアプリを使って健康診断のデータを「見える化」。タブレットにグラフを表示し、あるべき状態とのギャップを母親に伝えます。動画による栄養教育も行います。
健康診断のスケジュールと結果を管理し、保健師が適切な人に適切なタイミングでフォローアップを行うことを可能にします。また、一人一人の健康状態に対応した適切なアセスメントをはじき出すアルゴリズムも提供し、保健師の健康診断業務をサポートします。

目的は、母親に栄養についての理解を促し、胎児や子どもの成長に必要な栄養をきちんととるよう行動を変えてもらうこと。
ガーナではまず60台のタブレットを診療所に配布し、2022年12月から8か月間、アプリを通じた母子の健康状態の把握と指導のサポートを行う予定です。

インドでの訪問型健康診断の実績 国際機関との共創につなぐ

眞塚 麻里江
グローバル事業推進統括部
国際機関グループ

NECがプロジェクトに加わることになったきっかけの一つに、インドのビハール州での実績がありました。
インドでは糖尿病患者の急増が問題となっています。ビハール州とNECは2020年、訪問型の無料健康診断を5000人を対象に実施。アプリを使って診断結果を市民に伝え、健康指導をサポートしました。
NECで国際機関向け事業を担当している眞塚麻里江によると、日本政府も交えたアフリカヘルスへのアプローチの議論で、NECからインドでの実績を紹介。民間によるガーナのヘルスケアプロジェクト組成を期待していた日本政府などが注目し、先行して栄養サプリメントのプロジェクトを行っていた味の素ファンデーション、同じくガーナで長年貧血・マラリアの問題に取り組むシスメックスとの協業の構想が進みました。
「今回の協業には多くのステークホルダーが存在します。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で直接会えない中、関係構築にはとても苦労がありましたが、ガーナの健康・栄養改善という共通の目的が支えになりました」と眞塚は語ります。

データの利活用がNECの価値 泥臭い段階からの参加の意義

安川 展之
事業開発統括部
Lifestyle Supportグループ

ガーナ支援のプロジェクトに、インドの実証実験の事業リーダーだった安川展之も加わっています。インドからガーナへ。NECの参加の意義を尋ねました。

「インドでも、現在のように豊かになって糖尿病が問題になる前は、母子健康が国家的な問題でした。どの国も歴史をたどり、将来を見据えると、同じような構造の健康問題が存在します。それぞれの国固有の問題ではなく、世界の問題として取り組むべき解決手法があります。
インドでは、体重計の使い方がわからない人がいたり、就寝直前に食事をとっている人が多かったり。こうした具体的な課題を見つけることなどで予防医療の成果を出せました。5000人から始まった実証実験は、数十万人にまで増やす計画を議論中です。
対象人数が増え、1人あたりの健診回数が増えることで、データの厚みが増し、より効果的な健康指導や政策につなげることができるようになります。さらに今後長期間のデータが蓄積していくことにより、健康状態の予測AIなどNECの技術がさらに価値を出していくこともできるようになります。
現地でデータを集める段階から参加するのは、ある意味泥臭くもある。データをちゃんと理解して、よりよく運用するには、この段階からの参加は大きな意味を持ちます。
ガーナでも、次のステップにあるデータの利活用となると、NECがさらに大きな価値を提供できます。規模を拡大する議論を進めたい。そして、世界の健康問題の解決に、つなげていきたいです」

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