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現場を支える情報共有基盤「Microsoft 365 F1」

企画から現場へ。進展する働き方改革をITで支援
2017年10月1日、マイクロソフトは「Microsoft 365 F1」(現在のMicrosoft 365 F3)のサービス提供を開始した。働き方変革に取り組む企業に向け、どのような意図や願いを込めてリリースしたのか。また、顧客のニーズやどのようなソリューションを提供できるのか。それぞれ、日本マイクロソフトのプロダクト担当の冨士野光則氏と、NECのマイクロソフトソリューション推進担当齊木崇と田中寛人に語ってもらった。

どこまで進んでいる働き方改革?

日本マイクロソフト株式会社
Officeビジネス本部
シニアプロダクトマネージャー
冨士野 光則 氏

「マイクロソフトは、働き方改革のキーワードで『Office 365』『Microsoft 365』を提供し、日経225の企業のうち8割のお客さまに利用されています。ところが、使われ方はまだ限定的です。現在は、営業やマーケティングなど企画系職種の方の活用がすすんでいます」と日本マイクロソフトの冨士野光則氏は語る。つまり、働き方改革は企画部門が先行して、徐々に進んでいるのだ。「小売業やヘルスケア、製造業などの現場での活用は、まだ十分とは言えません。そこで、現場の働き方改革推進を目指し、『Microsoft 365 F1(以下、F1)』のサービス提供を開始したのです」と続ける。

ビジネスクリエイション本部
マイクロソフトソリューション推進グループ
主任
齊木 崇

「ここ5年で『Office 365』をご契約いただくお客さまは激増しました。その9割のお客さまが『Enterprise E1(以下、E1)』か『Enterprise E3(以下、E3)』を選択しています。しかし、現場で働く方々のライセンスは、予算がない、あるいは先に延ばす、などと利用適用が漏れています」と語るのは、NECの齊木崇だ。体を動かして仕事をする現場の方にとって、多彩な機能を持つE1やE3は、コストが合わないと判断されている。しかし、今や状況は第二ステージに入ったと、齊木は指摘する。
「昨今は働き方改革が広まり、現場でも情報共有すべきだという意見や、現場からもニーズが上がってきており、いろいろなユーザーから、この領域のこういう現場に適用したいという相談が増えています。お客さまは、どのようなシーンで効果的に使えるかを知りたがっているのです」

現場に必要な情報共有基盤と、そこで求められる安全性とは?

「現場のIT活用で何が必要かを考え、F1では大きく3つの機能を実現しました。第1は、経営方針を現場で共有し帰属意識を高める。第2は、現場と現場、現場と本社のコミュニケーションツールとして活用できる。第3は、紙マニュアルでなく、社員やアルバイトがいつでもオンラインコンテンツで勉強できるトレーニングの基盤になる、です」(冨士野氏)
情報基盤を安全に利用するには、セキュリティトラブルを引き起こすシャドウITを撲滅する必要がある。

ビジネスクリエイション本部
マイクロソフトソリューション推進グループ
田中 寛人

「シャドウITをなくすには、2つのアプローチがあります。1つは、セキュリティが担保された本社で利用しているツールを、現場でも同様に使い、全社コミュニケーションの基盤をつくること。もう1つは、ユーザーが会社のデータを持ち出しできないようにすること。例えば、会社の文書を個人のスマートフォンで開き、それを個人のクラウドストレージ環境に上げられないようにすることや、端末をなくしたらリモートで会社のデータだけを削除できるようにするなど、セキュアな環境を実現する必要があります」(冨士野氏)
「業種によってはデバイスを持ったまま直帰することが多く、セキュリティ面で心配というご相談もあります。そんな時は、マイクロソフト製品のセキュリティレベルが最高峰にあることを説明し、理解いただいています」とNECの田中寛人は語る。

Microsoft 365 F1とは
最前線で働く従業員のための包括的でインテリジェントかつ安全なソリューション

※Microsoft 365 F1は現在のMicrosoft 365 F3

現場のマーケットには、多様なニーズがある

業種によって多様な相談があり、F1の導入を検討されているお客さまも多いと、齊木は次のように語る。
「交通・物流業では、ドライバーの持つ端末にF1を入れ、情報共有基盤として活用したい。製造業では、工場内に紙を掲示するのではなくITで情報共有したい。小売業では、コンビニの店舗情報をオーナーが見るのに活用したい。大型店舗では、タイムシフト制で交替する従業員が1つの端末で情報共有できるようにしたいなど、さまざまなニーズがあります」
シフト制と言えば、F1にはスケジュール管理のできる『Microsoft StaffHub』がある。
「紙でシフトをつくっても、日々のシフト交換作業が店長やマネージャーの負担になっています。『StaffHub』は、アルバイト同士でシフト交換ができ、チャットメッセージもやり取りできる非常に便利なシフト管理ツールです」(冨士野)
現場の情報共有では、『Microsoft Teams』の利用を薦めている。チャットをベースにタイムリーにやり取りができ、またOfficeアプリとの連携も充実している『Teams』は、他のSNSなどに比べて企業用ツールとして安全に利用することができる。
マイクロソフトOfficeシリーズで提供しているモバイルアプリと同様に、『Teams』にもモバイルアプリがあり、簡単に情報共有できると冨士野氏は語る。

「医療では、看護師と介護職の利用を考えています。看護師は低コストで電子カルテの情報を共有し、介護職は在宅介護のためミニマムコストで情報を共有するといったシーンを想定しています。医療分野は、特に高度なセキュリティが求められます。Windows 10は、最高レベルのセキュリティを実現したOSで、しかも進化していくので常に最高レベルのセキュリティを享受できます」と、齊木はWindows 10利用のメリットも強調する。

※Office 365 F1 は現在の Office 365 F3、Microsoft 365 F1 は現在の Microsoft 365 F3

Microsoft 365 F1とOffice 365 F1

ITを働き方改革にどう結び付けるか?

「NECは、ITの観点からお客さまの働き方改革を支援していますが、個人的にはIT活用に加えてお客さま企業の制度や仕組みなども変え、ようやく改革のスタートラインに立てると考えています」(齊木)
「マイクロソフトは、現場の働き方改革を推進して、初めて全社でのデジタルトランスフォーメーションが実現できると考えています。その意味で、もっと現場の方々にIT活用をしていただきたいと思います」(冨士野氏)
「働き方改革では経営層がマインドを変えることも重要です。費用対効果を考えると、F1は非常に有効です。お客さまに説明すると、現場で働く方々に必要な機能に絞られていて、とても良いとお褒めいただきます」(田中)
「F1はユーザートレーニングがなくても、利用を開始できるほどわかりやすく、『Teams』などの機能もすぐに使えます。ぜひ、全社目線でセキュリティの担保された最適なツールを選定し、利用していただきたい」(冨士野氏)
「お客さまに事例も含めた活用推進の提案ができるのがNECの強みです。またニーズに合わせ、不足する機能をNECのソリューションで補い、付加価値をつけたトータル提案もできますので、ぜひご相談いただきたいと思います」と、齊木は締めくくった。