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まちのコミュニティを可視化し地域の価値向上を図る
NECスマートシティ日本電気株式会社(以下、当社)は渋谷区立北谷公園(以下、北谷公園)にて、「まちのコミュニティをデータによって可視化する実証」を行いました。この実証の具体的な内容としては、「北谷公園周辺のステークホルダー同士のつながりを明らかにすることや、それらコミュニティの可視化によって生活者・来街者への影響を明らかにすること」というものになります。
北谷公園におけるこれまでの取り組み
当社は、2023年に公園を起点とした地域の価値向上に関する実証を行いました。その結果、周辺地域での知り合い人数を増やす仕掛け(コミュニティの形成)を行うことで、公園等で開催されるイベントなどへの参加回数の増加につながり、結果的にその地域への訪問頻度が増加する可能性があることを提示しました。
- 2023年の実証はこちら:
渋谷区立北谷公園におけるデータ活用実証 公園を起点に地域の価値向上を図る
上述の結果をもとに、よりコミュニティやステークホルダーがもたらす公園および地域に対する貢献度合いを可視化するため、コミュニティ形成を支援するプロトタイピングツールを用いることによって、生活者や来街者における北谷公園およびその周辺に関する訪問意欲ならびに参加意欲に対してどのような影響を与えるかについての検証を実施しました。
北谷公園でまちのコミュニティを可視化する
2024年11月3日(日)、昨年度と同じ北谷公園にて本実証を行いました。本ツールで描画した要素として、北谷公園周辺で活動している企業や団体、ボランティアなどを各々のコミュニティとして表現したことに加え、それらのコミュニティ同士のつながりや、そこで活動しているステークホルダーのデータや、コミュニティの活動情報なども併せて表現いたしました。

来場者アンケートより得られた示唆
本ツールの画面を来場者の方々に提示しながら一定時間触れていただき、北谷公園周辺で活動しているコミュニティや個人について簡易に知っていただく体験を提供しました。これらの一連の体験を提供したのち、北谷公園周辺に対する訪問意欲の変化についてWEBアンケートを取得したところ、以下の内容が見えてきました。
・イベント来場者の属性
JINNAN MARKET #10の来場者属性としては20代から30代の若年層および渋谷区外に居住されている方が多いことが分かりました。北谷公園周辺への来訪頻度についても初めて訪れた方が多いことが判明しました。
・まちのコミュニティを可視化することによる影響
プロトタイピングツールによる一連の体験を受けて、「まちのひとを知ることができた」と回答する人が86%にのぼりました。この結果はコミュニティの可視化がエリアでの新たなコミュニティ形成のきっかけづくりとなる可能性を示しています。
また行動に関する質問については、80%の人が「コミュニティとの交流のために、まちへ訪問したい」と回答しており、訪問頻度を増やす意向があることが確認できました。これにより地域における人のつながりやコミュニティが求心力となって訪問頻度が向上させられる可能性が見込まれます。
さらに本実証では、北谷公園とその周辺におけるコミュニティと個人のつながりについて事前ヒアリングを行いました。この事前ヒアリングはJINNAN MARKET #10に関わられている個人に対し、本エリアに存在するコミュニティへのつながり方についてアンケートを収集したものです。この事前ヒアリングによって本エリアにおけるコミュニティと個人のつながり方には、ゆるやかなつながりからコミュニティへ強くコミットメントしようとする強固なものまで様々な特徴があることが分かっています。
当社では上述のコミュニティと個人のつながりに関するデータをネットワーク分析にかけることで、エリア内で最も多くの人とつながりのあるコミュニティを抽出することに成功しました。また各コミュニティと個人との関係性における特長についても定量的に示すことができました。
これにより地域の人から愛される場所・コミュニティをネットワーク分析によって可視化することで、より地域の人と連携したまちづくりへの活用が期待されます。


おわりに
今回実施したコミュニティやステークホルダーのデータにおける可視化と、それらに対するアンケートの検証により、まちのコミュニティやその場で活躍しているステークホルダーの情報が可視化されることが、生活者および来街者の当該エリアへの訪問頻度向上に寄与する可能性が示されました。これにより、北谷公園のみならず、それらの空間を構成している「まち」のコミュニティに関するデータ活用が、持続的なエリア価値の向上へ寄与するものであると考えます。
引き続き、コミュニティやステークホルダーに関するデータを起点とした、持続的なエリアづくりに取り組み、ウェルビーイングなまちづくりに寄与できるよう、さらに活動を進めてまいります。
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