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データ駆動型社会を支えるNECの先進技術

パーソナルデータの保護と利活用の両立

2020年10月1日

どうすれば私たちはデータが持つ価値を解放できるのか?

2011年に開催された世界経済フォーラムでの「パーソナルデータは21世紀のオイルになるだろう」という指摘から10年、私たちの暮らしの中にはデータとAIを活用した多様なサービスが浸透してきました。一方、大規模な情報漏洩やウェブ閲覧履歴の不適切な利用、行き過ぎた個人情報収集など、個人のプライバシーに関わる様々な問題が発生しています。このような事態に対し、EUのGDPR※1やカリフォルニア州のCCPA※2が施行されるなど適切なパーソナルデータの利用に向けた規制強化の動きもあらわれています。

今後、企業や業界の枠を超えたデータ連携により高度で多様なサービスが登場し、経済発展と社会課題の解決を両立するデータ駆動型社会の到来が期待されています。しかし、個人に植え付けられてしまった不信感や、企業の複雑な法制度への対応負荷やレピュテーションリスクへの不安を払拭することができなければ、その可能性をつぶしてしまうことになりかねません。

  • ※1
    GDPR (General Data Protection Regulation) : EU一般データ保護規則
  • ※2
    CCPA (California Consumer Privacy Act):カリフォルニア州消費者プライバシー法

データ駆動型社会を実現するためには

NECはデータ駆動型社会を実現するために、誰もが安心してパーソナルデータを共有し利用できる、信頼性の高いデータプラットフォームを新たな社会インフラとして整備することが必要であると考えています。

このデータプラットフォームが「安心してデータを預けられる仕組み」と「プライバシーに配慮したデータ連携の仕組み」をあわせ持つことで、多くの個人や企業、公的機関がデータの利用範囲を広げることができるはずです。業種の垣根を超えて連携することで、新たなサービスやビジネスモデルが爆発的に生み出されていくと期待しています。

安心してデータを預けられる仕組み

クラウド上に預けられたパーソナルデータは、外部からのサイバー攻撃やクラウド管理者の内部犯行など様々なリスクにさらされています。NECのAONT(All-or-Nothing Transformation)ストレージ技術(以下AONTストレージ)では、データの暗号化と複数クラウドへの分割保管により、情報漏洩リスクを大幅に低減できます。

また、データ提供者は自分のパーソナルデータが意に反して独り歩きする可能性を感じた瞬間、不安を覚え、データの提供に抵抗を感じるものです。NECのブロックチェーン技術を使い、本人同意や企業間の契約に基づく厳格なアクセス管理、データの生成から利用、消去までのデータライフサイクル全体の履歴を残すことができます。それによりデータ提供者は、いつ、誰が、何の目的でデータを使ったのか、そのデータは正しいのかをいつでも確認することが可能になります。

AONTストレージ

  • データを暗号化した上で異なるクラウドサーバに分散配置し、漏洩・消失リスクを排除
  • 一定量以下のデータ損失の回復を保証

ブロックチェーン

  • データへのアクセスや利用履歴等の情報を複数管理者で分散管理
  • 社会インフラを想定した大規模環境下でも耐えうる実用的な処理速度を実現

プライバシーに配慮したデータ連携の仕組み

現在、データ連携を行うためには、相手にデータを直接渡すしか方法がありません。しかし、一度データを渡してしまうと、後からそれを消したり、目的外の利用を制限したりすることが難しくなるため、個人や企業はデータをなるべく外部に出さないようにしています。

NECの秘密計算技術により、データを渡さずに計算結果だけを渡すという新たなデータ連携方法を提供することで、提供後の消去や目的外利用の懸念を払しょくし、データ連携に向けた事前同意へのハードルを下げることができると考えます。

  • 現在の個人情報保護法では、個人情報の第三者提供を行う場合には事前に本人同意が必要です。

秘密計算(秘密分散型マルチパーティ計算技術

  • データを秘匿化したままデータを処理し、分析結果のみを出力
  • 入力データを3つに秘密分散することで高いセキュリティ性能を実現
※MPC:Multi-Party Computation

なめらかにつながる社会を目指して

データ利活用が進んだ社会では、個人や企業、公的機関の活動がリアルアイムに可視化され、それぞれがなめらかにつながることで新たな価値の共創が可能になります。例えば、企業はプライバシーや企業秘密を保護しながら異業種と連携して個人に最適なサービスを提供すると同時に、そのデータを政府や自治体とも共有して社会保障の充実や、環境負荷の低減にも貢献していることを示すことで、企業価値を高めることが可能になるでしょう。また、自治体は、企業や個人のデータをエビデンスとして高速にPDCAサイクルを回すことで、費用対効果の高い政策を継続して行うことができるようになります。

活用シーン

NECは、経済発展と社会的課題の解決を両立する社会の実現を目指し、データプラットフォームの技術開発を進めています。NECと共に社会実装に取り組んでいただける公的機関、事業者の方のご連絡をお待ちしております。データ利活用におけるプライバシーへの配慮、事業者間連携についてお悩みの際はぜひご相談ください。

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