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学生のみなさんへ2024インタビュー:横山 恵子

2024年9月25日

高速カメラと画像認識で工場の生産革新を目指す

横山 恵子

ビジュアルインテリジェンス研究所
研究員
横山 恵子

大学ではシステム情報学を専攻し、高速カメラを使った研究に従事。修士課程修了後、2013年4月にNECの生産本部(現 サプライチェーン改革統括部 )へ入社。その後、2017年10月にデータサイエンス研究所との兼務となり、翌年にデータサイエンス研究所へ異動する。高速カメラと画像認識を活用した薬液中の異物検査など、生産現場の効率化・自動化に向けた研究を進めている。

生産本部から研究所へ異動

私ははじめ、NECに生産本部の技術職として入社しました。というのも、実は当時、研究でスランプに陥っていて、もう研究はやりたくないと思っていたんです(笑)

しかし、入社して4年後、私が学生時代に所属していた研究室とNECがたまたま共同研究を始めることになったんです。その縁で当時のデータサイエンス研究所の所長からお声がけをいただき、1-2年間の期限付きの兼務というかたちで研究にも携わるようになりました。

ここでの研究というのが、面白かったんです。企業研究では、学生時代の研究とは違って、解くべき課題がある程度明確になっています。また、そのテーマに1人で取り組むのではなく、他の優秀な方たちと共同して取り組んでいくことになります。自分の出身研究室の強みも活かせそうだということもありましたし、何より居心地が良かったので、このまま研究室に異動して、もう一度研究にチャレンジすることにしました。

主な研究テーマは高速カメラを使った画像認識です。工場で自動化できていない目視検査などを効率化させるためのソリューションを研究・開発しています。

高速カメラ画像認識は、まだ分野として確立されているものではありません。応用先を探る研究探索フェーズの技術なので、きちんと社会に役立てる技術にまで昇華させるところまでやり切りたいという想いで、日々研究を続けています。

子育てをしながら研究に従事

私は2021年に出産をして、1年間産休を取得しました。今も第二子に向けて妊活中で、夫もNECで現在は出向中なのですが、次回は育休の取得を予定しているところです。

働き方としては時短勤務も選択できたのですが、私は出産前と変わらない裁量労働制を選びました。時短勤務よりも求められることは多くなるのですが、子育てをしていると、どうしても夕方は仕事ができず、19時から22時の間などに仕事をしたくなるときが多くなってしまいます。時短勤務では原則的に残業ができないので、私には自由に労働時間を選べるこの働き方が合いました。ここ数年でテレワークが進んだおかげもあって、とても仕事がやりやすくなっていると思います。

加えて、近年NECではジョブ型雇用を導入するなど、成果主義を明確化しています。これは子育てをしながら仕事をするうえでも、とても良い傾向だと思っています。やったことはきちんと評価してもらえますし、やらなかったことはやらなかったねという評価がきちんとつくからです。そのおかげで「今はこっちを優先したいから、仕事はこのレベルで抑えるんだ」であるとか、「逆にこの3カ月だけは仕事を最優先にして頑張るんだ」というようなメリハリをつけることができて、それがきちんと評価にも反映されることになります。非常に評価が合理的でクリアなぶん、何かモヤモヤした気持ちを持つことなく納得感をもって仕事をすることができるのです。

また、会社の風土としても子育てへの理解があります。上司や同僚も、子どもに気にかけてくださっていて、私以上に心配してくださるくらいです(笑) また、私が女性であることや、子育て中だというところを良い意味で気にせずに対等に接してくださる方が上の世代にも下の世代にも多いので、非常にコミュニケーションを取りやすいのは嬉しいですね。

研究と事業をつなぐ研究者へ

研究するときに気をつけているのは、今の情報だけにとらわれ過ぎないということです。「今できないから、できない」で終わってしまうのではなく、どうしたらできるのかを考えたり、将来性や社会の課題を広く考えたりすることで、今の情報だけに閉じないようにすることは常に心掛けています。そのためには情報収集のアンテナを広げて最新の論文やサマリーを読むことはもちろん、研究所が契約しているサービスを活用して有識者に話を聞くなど、自身の仮説を継続的にブラッシュアップしていくことが欠かせません。

私は特定の技術に特化してスキルを高めていくプロフェッショナルというよりは、技術を活かせる新しい事業を考える研究に取り組んでいるので、この姿勢はなおさら重要です。この業界ではこんな課題があるから、高速カメラの技術をうまく適用できるのではないかと思いつくためには、高度な情報収集と柔軟な発想が不可欠です。幸い、NECはさまざまな事業領域でたくさんのお客様とお取引を続けています。こうした大企業ならではの環境も活かしながら、研究と事業を効率的につなぐ研究者を目指していきたいと考えています。

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私の一日ご紹介

休日何してる?

いまはひたすら3歳の息子と遊ぶ日々です。今年の夏はお祭りにたくさん行ったので、息子はすっかり盆踊りと和太鼓にハマってしまい、毎日空き缶を叩きながら「炭坑節」を歌っています(笑)

平日は18時過ぎに保育園のお迎えに行って、公園でひと遊びさせてから帰って、ご飯を食べさせてお風呂に入れて、絵本を読みながら親の方が先に寝落ちすることもしばしばです。私は出社と在宅が半々、夫は在宅主体なので、日中の洗濯などはお任せすることが多いです。二人とも同期で総合職なので、お互いの忙しさを鑑みて、今日はそっちがやる日、今日はこっちがやる日というようにバランスをとりながら、少しでも子どもと一緒に過ごす時間を確保できるようにしています。

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