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インターン体験記インタビュー:坊良 翼

2024年3月29日

自由な環境のなかで、企業研究の醍醐味を味わえる

坊良 翼

バイオメトリクス研究所
研究員
坊良 翼

2023 年に修士課程修了後、NECへ入社。学生時代から研究を続けてきた画像超解像技術の経験を活かし、生体認証を中心に研究に従事している。

NECとの共同研究がきっかけでインターンへ参加

私がNECのインターンに参加したのは、修士1年の夏です。修士課程修了後には就職するつもりだったので、そろそろ就職活動を見据えてどこか長期のインターンに参加したいなと考え始めていた頃でした。私の場合、ちょうどその頃に大学院でNECのバイオメトリクス研究所の方と共同研究に取り組んでいたこともあり、その方からお声がけいただいたことがきっかけに、このプログラムに参加しました。

インターンの期間はお盆明けから9月末までの約1カ月半でした。新型コロナウィルスの影響もあり、NECの研究所でも既にリモートワークが浸透していたのですが、私の場合は実験を行うために毎日出社していました。結果的には、これがとても良かったと思っています。同じ研究領域で活躍する先輩方と対面で話したり、研究についてディスカッションしたりする機会を多く得ることができましたし、たくさんの方と交流できました。このことは、大きな刺激になりました。

インターン中は、大学院での共同研究のテーマと同じものに取り組んでいました。具体的には、画像超解像を用いた低解像度虹彩認証です。同じテーマで取り組めたおかげで、インターンへの参加もスムーズにできましたし、インターン後には当時の実験データなどをもとに論文を仕上げて学外発表することもできました。

また、インターンシップなのできちんとお金をいただけるということも大事なポイントです。1カ月半、9時半頃に出社して18時過ぎまできちんとフルタイムで働くので(注1)、しっかりとまとまった金額をいただけます。入金はインターン終了後になることだけは気をつけなければいけませんが(注2)、インターン期間中はアルバイトなどをする必要もありませんでした。

  • 注1
    インターンの就業時間は個々人の通勤事情など個別の状況をふまえて調整することが可能です。
  • 注2
    インターンの給与は毎月半ばに締め26日に支払います。

豊富な機材やデータで「使える」技術をつくり込む

インターンに参加して実感したのは、大学の研究と企業の研究の違いです。大学では、どうしても精度などを追求しがちですが、企業では「使えるかどうか」という点を意識します。例えば私が研究している画像超解像は、画像を生成する技術なので処理としてはかなり重たいものになってしまいます。大学で研究していた時点からそのことは理解していたつもりでしたが、企業研究者の立場から実際に使ってみると、今のままでは現場で全く使えないなと実感したということがありました。現場で使うシステムを実際に触って、動かしてみることで初めて気がついたという感じですね。大学の研究室で扱っていたのは、考えたモデルについて公開データを使って評価するところまでです。しかし、企業ではそれが現場でカメラと一緒にシステムとして構築されたときに、使えるのかどうかというところまで考えていきます。NECではそうしたカメラなどの機材があるので、実際にそれを動かしてみて、ユーザーにストレスを与えない快適なスピードで動くかどうかなどを確かめながら研究を進めることができます。これは非常に新鮮で良い経験になりました。

もう一つ加えると、NECには機械学習に欠かせないデータが揃っています。公開されているデータセットだけでなく、研究用に独自作成したデータが膨大に蓄積されているというのは、大学の研究室と大きく違うところです。私の研究分野の顔認証や虹彩認証でもデータが一通り揃っているので、とても研究しやすい環境だと思います。企業研究の醍醐味を味わえる1カ月半でした。

インターン期間中のある1日をご紹介

9:30
出勤
新型コロナウィルス感染症拡大のため時差出勤

連絡のチェック(メール・チャット)、予定の確認
論文の調査、実験
12:00
昼食
上司・先輩研究者とお弁当を買いに、COVID-19のため各々の座席で食べる

論文の調査、実験とその結果のまとめ
17:00
上司・先輩研究者と進捗について報告&相談

実験、翌日の予定確認
18:15
退勤

社員と同じような立場で自由に業務ができる

実は、学部4年生のときにもう1社だけインターンに参加したことがあります。2週間ほどのインターンだったのですが、今振り返るとNECのものと比べて自由さに大きな違いがあったなと感じます。その会社のインターンでは毎日朝礼があり、社歌を歌い、毎日日報を書くというのがルーティンでした。執務スペースも学生は会議室1部屋に集められて業務をするという形式であったため、社員の方ともあまり交流ができませんでした。これに対してNECでは、朝礼も日報もありませんでしたし、もちろん社歌も歌いません。状況共有は定期的にチームメンバー間で行っていましたね。また、執務スペースもチームの居室内にデスクを与えられましたし、実験室との出入りも自由でした。基本的には、社員と同じように動けたかなと思っています。たくさんの方と交流ができたのも、そのおかげですね。

自由という意味で言うと、NECは働き方がかなり自由です。これはインターン時に驚いたことでもあります。午前中に出社して正午には帰る人や、午後から出社するという人も結構います。それまで企業の研究所というと決まった時間に出社して定時に帰るか残業するみたいなイメージを持っていたので、かなり印象が変わりました。(注3)

このようなかたちでNECのインターンでは全体的に良い印象を持っていたので、いよいよ就職となったときも他はあまり考えませんでした。エントリー受付と同時に応募し、非常にスピーディに選考が進み内定をいただけたのでそのまま入社を決めたというかたちです。社内の様子がよくわかっていましたし、社員の方とも仲良くなっていたので不安はありませんでした。早く内定先が決まったということで、残りの修士の期間は自分の研究に没頭できたこともすごく良かったと思っています。

もしインターンへの参加を迷っている学生さんがいれば、NECのインターンをおすすめしたいです。

  • 注3
    NECではコアタイムのないフレックスタイム制度を導入しております。また一定の職位以上においては 裁量労働制度も導入しております
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