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NEC、経口投与型の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」の第Ⅰ相臨床試験の中間結果をESMO免疫腫瘍学会2024で発表
~ワクチンの安全性と免疫原性を確認~2024年12月12日
日本電気株式会社
NECグループは、現在実施中の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」の第Ⅰ相臨床試験の中間結果として、ワクチンの安全性と免疫原性(注1)を示しました。これは、固形がんにり患した患者さんに経口投与するDNAワクチンであるNECVAX-NEO1のPoC(Proof of Concept)実証に関する初めての報告となります。
NECグループでAIによる創薬の臨床開発を手掛けるNEC Bio Therapeutics (NECバイオセラピューティクス、注2)は、固形がんにり患した患者さんを対象に、経口投与型の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」と免疫チェックポイント阻害剤(CPI)を併用した第Ⅰ相バスケット臨床試験を実施しています。同社はこのたび、ワクチン投与24週間後の中間解析結果を、本年12月11日(水)~13日(金)にスイス・ジュネーブで開催しているESMO Immuno-Oncology Congress (ESMO免疫腫瘍学会) 2024でポスター発表しました。
NECグループが開発しているNECVAX-NEO1は、最先端のAIと機械学習技術を用いたバクテリアベースの個別化がんワクチンです。本ワクチンは、患者さんの免疫系を活性化し、患者さんごとに異なるがん細胞特有のネオアンチゲンを標的として攻撃するT細胞応答を促すように設計されています。
現在実施中の第Ⅰ相臨床試験では、皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)、腎細胞がん、頭頸部がんのいずれかにり患し、CPI治療を3カ月以上受けている患者さん5人を対象にNECVAX-NEO1を投与しました。このたびの安全性を確認する試験の中間結果では、低用量のNECVAX-NEO1投与に関連する有害事象は報告されず、高用量のワクチン投与に移行しました。また、ELISPOT試験(注3)において、標的として選定したネオアンチゲンの68%が免疫原性を示すとともに、40%の患者さんでネオアンチゲン特異的な免疫応答を示すことを確認しました。24週間経過後も、80%の患者さんは安定(stable disease)の状態を示しており、良好な病勢コントロール率を示しています。
現在NECVAX-NEO1は、新たにリトアニア、ドイツ、スペインで臨床試験評価を行っており、患者さんの募集・登録を進めています。
本件に対するコメントは以下の通りです。
今回、有望な免疫原性と、それに関連したバイオマーカーの変化の兆候を示す最初の実証データを得ることができて非常に嬉しく思います。今回の中間結果は、現在様々な場所で実施されている、早期・進行期がん患者さんを対象にした新たな臨床試験にとって非常に心強いものになります。将来的にはNECVAX-01が、治療が困難ながん患者さんへの新たな治療方法の選択肢になることを目指し、今後も本ワクチンに関するより多くのデータを収集していきます。
NEC Bio Therapeutics, CEO, Dr. Heinz Lubenau
NECVAX-NEO1の安全性と免疫原性を示す臨床試験の進捗を発表できたことを嬉しく思います。NECVAX-NEO1は、NECグループで臨床開発する最初のがんワクチンです。本取り組みは、自社開発の最先端技術を駆使してヘルスケアソリューションをグローバルに提供するというNECの大きな使命と結びついています。
NEC 執行役 Corporate EVP 兼 CTO 西原基夫
ポスター詳細
タイトル:Oral DNA vaccination targeting personalised neoantigens in immune checkpoint inhibitor treated solid tumor patients - Interim results.
著者:Domas Vaitiekus, E. Juozaityte, L. Puzauskienė, S. Tulyte, L. Gatijatullin, M. Platten, I. Poschke, I.Hulsmeyer, A. Kuhn, A. Aranguren, H. Lubenau, H. Fontenelle, B. Simovski, Y. Yamashita, C.Chaput, A. Meiser, V. Urbonas
ポスター番号:160P
発表日:2024年12月12日(木)
NEC Bioウェブサイト:https://www.nec-bio.com/en_DD/img/20241212_ESMO2024_NECVAX-NEO1_poster.pdf
臨床試験の詳細:NCT05354323
以上
- (注1)免疫原性:抗原などが体内で免疫応答を引き起こす能力のことです。
- (注2)本社:ドイツ・マンハイム、CEO:Dr. Heinz Lubenau
- (注3)ELISPOT試験:抗原特異的な免疫原性を検証するために使用される手法の一つです。今回の試験では、患者さんの末梢血サンプルに存在するT細胞から産生されるIFN-γを指標として免疫原性を判定しています。
NECの創薬事業について
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC AI創薬統括部
E-Mail:contact@aidd.jp.nec.com
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