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NEC、AIによる内視鏡画像解析で大腸病変が腫瘍性である可能性を判定する技術を開発、CEマーキングに適合した製品を販売開始

~内視鏡医による病変の鑑別支援と患者の負担軽減に貢献~

2021年7月14日
日本電気株式会社

NECは、大腸がんの早期発見を目指して従来から開発に取り組んでいるAIによる大腸内視鏡画像解析の技術を発展させ、大腸の病変が腫瘍性である可能性を判定する技術を新たに開発し、病変の鑑別を支援する機能としてCEマーキング表示の要件に適合しました(注1)。今回、AI 診断支援医療機器ソフトウェア「WISE VISION™ Endoscopy」に本機能「Cx20」を搭載し、本年から欧州において販売を開始します。
本ソフトウェアは、既存の内視鏡機器に接続することで、内視鏡検査時に撮影する画像からその場で病変候補部位が腫瘍性である可能性を判定することで、内視鏡医による病変の鑑別支援と患者の負担軽減に貢献します。

大腸がんは、欧州域内で2番目に患者数が多いがん(注2)と言われており、日本国内では最も患者数が多いがん(注3)です。大腸がんはその多くが前がん病変(大腸腫瘍性ポリープ)から発生することが明らかになっており、内視鏡検査時に前がん病変の段階で見つけ出し摘除することで、大腸がんへの進行を抑制することができます。しかし、内視鏡検査において内視鏡医による目視確認で病変の腫瘍性/非腫瘍性を鑑別するのは難しいケースがあることを背景として、生体検査(生検)や不要な非腫瘍性病変の切除などを行うことがあり、患者の身体への不必要な負担があることが特に欧州では課題として挙げられます。

この課題解決に貢献するため、今回、内視鏡画像を専門医の所見と併せてAIに学習させ、大腸の病変が腫瘍性である可能性を判定する技術を新たに開発しました。具体的には、内視鏡機器による静止画撮影時に解析を行い、大腸の病変が腫瘍性である可能性が高いとAIが判定した場合は「High possibility」、低いと判定した場合は「Low possibility」と画面上に表示します。

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病変の鑑別を支援する機能「Cx20」の表示イメージ
検査中に内視鏡機器による動画映像で病変が疑われる部位が自動検知され、
医師が静止画を撮影すると(左側画像)、
「Cx20」によって鑑別を支援する解析結果が表示される(右側画像)。

なお、国立研究開発法人国立がん研究センター(注4)とNECは2016年から連携し、大腸の病変が疑われる部位を内視鏡検査中に自動検知する技術を開発し、NECは本年1月に本技術を搭載したソフトウェアの販売を開始しました(注5)。今回の機能追加により、「WISE VISION™ Endoscopy」は欧州地域においては大腸病変の検出支援に加えて病変の鑑別支援を一貫して行えることで、医師と患者の負担軽減に貢献することを目指します。
開発にあたってはNECのAI技術群「NEC the WISE」(注6)の一つであり、米国国立標準技術研究所(NIST)において高い評価(注7)を獲得した顔認証技術を応用しています。

今後NECは、国立がん研究センターとの共同研究をさらに進めることで、大腸の病変が腫瘍性である可能性を判定するAI技術の性能を高めていきます。

WISE VISION™ Endoscopy(内視鏡画像解析AI)について

主要内視鏡メーカーの内視鏡機器(注8)に接続が可能です。既存の内視鏡と本ソフトウェアを搭載した端末およびモニターを接続するだけで、すぐに使用を開始できます。また、病変候補を通知音で伝え、通知音の種類や音量は使用者の好みに合わせていつでもカスタマイズ可能です。視認性の高いユーザーインターフェースで直観的に操作することができ、ストレスなく検査を進めることができます。

NECは、AI技術をはじめ、時代に即した安全・安心な製品・サービスを提供することで、医療におけるデジタルトランスフォーメーションを加速し、人々が活き活きと暮らすことができる健康長寿社会の実現を目指します。

以上

  • (注1)
  • (注2)
    United European Gastroenterology”Colorectal Cancer”
    new windowhttps://ueg.eu/p/78#
  • (注3)
    国立がん研究センター「最新がん統計」
    new windowhttps://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
  • (注4)
    理事長:中釜 斉、所在地:東京都中央区
  • (注5)
    NEC、「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」を日本と欧州で販売開始
    https://jpn.nec.com/press/202101/20210112_01.html
    Yamada M, Saito Y, Imaoka H, et al. Development of a real-time endoscopic image diagnosis support system using deep learning technology in colonoscopy. Sci Rep. 2019;9:14465. doi: 10.1038/s41598-019-50567-5. PMID: 31594962
  • (注6)

    「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)はNECの先端AI技術群の名称です。
    "The WISE"には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
    プレスリリース NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
    https://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
    NECのAI https://jpn.nec.com/ai/
  • (注7)
    米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証技術の性能評価
    https://jpn.nec.com/press/201910/20191003_01.html
  • (注8)
    以下の内視鏡との接続性を検証し、動作確認済みです。
    • オリンパスメディカルシステムズ株式会社
      (EVIS LUCERA ELITEビデオシステセンターOLYMPUS CV-290)
    • 富士フイルム株式会社(プロセッサーVP-7000)

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC デジタルヘルスケア事業開発室
E-Mail:wise-press@med.jp.nec.com

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NECは、安全・安心・公平・効率という
社会価値を創造し、
誰もが人間性を十分に発揮できる
持続可能な社会の実現を目指します。
https://jpn.nec.com/profile/purpose/

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