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NEC、TBSとともに日本初の 「ローカル5G」を活用した災害時の同時配信に成功

2020年3月26日
日本電気株式会社

NECは、TBSとIIJと共同で、災害時に「ローカル5G」(注1)を活用して地上波の同時配信を行う実証実験に日本で初めて成功しました。災害等による停電でテレビ受像機が使用できない場合でも、スマホ等での緊急報道番組の視聴を可能にし、尚且つ「ローカル5G」の活用で地域に特化した災害情報の提供も可能になります。今回の技術は「キャリア5G」(注2)での応用が可能で、全国規模の同時配信でも活用出来ます。

<災害情報を受信した様子>
<NECローカル5Gラボの様子>

日本電気株式会社(代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:新野隆、以下NEC)は、株式会社TBSテレビ(代表取締役社長 佐々木卓)、株式会社インターネットイニシアティブ(代表取締役社長 勝栄二郎、以下IIJ) と共同で、3月23日24日に、「ローカル5G」サービスを用いた災害時等を想定した地上波テレビの同時配信実験を実施し、成功しました。本実験では、地上デジタル放送の電波をローカル5G基地局近くで受信し、TBSテレビの番組をNECのローカル5Gラボ内に設置した「MEC」(注3)サーバーから同時に配信しました。また今回は5Gの特徴の一つであるMECサーバーを用いて、CM(宣伝)等が流れているコーナーを、該当地域に特化した災害情報にリアルタイムに差し換えて放送することに日本で初めて成功しました。なお、本システムにおける「ローカル5G」設備等は停電対策していることを想定しています。地上波テレビ番組5G同時配信の実現に向けたネットワーク構成の立案、ローカル5Gの実験免許の取得、5Gネットワーク環境及び地上波番組をエンコードするネット同時配信用のエンコーダは、NECが提供しています。また、MECにおいて動画配信機能の中核となる配信サーバー、およびキャッシュサーバー(注4)は、インターネット動画配信で実績のあるIIJが提供しています。
今回の実験で、災害時など停電によってテレビ受像機を使用できない場合でも、「ローカル5G」を活用することによって、被災した方々が避難所等で、スマートフォン等を通して緊急特番を配信で視聴することが可能となります。インターネット回線や携帯キャリア回線が災害時に輻輳している場合でも影響を受けず放送を視聴できる構成であり、それらの回線を利用した重要な通話や通信に影響を与えません。「ローカル5G」は自治体による整備・運用が可能なため、自治体が用意した「ローカル5G」に本システムを連携することにより、災害時には自営による素早い復旧と住民に対して情報収集手段を提供します。今回の「ローカル5G」の実証実験によって、災害など有事における報道機関としての役割に更なる可能性を広げました。
また、5Gを用いることで時間や場所に縛られずあらゆるスマートデバイスで地上波テレビ番組を視聴できる世界を実現するという観点でも、5Gを活用した地上波テレビ番組の同時配信実験を行い成功しました。本実験では、地上波テレビ番組をネット同時配信用エンコーダでエンコードし、5Gネットワークを介してスマートデバイスへ同時配信しました。また、将来ユーザーごとにCMを差し替えることも想定し、MECサーバーにCM想定のVTRをキャッシュし、地上波テレビ番組本編にユーザーに適したCM想定VTRを差し込み、配信することにも成功しました。これにより、映像配信サーバーからMECサーバーまでの通信データを共通部分である地上波テレビ番組本編1つに抑えることができます。そのため、インターネット同時配信に比べ、ネットワークにおける必要帯域の大幅な削減が期待されます。今回の実験で、従来は地上波テレビ番組の視聴方法がテレビやワンセグ対応端末に限られていましたが、この技術をキャリア5G等に応用する事であらゆる5G対応スマートデバイスで時間や場所に縛られず視聴することが技術的に可能になります。また、従来は片方向の映像配信に限られていましたが、5Gネットワークを活用することでユーザーからの情報アップロードが可能になるなど、テレビの楽しみ方や活用方法が更に発展することが期待されます。

尚、今回の実験は、NECのローカル5Gラボ内でのクローズドな環境で行われ、実験室の外に電波が漏れない形で行われました。

各社役割

NEC [WEB]https://jpn.nec.com/
地上波テレビ番組5G同時配信の実現に向けたネットワーク構成の立案、ローカル5Gの実験免許の取得、5Gネットワーク環境及びネット配信用エンコーダの提供。5Gネットワーク環境は5G利活用の仮説検証の場として提供しているNEC玉川事業場敷地内のローカル5Gラボを使用。
NEC製ネット配信用エンコーダは、今回の実験だけなく、地上波テレビ番組のインターネット同時配信での利用も可能。放送送出システムの構築ノウハウを活用し、放送局の地上波送出システムで利用されているCM送出タイミング情報(NetQ信号)と連携したCM差替タイミング送出(SCTE)に対応することにより、運用の効率化を実現。
TBS [WEB]new windowhttps://www.tbs.co.jp/
ローカル5Gを活用した災害時の地上波同時配信に関するコンセプトの企画立案。報道機関として緊急時における放送の在り方・情報伝達手法を検討。
IIJ [WEB]new windowhttps://www.iij.ad.jp/
動画配信機能の中核となる、配信サーバー、およびキャッシュサーバーを提供。IIJでは全国高校野球のインターネット中継など国内有数のインターネット動画配信実績がある。

実験の詳細

2020年3月23~24日、NEC玉川事業場敷地内のローカル5GラボおよびTBS赤坂放送センターにおいて、以下の通り実施しました。

(実験概念図)

(1) 災害時を想定した、ローカル5Gネットワークを活用した放送波受信による地上波番組のスマートデバイスへの配信を検証

テレビアンテナで受信した地上波番組をローカル5Gラボ内に設置したMECサーバーで配信用の形式に変換し、5Gの電波による伝送を実施。

(2) 災害時を想定した、地域や人に合わせたコンテンツ差し替えを検証

MECサーバーに災害時における地域情報コンテンツ(避難所や給水所の情報など)や特別警報コンテンツ(緊急地震速報や大雨特別警報など)を保存し、制御信号によるコンテンツの差し替えを実施
地域ごと・人ごとに異なるコンテンツを配信できることを確認

zoom拡大する
(特別警報の強制割込イメージ図)
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(素材出し分けのイメージ図)

(3) MECサーバーを使用することによる、ネットワーク負荷の削減を検証

TBS放送センターからインターネットを経由してローカル5Gネットワークへ映像を伝送し、MECサーバーから映像を配信。通常のインターネット同時配信と比較し、ネットワークにおける必要帯域の大幅な削減を検証

(ネットワークのイメージ図)

以上

  • (注1)
    ローカル5G
    通信事業者以外の様々な主体(地域の企業や自治体)が自らシステムを構築可能とする第5世代移動通信システム(5G)
  • (注2)
    キャリア5G
    通信事業者によって運営される第5世代移動通信システム(5G)
  • (注3)
    MEC
    マルチアクセスエッジコンピューティング(Multi-access Edge Computing)の略。サーバーを端末の近くに分散配置することで、必要ネットワーク帯域の削減等を行うネットワーク高度化のための技法。
  • (注4)
    キャッシュサーバー
    配信サーバーの動画データを一時的に保存しておき、ユーザーからの要求に応じて配信サーバーの代わりにデータを送信するサーバー。ユーザーへの応答速度を向上させるとともに、配信サーバーの負荷を軽減する役割を担う。CDNを構成する主要な機能の1つで、MECでの活用が検討されている。

本件問い合わせ先

NEC 放送・メディア事業部
E-Mail:promotion@home.jp.nec.com

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