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都市活動モニタリング
デジタル化社会におけるまちづくりのDX
都市活動をモニタリングし、都市の様々な都市活動データや施設情報等を重ね合わせ、デジタルトランスフォーメーションによる全体最適・市民参加型のまちづくり実現を目指しています。
宇都宮市での取り組み
①宇都宮市の概要
宇都宮市では目指す都市空間の姿として「ネットワーク型コンパクトシティ」の実現を掲げており、2019年度に官民連携による「Uスマート推進協議会」を設立。2019年度に国土交通省スマートシティモデル事業先行モデルプロジェクトにも採択され、「宇都宮スマートシティモデル推進計画」を策定し宇都宮スマートシティ構想の実現を推進しています。
また、地域共生型のまち実現のため施策推進が計画されており、来街者の安全や地域経済活性化の実現を目指しています。
②実証実験の概要
今回の実証実験では、宇都宮市中心街のアーケード商店街に設置したカメラの映像を個人情報保護に配慮した形(*)で利用。映像内の場所と大きさの関係を計算することで人と人の距離を高精度に求めることのできるソーシャルディスタンシング判定技術の活用検証を行いました。
本実証においてソーシャルディスタンシング(例えば2メートル)の確保状況の分析を行い混雑度を統計データ化し、結果、対象エリアにおける一日の歩行者数と混雑度の推移や平日休日の違い、また街中イベント時の傾向などの分析結果を得ることができました。歩行者数や混雑状況をリアルタイムに把握する技術は、交通・公共施設や観光地等におけるデジタルマーケティングや感染防止対策、ルート案内やスタッフ配置計画等への活用が期待できます。
NECは今回の実証実験の結果から、人流データと顧客ニーズの組み合わせ活用によるおもてなしの向上、中心市街地等の活性化,災害時の迅速な避難誘導など、複数分野の取組みを推進することを目指しています。
- *歩行者個人を特定可能な情報は保存せず、統計情報である推定データのみを保存することで、プライバシーに配慮した実証実験を実施しています。
那覇市での取り組み
①那覇市の概要
那覇市では、2018 年度から10 年間のまちづくりの指針となる「第5次那覇市総合計画」を策定し、その基本計画において、中心市街地の事業者数・従業者数および小売販売額が減少・衰退傾向にあるという課題が指摘されています。こうした中、地元住民や訪日外国人旅行者の往来や属性を定量的に測定してまちづくりの基礎データとすることで、中心市街地の賑わい創出や商業活動の活性化を実現するための取り組みを推進しています。これまでも、歩行者交通量調査等の実査によるデータ収集や小売販売額等の統計作成によってまちづくり等の施策のための基礎データが把握されています。
②実証実験の概要
今回の実証実験では、那覇市の中心市街地である国際通りを対象エリアとして、既設のカメラ画像を用いた画像解析技術を活用し、個人情報保護に配慮した上(*)で対象エリアにおける通行者数や年齢・性別等の通行者属性を推定・可視化してデータ化しました。また、カメラ画像解析では局所的にしかデータが取得できないことから、対象エリアを含む広域スケールのWi-Fi人口統計データを用いてデータを補完することで、取得した解像度の高い人流データ(属性情報付きで実測値に近いデータ)を広範囲かつ高精度に推定する拡大推計にも取り組みました。
本実証では、カメラが設置されている地点付近の国際通り約1kmにおいて拡大推計を実施した結果、年齢、性別毎の歩行数を平日休日別に推計することができました。
NECは今回の実証実験の結果から、通行者数および通行者属性を定量的に捉えた⼈流解析結果を都市の賑わいを捉えるデータとして活用することで、中心市街地の商店街や市場(マチグヮー)が賑わうまちづくりの検討や、中心市街地の再整備等による魅力的なまちづくりなど、那覇市のまちづくり等の施策の検討や効果測定に役立てることを目指します。
- *歩行者の推定データ取得に使用するカメラの映像は推定データの生成後に即時破棄しています。歩行者個人を特定可能な情報は保存せず、統計情報である推定データのみを保存することで、プライバシーに配慮した仕組みを実現しています。
ニュース
プレスリリース(2021/03/19)
宇都宮市で映像解析によるソーシャルディスタンシング判定技術の実証実験を実施
~国土交通省Project “PLATEAU”に参画、ユースケース開発を目的に実証実験を実施し、収集データの3D都市モデル上での可視化を目指す~
NECは、宇都宮市中心街のアーケード商店街において、映像解析により人の密集度合いを可視化するソーシャルディスタンシング判定技術の実証実験を本年1月から2月にかけて実施しました。混雑度を分析・可視化してデータ化することで、イベント開催や感染症拡大防止の推進などへの活用を目指します。
なお、本実証実験は国土交通省が推進する実世界(フィジカル空間)の都市を仮想的な世界(サイバー空間)に再現する3D都市空間情報プラットフォーム「Project “PLATEAU(プラトー)” 」において、3D都市モデルのユースケース開発の一環として実施するものです。
プレスリリース(2021/03/19)
那覇市で歩行者の人物像分析システムを用いた人流解析の実証実験を実施
~国土交通省Project “PLATEAU”に参画、ユースケース開発を目的に実証実験を実施し、収集データの3D都市モデル上での可視化を目指す~
NECは、那覇市国際通りにおいて既設のカメラ映像から歩行者の年齢・性別などの属性データを推定する人物像分析システムを用いた人流解析の実証実験を2020年12月から2021年1月にかけて実施しました。歩行者の属性データを分析・可視化してデータ化することで、中心市街地の賑わい創出や商業活動の活性化推進などへの活用を目指します。
なお、本実証実験は国土交通省が推進する実世界(フィジカル空間)の都市を仮想的な世界(サイバー空間)に再現する3D都市空間情報プラットフォーム「Project “PLATEAU(プラトー)” 」において、3D都市モデルのユースケース開発の一環として実施するものです。
関連インタビュー(2021/03/01)
3密回避に決め手あり!ソーシャルディスタンスを可視化する技術とは
新型コロナウイルスの感染防止にはいわゆる“3密”の回避が欠かせない。人があまり動かない場所であれば、その測定は比較的容易だが、空港や駅、商業施設やイベント会場など、人が移動する場所では、「人と人とが十分な距離を保てているか」を適切に把握することは難しい。こうした課題を払しょくするため、NECは「ソーシャルディスタンシング判定技術」を開発。既設のカメラを活用し、リアルタイムに判定・可視化する。既に自治体や公共施設から多くの問い合わせが寄せられ、実用化に向けた実証実験も始まっているという。コロナ禍で開発に挑んだ中心メンバー2人に、その経緯と新技術の可能性について聞いた。