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名古屋グランパス様
2年間の利用を経てMethod BASEがアカデミーにもたらした効果とは?
今回、アカデミーダイレクターの佐々木さんと各カテゴリを担当する佐枝コーチ、中村コーチ、岸田コーチに導入前後の変化についてお話を伺った。
トレーニング・試合の指導実績を可視化することで客観的な振り返りができるように
Q. MethodBASEを導入してアカデミーコーチのコーチングにどのような変化がありましたか?
佐枝さん:
導入前は各コーチが独自のフォーマットでトレーニングを作成し、自身のPCに保管してトレーニング管理を行っていましたが、Method BASEを導入したことで、フォーマットが統一され、共通のものさしで管理できるようになったと思います。また、Method BASEではトレーニングがテーマ軸で整理され、その実績が蓄積されるので、過去の指導履歴もすぐに参照でき、自分が直近どんなテーマで、どのようなトレーニングを、どれくらい取り組んだか、可視化できるのがメリットです。その結果、自身のトレーニング実績を客観的に分析し振り返ることで、サイクル途中での細かな軌道修正ができますし、自身の成長にもつながっているように感じます。また実際に現場で見た他カテゴリやコーチの練習内容で気になるものがあれば、その練習メニューを後日検索して参考にするような使い方もしています。
岸田さん:
私は昨年からアカデミーコーチとして携わり、初年度は担当カテゴリを持たず、複数のカテゴリをサポートする役割を担っていたため、日によって指導するカテゴリが変わることもありました。Method BASEがあることで、担当するカテゴリがこの1週間どのような目的で、どのようなトレーニングをしてきたのかの把握と、選手1人1人の評価コメントの確認ができました。そして、各選手の状態に合わせたコーチングに活用できていました。このようなツールがないと、その場その場で状況を把握する必要があり、大変だったと感じています。
また、今年度からは担当カテゴリを持つようになっていますが、昨年の同カテゴリのトレーニング内容が蓄積されているので大変参考になっています。
中村さん:
私は試合機能を中心に利用しています。各選手が何分出場したか、先発何試合したか、どの試合でゴールしたかなど試合履歴をよく参照し、各選手の試合出場時間を振り返る材料として使用しています。これまで選手の出場時間をやや主観的に考えていましたが、客観的なデータがあることで選手に一定のプレー時間を与えられる環境ができたと思います。トレーニングに関しては岸田コーチと一緒で、昨年の同カテゴリを参照するケースもありますし、同じ練習メニューでもどのようなサイズで、どのような現象が出たかのコメントを参考にさせてもらっています。
Q.2年間のご利用でさまざまなデータが蓄積されてきていると思います。
オプション機能として導入いただいた分析ダッシュボード機能についてはいかがでしょうか?
佐枝さん:
今年度から分析ダッシュボード機能を導入したことで、Method BASEで蓄積したデータをより見やすい角度で可視化して分析できるようになりました。まず、各選手の試合出場時間を可視化することで、データの活用を進めています。育成の観点として、競争のある中で一定のプレー時間があることが望ましいと考えており、カテゴリを行き来する選手(例えばU15A、U15B)のそれぞれのカテゴリでの試合出場時間が可視化されるようになったので、プレー時間の考慮がやりやすくなったと思います。分析ダッシュボードはその他、選手同士の比較やカテゴリ間での比較、ポジションやチーム内のプレー時間のランキングを確認できるので、非常に便利に感じています。
Method BASEは指導者が自己成長できるツールと感じ、導入を決意
ー ここからは導入時についてお伺いしたいと思います。
Q. Method BASEを導入しようと思ったきっかけは何でしょうか?
佐々木さん:
アカデミーとして一括したプラットフォームでのトレーニング計画作成と保存、(カテゴリや個人の)トレーニングの振り返りの効率的な実施、そしてトレーニングやエクササイズの共有をクラブ内でより進めたいと思っていたタイミングでMethod BASEを知り、導入を検討しました。
導入以前もトレーニング計画、振り返りを各コーチが紙やPCで作成し、サーバなどに保存していましたが、ある期間の内容/傾向を振り返りたいときに、記録の一つ一つの確認作業が必要でした。また、データを表やグラフにする場合には各コーチが一から作る状況であり、振り返り自体がアナログ作業で、主観的な割合が高かったと思います。そのため、Method BASEを導入することで、サイクル期間や月間/週間の傾向を分析しやすくなり、プランニングや振り返りをより効率的に実現できると考えました。
Q. Method BASE導入時で工夫したことがあれば教えてください。
佐々木さん:
記録を紙やPCで残す文化がアカデミーにはあったので、その作業をMethod BASE上で行うこととして、比較的スムーズに移行できたと思います。なんでも新しいものをはじめるときは、軌道に乗せるまでの苦労はつきものだと思いますが、アカデミーのコーチが導入時の新たな作業にしっかりと取り組んでくれたこと、やりながら慣れようとしてくれたことがポイントだったと思います。Method BASEはクラブやアカデミーダイレクターがコーチを管理するツールと見られがちですが、そうではないと考えています。コーチ自身がプランニングや振り返りをすることによって、自分自身で気づきを得ることができ、成長に繋がるツールだと思います。その認識をより多くのスタッフが感じられると、Method BASEがより有意義なものになると思います。
今年度からスクールへの導入(Jクラブ初)を開始。クラブ全体で一貫指導を加速させる。
Q. 今後Method BASEを活用して実現したいことがありましたら教えてください。
佐々木さん:
2023年4月より、スクールグループでもMethod BASEを導入し始めましたが、アカデミーとスクールの連携をより加速させていきたいと考えています。我々のクラブでは、スクールに所属する選手がアカデミーの練習に参加するケースもあります。Method BASEの活用の一例ですが、スクールコーチが残した対象選手に対するコメントなどを事前に見られることは、アカデミースタッフにとって非常に有益な情報になると考えています。また、スクールスタッフの立場でも、同じ年代の選手に対して、アカデミーで行っているトレーニングをいつでも見られることは、大きなメリットになると思います。スクールのコーチは若手も多く、過去の取り組み内容を知ることができることで、トレーニング構築の効率化や質の向上に繋がると思います。これは、スクールマスターから聞いた話ですが、若手コーチは練習メニューの検討に悩み、多くの時間を費やしていることもあるようです。このような若手コーチにとって、有益なツールになると思います。
今後は、より一層縦と横の情報共有の強化を図り、名古屋グランパスのメソッドをクラブ内でより深く共有することに繋げていきたいと思います。