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インタビュー実施日:2022.3.14

北海道・鹿追町様

鹿追町のスポーツ環境の課題解決に向けたICTの活用

鹿追町における地域スポーツの課題解決に取り組むためにMethodBASE導入を決意

鹿追町 教育委員会学校 教育課長
SHIKAOI FOOT×Tech2FC 会員
宇井 直樹 氏

Q. まず、スタッフや部員の構成について教えてください。

・スタッフ数:12名(少年団:8名、中学校:2名、高校:2名)
・部員数:約50名(少年団:30名、中学:15名、高校:13名)

Q. 鹿追町におけるスポーツ環境の課題についてお聞かせいただけますでしょうか。

 宇井さん:まず鹿追町のスポーツ環境としては、鹿追町の子供の数は1学年50人程度です。そのため、1つのスポーツ競技のチームや部活動に入る子供の数が少なく実施できる競技も限られてしまい、サッカーや野球などのメジャーなスポーツ以外をやりたい子は家族ごと町外に転出してしまう問題がありました。また、スポーツ指導者の質という観点でも、町クラブでは若年層の指導者が少なく後継者を育てる課題や、学校では、先生方が校務をやりながら部活動も担われている点で相当負担であると感じていました。学校の先生方の働き方改革は、日本の社会問題にもなっておりますが、鹿追町でも同様です。そのため、行政主導に検討を進め、小中高社会人を縦で連携することにより、学校から切り出し、地域(鹿追町)全体でスポーツとして成り立たせたいという思いをもつようになりました。まだ手探りではありますが、MethodBASEの導入をサッカーからはじめたことで少しずつではありますが、可能性が見え始めています。

地方であるからこそ情報の提供やサポートを享受するためにICT活用による外部との繋がりを期待

Q. MethodBASEICT)に期待していたことはどのような内容でしょうか。

 宇井さん:前述で地域(鹿追町)全体でスポーツとして成り立たせたいという思いを語りましたが、鹿追町は小さい街(人口5千人のまち)なので、サポートしてくれる人が常時おらず、周りに聞ける人も少ないのが実情でした。そのため、地方(過疎地)でも情報を得るためには、MethodBASEのようなICTが必要で、いつどこでも情報を提供してもらい、サポートしてくれる人や組織と繋がることを大変期待しました。

 鳰さん:実際、MethodBASEを通して、岡田武史氏と繋がることができ、岡田メソッドを参考にさせていただいておりますし、大変有難いです。導入前は書籍やインターネットでの収集が主な手段でした。また私自身が元々プレイヤーだったので、これまでの経験を元に指導してきました。我流ですね。

Q. MethodBASE導入後、一番何が変わったと感じていますか。

 宇井さん:今までの指導がいかに勘で行われていたという事を気づかされました。これまでは指導しながら自分自身の発言に疑問を感じる部分があり、指導に自信がありませんでした。今思うと、それが子供たちにも伝わっていたように感じます。来年度からはこれまで蓄積された過去のデータがあるので、さらに良い指導計画が立てれるようにMethodBASEにデータ蓄積していきます!
 鳰さん:一番の変化は、私自身、自信を持って指導できるようになった点です。MethodBASEを導入することで、サイクルやトレーニングのテーマや目的を事前に考え明確にする癖がつき、格段に指導がしやすくなり、選手の指導者に対する態度、聞く姿勢も変わったと感じています。また、都度日々のトレーニングの振り返りをすることで、過去のトレーニングを忘れていることが多い事も分かり、過去のトレーニングを振り返って、良いものを組み合わせることも出来る点も魅力です。

 

鹿追町役場建設水道課 課長補佐兼上下水係長
SHIKAOI FOOT×Tech2 FC 代表
鳰 啓二 氏

先を見据えた指導を実践することで、選手や保護者の信頼へ繋がっている

Q. 選手への変化や保護者の反応について変化はありますでしょうか。

 宇井さん:私自身は、少年団の選手を中学校にどうやってつなげるかという目標を組んでトレーニング計画を立てています。そのため、勝ち負けにこだわらずに先を見据えた指導を行っています。勝ち負けにこだわらないことに、最初はさみしいと感じた保護者もいたかもしれませんが、徐々に先を見据えた指導が、保護者や選手にとっても信頼され始めているように感じています。また、少年団と中学校でシームレスに選手のトレーニング内容を引き継げる事が出来るのが鹿追町の良いところと感じています。
 鳰さん:MethodBASEを使いこなすためには、選手に対して基礎(止める・蹴る)が出来ていないとメソッドも使いこなせないと感じました。そのため、改めて基礎の大事さに気づき、基礎的な部分を中心に練習に取り組んでいます。その結果、選手が基礎的な技術を身に付けることで、幅広い練習メニューが出来るようになりました。

 

将来的には、他のスポーツ競技に適用し鹿追町のスポーツを盛り上げていくことが目標

Q. 今後のチャレンジしたいことがあればお聞かせいただけないでしょうか。

 宇井さん:MethodBASEの実施した練習を論理的に整理できるということは必ずスポーツに必要なことだと思いますので 他のスポーツ競技に広げていきたいと思います。その際には、サッカーで導入している岡田メソッドのような指導論の軸があればさらに嬉しいので 今後検討を重ねていきたいと考えています。また将来的には、鹿追町の子供たちが1つのスポーツ競技だけでマルチのスポーツができるような地域AD(アスレチック・デパートメント)も目指しております。そのために、まずはサッカー競技で実績を作るために他の町と連携して広げていく方法も検討しております。私自身がサッカーが好きなのでサッカーを中心に考えてしまっている部分もあるのですが、様々な方と連携しながら選択肢を増やし、引き続き鹿追町のスポーツを盛り上げていきたいと思います。

【お問い合わせ先】
NEC スポーツ育成支援プラットフォーム 事務局
nec-methodpf@eigu.jp.nec.com