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NECが考えるDX

DXが注目される背景

データとデジタルテクノロジーの活用により、新たな価値を創造し、私たちの暮らしやビジネスをより良く変えていく「デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)」。
めまぐるしく変わる社会や顧客のニーズに合わせて、新たな価値をスピーディーに生みだしていくためには、ビジネスのやり方や組織の振る舞いそのものの変革が求められています。DXの実現は、企業が将来にわたって競争力を維持し続けるための必要条件であり、重要な経営課題の一つとなっています。
では、なぜいま、DXがここまで注目されるようになったのでしょうか。そこには、「ICTへの期待の変化」と「ICTと社会の融合」という2つの大きなトレンドがあります。

ICTへの期待の変化

DXによる新たなビジネスとして顧客体験を強化するものに、例えば、スマホ向け「タクシー配車アプリ」があります。ユーザーの今いる場所が、GPSでリアルタイムにデジタルの世界に反映され、走行中のタクシーに向かって手をあげる代わりに、スマホの画面をタップすれば車がやってきます。
空車のタクシーを探す必要もありませんし、わざわざ電話番号を調べて、タクシー会社のオペレータと話す必要もありません。タクシーを手配するための面倒さを徹底的に排除しようとしています。
乗車後の支払いもスマホで完結します。このようなデジタルとフィジカルを融合させた新たなサービスが生まれています。

こうした、MaaS(Mobility as a Service)や自動運転、小売・流通・物流における自動化、製造業におけるインダストリー4.0、5Gを使った遠隔医療や遠隔教育、ウェアラブルやDNA解析を活用した新しいヘルスケア産業の台頭など、「さまざまな産業とデジタルテクノロジーの融合」という大きなトレンドが動き出しているのです。これまでの業界という枠組みを曖昧にし、「デジタルテクノロジーによる産業構造の転換」を急速に推し進める原動力となっています。

もはやICTは、効率化やコスト削減の手段としてだけではなく、新たな競争力を生み出す源泉であり、差異化の武器として位置付けられ、そのための取り組みや投資を拡大し始めているのです。

ICTと社会の融合

スマホを介した「タクシー配車アプリ」のように、現実世界の様々な「ものごと」や「できごと」は、モノに組み込まれたセンサーやモバイル、ソーシャルメディアなどを介し、リアルタイムにデジタルデータに変換されクラウドなどサイバー空間に送られます。
インターネットに接続されるモノの数は2020年の時点で500億個になるとされています。(*) IoT(Internet of Things:モノのインターネット)により集められた膨大なデータは、集めるだけでは意味がありません。

そのデータから、AIを使って分析し、「誰が何に興味を持っているのか、誰と誰がつながっていているのか、渋滞を解消するにはどうすればいいのか、配車するタクシーをどれにするのか、製品の品質を高めるにはどうすればいいのか」などを見つけ出し、ビジネスを最適に動かすための予測や判断を行います。その予測や判断に従って、アプリケーションやサービスを動かして、機器を制御し、情報や指示を送れば、実世界が変化し、さらにデジタルデータとして活用可能になります。

タクシー配車アプリの例で言えば、顧客体験の強化にとどまらず、そのデータを蓄積し、渋滞情報や気象情報など周辺情報と組合せて分析することで、“タクシー需要の予測”、“配車計画の最適化”、さらには“デジタルサイネージ広告への活用”などと、タクシー会社にも大きな変革を生み出すことが可能になります。

*米国の市場調査会社 IHS Technology 予測

このような、実世界をデータで捉え、実世界とICTが一体となって“見える化・分析・対処”の仕組みを継続的に回すことによって、社会やビジネスが常に最適な状態に維持されます。このサイクル、すなわち「ICTと社会との融合」が急速に進んでいることが、DXへの期待を高めています。

DXの実現に必要なこと

DXへと世の中を動かす原動力となっている2つのトレンドについて紹介しましたが、では、「DXを実現する」には、何が必要なのでしょうか。

経済産業省の「DXレポート」(*)では、経営層が、どのようにビジネスを変革していくのか、経営ビジョンや戦略を持ち、自らがその変革プロジェクトに強いコミットメントを持って取り組んでいるかが必要不可欠としています。その経営層のコミットメントのもと、プロジェクトの現場ではプロセスや組織の改革が必要です。

*「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」(経済産業省)

デジタルテクノロジーを駆使してビジネスプロセスを加速すること

業界に突如として現れる破壊者たち、予測不可能な市場環境、めまぐるしく変わる顧客ニーズの変化など、ビジネス環境は、これまでになく不確実性が高まっています。このような時代において、「長期計画的にPDCAサイクルを回す」といったやり方では、成長はおろか、生き残ることさえできません。

激しく変化する時代でチャンスを掴むには、タイミングを逃さないスピードが絶対的に必要です。顧客ニーズもどんどん変わり、状況に応じた対応スピードが企業の価値を左右します。競合もまた入れ替わりやって来ます。決断と行動が遅れると致命的な結果を招きかねません。
このような時代に事業を継続するには、その時々の最善を直ちに見極め迅速に意志決定し、行動を変化させる必要があります。つまり圧倒的なビジネススピードを手に入れなければなりません。

そのためには、次のことが必要です。

  • IoTなどで現場を「見える化」し、AIを活用しデータに基づく的確な判断を迅速に行い、意思決定サイクルを短縮すること。
  • 現場への大幅な権限委譲を行い、組織の役割や権限の与え方を変えること。自律的なチームにより、働く人の能力を最大限に発揮できるようなワークスタイルを実現すること。
  • 全体最適の観点からプロセス間の連携を図り、水が流れるように仕事を進めていくこと。

このような仕組みをアナログな人間系に頼るビジネスプロセスで実現することはできません。デジタルテクノロジーを駆使して変化に俊敏に対応できるビジネスプロセスの実現が必要です。

「オープンな組織」を実現すること

互いに多様性を認め、敬意を払い、信頼し合い、自発的に自分の意見を述べ、円滑なコミュニケーションができれば、圧倒的なビジネススピードを生み出すことができます。

失敗を繰り返しながら高速で試行錯誤を繰り返すことが許容される雰囲気が、新規事業創出や事業変革をスピーディに実現します。建前ではなく本音で語り合えるからこそ、ビジネスモデルを転換していくことも自然なこととして受け入れられます。

DXの実現は、「デジタルテクノロジーで加速したビジネスプロセス」と「オープンな組織」の両輪があって、初めて可能となるのです。

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DXが生みだす価値

「オープンな組織」で、「デジタルテクノロジーを駆使してビジネスプロセスを加速」することができるようになると、2つの価値を手に入れることができます。

めまぐるしく変わるビジネス環境に対応し、
製品やサービスをジャストインタイムで現場に提供できる「即応力」

ビジネスに関わる事実をリアルタイムでデータとして捉え、それを「見える化」し、迅速に意志決定をします。そして、業務プロセスを実現しているシステムを手直しし、あるいは機器を制御し、自動化の範囲を拡げることで対処します。こうして、必要とされるサービスをビジネス機会を逃さず提供できる「即応力」が手に入ります。

圧倒的な競争優位を手に入れるために、
生産性・価格・期間などの常識を覆す「破壊力」

ビジネスの価値基準を劇的に転換することで、既存の常識を新しい常識に上書きし、人々の心に植え付けてしまうことです。例えば、いままで1万円が相場だった商品やサービスを1千円で提供でるようにすることや、1週間が常識だった納期を翌日にしてしまうようなことです。いままでの常識を覆す「破壊的」な競争力が手に入ります。

そして、このような「即応力」と「破壊力」が兼ね備わったプロジェクトは、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、ひいては最先端デジタルテクノロジーの活用により新たな価値を創造し、競争上の優位性を確立することができるのです。
こうして、DXによる「イノベーション創造」、「お客様接点改革」、「業務変革」が実現されます。

  • 従来の産業の枠にとらわれない新たなビジネスモデルや事業が生まれる「イノベーション創造」
  • お客さま一人ひとりとの合った様々な接点で、感動する顧客体験が生まれる「お客様接点改革」
  • 従業員の働き方や業務の手段・方法に変革が生まれる「業務変革」

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DXの実現につながる「共創」

今、ビジネスにおける基本的な想定が大きく変わっています。かつては、業界という枠組みの中で起こる変化に適切に対処できていれば、事業は維持され成長できる時代でした。しかし、いまや加速するビジネス環境の変化、予期せぬ異業種からの参入で、ひとつの優位性を維持できる期間は極めて短くなっています。
「市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける」そうしなければ、企業のもつ競争優位性が、一瞬で消えてしまう「ハイパーコンペティション」な時代です。
特に、海外ではDXへの取り組みが進展し、異業種からの参入も激しさを増しています。例えば、Uberはタクシーやレンタカー業界を破壊し、Airbnbはホテルや旅館業界を破壊しつつあります。NetflixやSpotifyはレンタルビデオ業界やエンターテイメント産業を破壊しつつあります。
それもあっという間のことです。
さらには、海外企業はその成果を活かし、日本に市場を狙っています。

このような状況では一企業だけで競争優位を生み出し続けることは難しく、多様な業界・パートナーと共に新しい価値を創りあげていく「共創」によって競争優位を生み出し続けようという考え方に期待が寄せられています。組織内部のイノベーションを促進するため、企業の内外で技術やアイデアの流動性を高め、組織内で生み出されたイノベーションを組織外に展開し、それを繰り返すことで大きなイノベーションを生み出していくことができます。

NECは、DXの実現につながるお客さまとの「共創」をとおして、事業成功や企業文化の変革に貢献し、社会や暮らしやビジネスをより良く変えていくことを目指します。