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NECの顔認証がつくる新しい働き方 デジタルIDで人と社会と未来が「つながる」
2024年7月10日

朝、急いで会社に来て、入場しようと思ったら「社員証が見つからない!」と冷や汗をかく。焦ってバッグの中をごそごそ探してようやく入場…なんてことはオフィスで働く人なら経験があるのではないでしょうか? NEC本社ビル(東京都港区)では、社員証を使わずに顔認証だけで過ごせるオフィスが誕生しています。世界最先端の技術によってNEC2万人の社員が行う壮大な取り組みの先に見据えるのは、IDがつながる、人と人とが「つながる」社会です。NECが先取りする未来のオフィスとは。
「1日を手ぶらですごせる」 DXで働きやすい職場に
2024年4月、NEC本社ビルでの「働き方」がまた進化しました。顔認証を活用したIDで職場のあらゆるサービスを利用できる「NEC丸ごとデジタル IDプロジェクト」を2万人規模で開始したのです。
20組織以上 200人以上の社員が携わったこのプロジェクトが目指すのは、デジタルテクノロジーを活用した新しい働き方を世の中に提案すること。NECのDX事業の新たな価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」を働き方にも活かし、社員のエンゲージメント向上にもつなげます。
この4月から、NECの本社ビルで働く社員は、従来のカード型の社員証を使わなくても、いわば「手ぶらで過ごせる」ようになりました。具体的には、顔写真などデジタル化された社員情報を「デジタルID」として登録することで、入退場、売店などの決済、ロッカー開錠、パソコン起動や印刷など様々な手続き・サービスを利用できます。
こうした「デジタルID」なら、忘れたり、失くしたり、なりすまされたりすることはありません。安全・安心の確保と利便性の向上を同時に実現しています。


プロジェクトが始まって2か月。使ってみた社員からは「1日中、一切社員証を使わずに生活できて楽しかった」、「認証がスムーズでストレスがない」などの感想が寄せられ、働きやすさの向上に役立っていることがうかがえます。
「自分たちが試す」ことで得られる知見 技術も仕組みも
このプロジェクトのもう一つポイントは、NEC社員をいわば実験台とする、つまり自分たちがゼロ番目のクライアントとなる「クライアントゼロ」の考え方です。「私たちが使ってみて良いと思える技術を世の中に出して、社会に貢献したい」。こう語るのは本プロジェクトを率いた、デジタルID・働き方DX統括部長の今泉 万寿美です。自分たちで使って得た知見を顧客への提案に生かします。

「クライアントゼロ」で得る「知見」に含まれるのは技術だけではありません。DXを進めようとすると、コストの制約や人事の仕組みなど乗り越えるべき壁が多数あります。
今泉は「体制づくりなど技術以外の部分も含めて丸ごと全部やった。DXを推進したい企業の多くは同じような悩みを持つが、これらを解決するノウハウも生まれた」と振り返ります。こうしたノウハウも自分たちで最初から最後まで試したからこそ、わかったことです。
本社で進めるこのプロジェクトは、自ら「試してみる」だけでなく、ショーケースとして「見せる」場でもあります。他社からの注目度も高く、1日に複数社の見学も珍しくありません。
とある来訪者からは「本当に感激した。NECが本気で取り組んでいることが良く理解できた」という感想が寄せられました。
NECが目指す未来は、すべてが「つながる」世界
デジタルIDのメリットは、顔認証など自身が持っている情報に紐づくことで、本人がオーナーになれること。そして、本人を中心にして、様々なIDを安心してつなげることができる分散型IDの仕組みです。他人に自分の情報を管理されるのではなく、自分自身が情報のオーナーになることで、安全・安心な活用ができます。

NECは社員証のデジタルID化だけでなく、公的IDも含む様々なIDを連携する将来像を描いています。安心して安全にIDを使えるようになること。これは、人とデータ、人とサービス、人と人が安心して「つながる」ことができる未来でもあります。その未来図は、NECがPurposeに掲げる「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」につながります。
「つながる」は今回のプロジェクトのキーワードです。今泉は「人と人がつながれる、もっともっといいコミュニケーションができる社会にするための一歩になれば」とこのプロジェクトに期待を寄せています。