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いまこそ未来に誇れる仕事を 「技術のNEC」からの進化 山品Co-COO

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変化の著しい現代においては、技術力だけで社会の役に立つことは難しくなっています。創業以来125年、時代ごとの最先端の技術を操り、社会に価値を提供してきたNECグループ。私たちは技術本位ではなく、社会価値や顧客価値がどこにあるか、求められる要素は何か、ビジネスモデルはどうあるべきかと、多様な視点で捉えて取り組んでいます。NEC執行役 Corporate SEVP 兼 Co-COO(共同最高執行責任者)を務める山品正勝も、研究者~事業部長~経営層というキャリアの中でこうした変化や課題に触れてきました。現在は社会インフラ事業を管掌する彼に、NECグループが進むべき道や期待について聞きました。

──研究部門と事業部門の双方での経験は、これまでのキャリアでどう活きましたか。

若い頃は研究者として「世界一の技術を作るんだ」と一生懸命に取り組みました。のちに技術を社会に届けるために事業部に移りましたが、NECもお客様もそれぞれ何十億円もかけたにも関わらず失敗してしまったことがあります。それまでは「優れた技術があればよい」と信じていただけに、衝撃的な経験でした。事業として成功するには技術だけではだめだったんです。落ち込みはしませんでした。ひたすら「なぜ失敗したのか」「どうすれば成功できたのか」と考えたことを覚えています。

私は大学院時代、「できない」と諦めがちな学生でした。見かねた恩師は「なぜできないのか言ってみろ」と問うてきました。曰く、「できない理由には二種類ある。原理的にできないか、能力がないかだ」と。知識や体力がないのか、お金がないのか、人が足りないのか。「君自身の能力不足は助けられないが、他は充ててやれる。もし原理的にできないことを証明できたならノーベル賞ものだ」──。恩師は私に、簡単に諦めず、どうすればできるかを全力で考えよと教えたかったのでしょう。

NECでのキャリアを振り返ってみると、問題を抱えたプロジェクトに対処する仕事を多く担当してきました。そのたびに恩師の言葉は拠り所になりました。こうした考え方が染みついたからでしょうか、家事の中ではアイロンがけが好きなんです。すぐに結果が出て、失敗してもやり直せますから。

──NECの2大事業セグメントの1つである社会インフラ事業をけん引されています。

NECが手掛ける社会インフラとは通信、航空宇宙・防衛分野です。防衛ではレーダー技術のような他社に真似できない技術を多く持ち、人工衛星は70基以上を宇宙に送り出してきました。創業以来受け継がれた通信分野では無線や光通信に関する高い技術力を誇っていますし、海底ケーブルは世界トップ3のポジションです。ただ先ほどもお話した通り、個々の尖った技術があるだけでは世界一の事業にはなり得ません。ならば、これらの技術をうまく扱えたならどうなるでしょう。いま社会インフラ事業としての売上高は1兆円ですが、もっと伸ばせると考えるとワクワクします。

例えばNECは注文を受けて衛星を作る仕事をしてきましたが、自社で衛星を保有すればサービス展開できる。機器もケーブルも作っていますから、宇宙と地上と海底を光通信でつないだサービスを手掛けられれば、新しい価値を社会に提供できる。地球に暮らす70億人のうち自由にコミュニケーションができるのは15億人ぐらいです。コミュニケーションの壁を解消できれば、貧富の差やそれに起因する争いが減らせるのではないか。宇宙と通信、この柱が融合すれば、10~20年後には世界に貢献できる非常に大きな事業になるでしょう。

──「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」とのPurpose(存在意義)の実現にどう貢献していきますか。

日本の高齢化は避けられません。そこで高齢者が誰とでも手軽にコミュニケーションできるようなインフラを作れば、寂しさは減り生き甲斐も得られるでしょう。労働人口が減るのなら、高齢者が健康で働けるようなインフラを作る。技術を自分勝手に押し付けるのではなく、様々な人の価値観に応えられるソリューションを作り出すべきです。私たちの先輩は、そうやって世の中の役に立つ事業を作り、育ててきました。

──そのためにも、常識にとらわれない多様な価値観がより重要になりそうです。NECグループでは、そうした土壌を育めていますか。

コミュニケーションをしていくことが重要です。言語、国境、性別、年代を超えた人間関係は信頼関係を生みます。互いの情報のインプットが刺激になり、新たな気づきが生まれます。私も人の話を聞くと、新たな発想につながる気がするんです。例えば同じ景色を見ても注目するポイントは人によって違う。こういうことは大切ですね。

──「意識改革」について2023年度の株主・投資家向けの説明会で強調していました。

実は事前に異論もあったのですが、こだわりがあって残してもらいました。NECグループの社員もだいぶ変わってきたと感じます。私は、「誰でも直接コンタクトしてほしい」と公言しているのですが、最近では若い社員、特に女性社員がよく相談に来てくれます。それぞれが色々な悩みを身一つで役員に相談にくる。私の若い頃だと考えられないですよ。若い人たちの行動力や捉え方はすごい。お互いに気づきや学びを得られていると思います。

──NECグループが社会価値を提供し続けていくために、組織や社員にどう働きかけていきますか。

現在進めている2025中期経営計画は非常にチャレンジングな目標を掲げていますが、達成の確度は高まってきたとの実感があります。ただ、2025年でNECの役目が終わるわけではない。世界に誇れる事業を作るためにも、その先に向けて種を仕込んでいかなければなりません。

こうして口で言うことも大事ですが、やはりスピード感をもって実行すること。世界に目を向けて、実例を作って示していくことがNECグループを良い方へ向かわせるためのメッセージになると思います。12万人のグループ社員が同じ方向を向くことは非常に難しい。ですが、私は違う方向を向いている人を放っておけない。最後まで理解してもらえるよう、コミュニケーションを続けていきます。

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