Japan
サイト内の現在位置
地域に愛されてNECレッドロケッツは強くなる 試合の外でもチームとNECのファンを増やす活動
2023年10月19日

地域の人々から企業スポーツチームが愛される。それは、チームを強くするだけでなく、スポーツビジネスとしての自立、ひいてはチームを支える企業のファン拡大にもつながります。NECのスポーツチーム、NECレッドロケッツ(女子バレーボール)はその好循環をめざして改革を進め、昨シーズンはVリーグと皇后杯で2冠を達成。NECレッドロケッツのこの強さの裏側には「地域連携活動」があります。選手の顔が見えるこの活動が、どんな効果を生み、人々が豊かに暮らせる社会づくりにどう貢献しているのでしょうか。
昨シーズン2冠 強さを支える地域活動は改革の一つ
「やったことある人!」 ボールを持つ選手の掛け声に、集まった子どもたちが答えます。「はーい!」
9月上旬、川崎市とどろきアリーナで開かれたNECレッドロケッツのバレーボール教室には、地元を中心に小中学生 約140人が集結。7人の選手から直接指導を受けました。見守っていた保護者は「数年前に上の子も選手に教えてもらって。そこで名前もおぼえて、家族で応援しています」と話します。
このバレーボール教室は、NECレッドロケッツの地域連携活動の一つ。こうしたバレーボールの普及活動をはじめ、地域のゴミ拾いなどの清掃活動、小学校へ出前授業など、様々な取り組みを行っています。


地域連携活動にいっそう力を入れることになった転機はNECレッドロケッツにとって創部43年目の2021年6月。社内の士気高揚や一体感醸成が主な目的だった運営を見直し、地域に密着したビジネス化を目指して、NECグリーンロケッツ(現NECグリーンロケッツ東葛)とあわせて改革を担う組織として、NECにスポーツビジネス推進本部(現スポーツビジネス統括部)を新設しました。見据えるのは地域や社会における課題解決。その第一歩として、地域連携活動を年々拡大していきました。
結果も出ています。NECレッドロケッツは昨シーズン、Vリーグと皇后杯で優勝し、2冠を達成。興行面でも2021年からホームゲーム来場者数はVリーグの女子チームではトップを走っています。


こうした地域連携活動には他の企業スポーツチームも取り組んでいます。そんな中で、NECレッドロケッツが特に力を入れているのは、スタッフ任せではなく、選手自身が活動に参画すること。オフシーズンには全ての選手が地域連携活動に参加しています。
自身も男子バレーボールの選手として活躍し、今はNECスポーツビジネス統括部でこの活動の担当をする竹内実は「選手と直接触れ合った子どもたちが、まずはNECレッドロケッツのファンになってもらって、そこからNECのファンになってもらえたら嬉しい」と話します。
地域に元気を届けるだけでなく、選手も、いい刺激をもらっています。
「試合がないときでも私たちの存在を知ってもらう活動はとても大事」と話すのは、副キャプテンの柳田光綺選手。「バレーボールだけじゃなく、笑顔とか行動とか人間味を知ってもらって、あこがれてもらう存在になりたい。その気持ちが自分自身の成長にもつながっている」といいます。
同じく副キャプテンの藤井莉子選手は「バレーボール教室が終わった後にサインをもらいにきてくれたり、がんばって!と声をかけてもらったり…それが力になります。今後も応援してもらえるようにアクションを起こしていきたい」と、10月に開幕するVリーグの連覇に向けてエールを受け取っています。
オフシーズンは全選手が参加 「自分自身の成長にもつながる」


スポーツを通じて豊かに暮らせる社会目指し トップを走り続ける
バレーボール教室の主催などで関わりの深い地元・川崎市中原区の板橋茂夫区長も、ファンの1人です。「ふだんコートで活躍している選手のみなさんが、気さくに積極的に地域活動に参加してくれている、それは大きな魅力です」。中原区はNEC玉川事業場の所在地でもあり、企業としてのNECグループとの縁も深い地域。NECは長らく地元のシンボルとして親しみを持たれており、「NECレッドロケッツとNECと一緒に、この川崎の街をより良くしていきたい」と板橋区長は話します。
スポーツを通した豊かな暮らしづくりに向けて、歩み続けるNEC。「昨シーズン日本一にはなりましたが、地域への浸透はまだまだこれから」と、NECの竹内は話します。地域との活動を通じて、チームを強くし、人々の暮らしを豊かにする。それこそがNECグループがPurpose(存在意義)に掲げる「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」の実現にもつながります。
2連覇と社会貢献へ。竹内はこう意気込みを語ります。「競技成績だけでなく、地域との活動でもNECレッドロケッツがトップを走っていきたい」

竹内 実

板橋 茂夫 区長