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NECロケッツボランティア、社員で育み地域に拡大 「いろんな社会貢献」イメージ変化

2022年12月に行われた皇后杯全日本バレーボール選手権大会で優勝し、波に乗るNECレッドロケッツ。ラグビーのNECグリーンロケッツ東葛も合わせた二つのロケッツを盛り上げる上で欠かせないのが、NECロケッツボランティアの存在です。ボランティア登録しているNECグループ社員は発足当初の数名から拡大し、今は約120人。2022年度からは、社員以外でも登録できるようになり、サポートのすそ野が広がっています。広がるボランティアの輪、中心にNECがいることの意味。活動の現場をのぞきながら、探ってみました。

おもてなしの心意気で活躍「興行の盛り上げに欠かせない存在」

1月13日。2023年で最初のレッドロケッツのホームゲームは金曜のナイターということもあり盛況となり、川崎市のとどろきアリーナに多くの人が詰めかけました。

試合開始からさかのぼること6時間前の午後1時、ロケッツボランティア15人を含むスタッフが集合します。ボランティアの活動は、ひとことで言えば「当日のお客様に関わる全て」。入り口にのぼりをたてたり、受付の机や椅子を設置したり、会場に選手のパネルや陣幕を飾ったり。さらには受付やグッズ販売のサポート、ファンクラブ会員向けの抽選会対応…これらの幅広い業務を、社員やボランティアリーダーがまとめながら進めます。

運営にあたって、ボランティアに特に期待されているのは、おもてなしの心意気です。13日のとどろきアリーナでは、ボランティアがファンクラブ会員向けの抽選に当たった人と一緒に喜んだり、列に並ぶ子どもに「バレーボール好きなの?やったことある?」と声をかけて場を和ませたりする場面も。

ボランティアだからこそ提供できるホスピタリティは、2つのロケッツのファン、ひいてはNECのファンを増やすことにつながります。スポーツビジネス推進部長の長谷部期子は「細やかなおもてなしはボランティアの方々ならではの期待があります」と絶大な信頼をよせ、こう続けます。「今や、ボランティアの方々がいることで興行がなりたっていると言っても過言ではありません」

支えるボランティア社員じわり拡大「経験と交流、そして一体感」

近年、スポーツ界におけるボランティアの存在感は増しています。最近ではラグビーワールドカップ(2019年)や東京オリンピック・パラリンピック(2021年)など大イベントの日本開催が目白押しとなり、NECグループの中でもボランティアの力でスポーツを支える機運が高まっていきました。

その流れをくんで、NECロケッツを支えるボランティア体制も徐々に充実。もともとグリーンとレッドの運営はそれぞれの地元の事業場の総務が担当していましたが、2018年ごろから「NEC全体で盛り上げたい」と、事業場の枠を越えたボランティア運営が本格化しました。といっても当初はごく数人でのスタート。国際スポーツ大会でのボランティアを経験した社員なども徐々に加わりながら、2019年には二つのロケッツを「NECロケッツボランティア」として統一し、登録者は今や約120人にまで増えました。

スポーツチームにおけるボランティアの意義。「お客様に対してはホスピタリティ、そして参加する社員にとっては、ボランティアでしか得られない経験と交流、一体感がありますよね」と話すのは、ロケッツボランティアでリーダー的存在の橋直紀です。様々な職場から参加しているため、通常の業務では知り合うことのない人と職場やグループをまたいだ交流が生まれ、エンゲージメント向上だけでなく、それぞれの仕事に活きる気づきを得られることもあるといいます。

地域のファンも参加OKに「アピール控えめ だけど頼りになるNECの人たち」

そして今、NECグループ社員が育んできたボランティア活動のすそ野がさらに広がっています。社員限定だったNECロケッツボランティアの登録が、2022年度から社外の人もOKに。当面は一般公募ではなく紹介制ですが、すでにOBやOGを含む18人が登録。企業スポーツの枠を超え、地域に愛されるロケッツをめざしています。

「別のボランティアを通じて仲良くなった人が、実はNECの人だったんです。その縁で」。1月13日のレッドロケッツの試合でボランティアデビューした川崎市在住の女性はもともとレッドロケッツの大ファン。当日は「気持ちが高まって朝早くに目が覚めちゃいました」。

「お堅い感じ」だったというNECのイメージは、ボランティアを通じて変化。パラリンピックスポーツなども幅広く応援していることも最近知りました。「自分たちの会社の直接的な利益追求だけじゃなくて、いろんな社会貢献をしている会社だったんですね」。何より、ボランティアで知り合った社員については「ことさらNECとアピールはしないけど、頼りになる人ばかり」。これからも、大好きなレッドロケッツを一緒に応援していくつもりです。

スポーツと、ボランティア活動を通じて、NECグループが社会に新たな価値を創り出していく。その活動は、地域にじわりと広がっています。

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