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管理職になること、目立つこと…やりたいことをやるために
2023年8月10日

「社会の役に立つ仕組みをつくりたい」と入社したNECで、車のサービスを通じて新たな価値創造にチャレンジしている女性がいます。
インクルージョン&ダイバーシティの推進を2025中期経営計画における「文化」戦略の柱の1つに掲げるNECは、世界17カ国1000人以上が参加した「国際女性ビジネス会議」=(株)イー・ウーマン主催=のゴールドパートナーをつとめています。この会議にはCEOの森田やCorporate SVPの青山朝子に加え、女性管理職代表として、NECモビリティソリューション統括部の上席プロフェッショナル 武藤裕美が登壇しました。今回のセッションをきっかけに見つめなおしたキャリアへの想いを尋ねます。
「社会の役に立ちたい」学生時代の想いが出発点
── 2023年から、モビリティソリューション統括部で2つの部署を率いています。
いま、車は100年に1度の変革期がきていると言われています。わたしたちは、ソフトウェアによってさまざまな機能を備えた車、いわゆるSDV(Software-Defined Vehicle)の領域で新事業の立ち上げに取り組んでいます。たとえば車に顔認証を搭載してキーレスにする、バスなど交通インフラの自動運転で過疎地の交通弱者を助ける、観光支援のための新しいモビリティサービスを創出するなど。NECグループとして新しい価値を生み出そうとしています。
── 職種が入社後に変わりましたが、共通する想いはなんでしょう。
通っていた高校に「計算機サークル」という同好会がありました。そのサークルの人たちが喋っている内容が当時全く理解できず「宇宙人と話をしているみたいだな」と思ったんです。将来、コンピューターが当たり前になる時代では、この人たちのような人たちと、コンピューターに支えてもらう側の人たちとをつなぐ役割が必要になる──そこから「コンピューターを使って社会の役に立つしくみを作りたい」と考えるようになりました。
大学時代の研究は「運転支援システム」で、NECにはシステムエンジニアとして入社しました。実は、入社した時から職種にこだわりはなく、ただ「社会の役に立つしくみをつくりたい」という気持ちでした。ひょんなことから上司に促されて営業職に変わり、もともと興味があった事業企画に携わる中で物流関係の新しいソリューション創りに取り組んでいたところ、「交通と物流の新規事業創出を目指す部署を作るので、リーダーをやってみないか?」と声がかかった、それが今のキャリアにつながっています。
今年の4月からは、これまでメインで担当してきた「物流」分野ではなく、新たに「モビリティ」分野を担当することになりましたが、「社会に役立つしくみをつくりたい」という想いは、ずっと変わらないままです。

巻き込む力 n対nで驚くような相乗効果が生まれる
── 「国際女性ビジネス会議」のトークセッションのテーマは「上を目指す挑戦」でした。
管理職になると、責任が大きくなる分、やれることも大きくなりますよね。その分、周りを巻き込むことが大事になるので、1対1ではなくn対nを、より意識するようになりました。一人だとできることは限られていても、人が集まれば驚くような相乗効果が生まれることがある。そんな相乗効果を生みやすい場づくりや、どう話したら仲間になってもらえるかを考えています。
理想は、がちがちに指示する職場じゃなくて、一人一人がやりたいことをやって、相手のことをリスペクトしながら高めあえる関係づくりです。
── 管理職になってから、新たに取り組んだことは?
すべての部下と将来のキャリアについて話をする時間を半年に1回のペースで設けました。まずは、10年後に自身がどうなっていたいかを話してもらい、3~5年後は何をすべきか?今は何をすべきか?とブレークダウンしていくというものです。
メンバーが考えていることを単純に知りたかった、というのも理由のひとつですが、目の前の仕事に忙殺されている部下に、30分でも将来のキャリアを考える時間を持ってもらいたかった。あまり大上段に構えず、まずはメンバーが成長できる場づくりを、という思いでこの活動を始めました。今は、上席プロフェッショナルという1つ上のポジションになり、どういう方法なら皆の役に立てるか、思案中です。
前に出ることも目的を達成する一つの手段
── コミュニケーションをとても大切にしている印象です。
“当たり前”って、人によって全く違いますよね。育った環境や経験によって変わってきますし、だから私は「相手が言っていることを自分は100%理解できていない」という前提で「なぜ、そんなことを言っているのだろう?」と考え、「自分の伝えたいことは100%伝わっていない」前提で、「伝えたいことを伝えるためには、どこまで何を説明したらいいかな」と考えるようにしています。
── これまで、社内外のさまざまな講演に登壇してきました。
「目立つのが好きだよね」と言われたことがありますが、むしろ逆で「引きこもりたい」タイプです。でも自分が外に向けて話をすると、この事業領域では女性が少ないこともあり、比較的注目されやすい。そうすれば、お金をかけずにNECや事業の宣伝ができる。こうして登壇して注目してもらうのも、一つの手段です。どうせやるなら、自分のやりたいことを実現するために、自分の属性や肩書をフルに活用しよう。そんな気持ちで前に出ています。
── 後輩たちへのメッセージをお願いします。
「自分自身の“売り”となる得意領域を作る」ことを心がけてほしいです。「この分野なら〇〇さん」と指名される領域は、自分にとってどこか?と考えながら日々の仕事に取り組んでください。
そして、仕事は一人でするものではないこと、皆が相互に高めあうことで、チームの力が発揮できるということを忘れないでほしい。そのうえで、自身に恥じないように仕事をしていれば、おのずと成長していけるし、その努力は誰かしらが必ず見てくれています。
「どうせ」をやめて、自分が「こうありたい」と思うことをやり続けていれば、チャンスは巡ってくるし、チャンスが巡ってきたことに“気づく”ことができる──そのチャンスが管理職で、受け入れる準備ができていたら、チャレンジをしてほしいと思っています。

NECは、経営・事業における成長戦略、イノベーション創出の生命線として、女性活躍を始めとするインクルージョン&ダイバーシティを推進し、NECのPurpose(存在意義)である「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現」をめざします。