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南極観測も進化! NECグループから派遣「技術の進展に対応 僕らだからできること」

南極点に人類が初めて到達した1911年12月14日から100年あまり。南極地域の自然現象を観測することで、地球の過去、現在、そして未来を知ろうと、人類は手を携えています。日本の南極地域観測隊にはNECグループも協力。社員が国立極地研究所に出向し、観測隊員として参加しています。近年は、新しい通信システムの実証実験を行うなど貢献の形も進化しています。観測隊の目線から、NECグループだからできる貢献のあり方を語ってもらいました。

世界をリードする日本の南極観測 「多目的」な形で支えています

日本と南極の関わりは1912年までさかのぼります。1957年の昭和基地開設後は、世界初のオゾンホールの発見(1982年)など世界の南極観測をリードしてきました。産官学が連携する日本の南極観測において、国立極地研究所は中核となって観測隊の運営を担っています。

NECグループは1971年に初めて隊員を派遣し、技術やシステム面でサポート。人工衛星からのデータや宇宙からの電波を受信するための多目的衛星データ受信システム(多目的アンテナ)を設置した後は、多目的アンテナの運用や保守がNECグループ出身の隊員の主な役割となっています。

多目的アンテナは直径11メートル。今は宇宙からの電波を受信して宇宙測地観測に活かすのが主な役割です。南極地域にはこの目的のためのアンテナが少ないため、正確な測地のためには欠かせないアンテナです。例えば「日本とハワイは1年に10センチ近く距離が近づいている」という40年前の発見も、宇宙測地観測があってこそでした。

NECネッツエスアイから派遣される隊員の名刺には「越冬隊 多目的アンテナ」と担当が記載されます。「実際は『多目的アンテナ』というより『多目的』担当ですね」と観測隊経験者の落合哲(31)は振り返ります。2019年12月~2021年1月の61次隊で参加しました。

オーロラと雪上車(国立極地研究所提供)

ヘリからみた「しらせ」(国立極地研究所提供)

ローカル5G・昭和基地のスマートシティ化…確かな技術力があるから

「多目的アンテナ担当」は、多目的アンテナの保守に加えて、他の部門のちょっとした設備の不具合対応など電機やシステムにまつわる「何でも屋」的側面もあります。その上で、新しい技術やアイテムにも対応します。58次隊からはドローンが導入され、それまで目視で行っていた設備の点検はドローンで行うようになりました。落合もこのためにライセンスを取得しました。

最近では「昭和基地のスマートシティ化」に向けた動きも始まりました。国立極地研究所とNECネッツエスアイの共同研究で、63次隊がローカル5Gの設備を設置。南極地域では世界初となるローカル5Gを活用した実証実験が今年2月にスタートしています。

ローカル5Gが入れば、トランシーバーと違って双方が同時に話すことも可能で、隊員の位置情報も把握しやすくなります。また、基地の遠方からの監視や、映像を使った国内からの観測支援なども可能となり、隊員の安全や観測効率が向上します。ローカル5Gの特長である大容量データの高速通信ができるようになれば、研究の進展にも貢献できます。

「地球を知り、地球の未来を守るために私たちができることはまだまだある。南極での任務も、技術の進化とともに広がっていくんですよね」と落合は力を込めます。NECのPurposeで掲げる、社会価値の創造や持続可能な社会の実現へ向けて、これからも貢献の形は進化していきます。

今年もまた、期待に胸を膨らませて旅立った隊員がいます。第64次南極地域観測隊は2022年の11月11日、東京港を出発。NECネッツエスアイからは井上誠(37)が国立極地研究所に出向し、参加しました。

アンテナ(国立極地研究所提供)

昭和基地と落合(国立極地研究所提供)

子どものころからの夢 「変化に対応する力」磨いてかなえた

子どものころ地球儀を眺めながら気になっていた白い大きな大陸。NECネッツエスアイに入社したのは南極に行きたかったから。そんな井上の夢は2度目の挑戦でかないました。

入社直後に配属されたのは「南極行きに必要な業務に直接結びつく部署ではなかった」といいます。でも、観測隊に必要なことは、厳しい環境下で長い間集団行動するために必要な協調性、そして変化に対応する力であるはず。観測隊OBのアドバイスをもとに目の前の仕事に励みました。直近は新規事業立ち上げの職場で、もちろん保守の技術とは無関係。でも、お客様の課題を解決するために、どんな解決策が、どんな事業が、どんな価値創造が必要か。それを考え続けて学んだことを、観測隊の選考でもアピールしました。

「ローカル5Gの実証も始まり、新たなチャレンジがある。そこに携われるのは光栄です」

進化する通信技術を実験したり、これから昭和基地をどう変えていくかを考えたり。目の前にあるものを保守運用だけでなく、多角的な目線や技術で取り組めるのがNECグループの強みであり、自分の強みでもあるはず。

南極での経験を子どもたちに伝えるのも楽しみにしていることの一つです。南極滞在中には、「南極 越冬隊の今」というサイトで活動をレポートする予定です。日本に帰ってきた元観測隊員による子どもたちへの講演活動もあります。待ち遠しいのは、来年の春から長女が通う小学校で南極の授業をすること。ここで話すネタをたくさん仕込んでくるつもりです。

船からみたペンギン(国立極地研究所提供)

出発前の井上 

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