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男性育休、NECでも増加中「人生の宝物でした」職場も育児と仕事の両立支援

2022年は男性育休を後押しする取り組みが一気に進みました。10月には法改正によって「産後パパ育休(出生時育児休業)」がスタートし、育休を分割して取ることも可能に。NECでも男性育休取得者は2年間で倍以上に膨らみ、企業としても取得を後押ししています。NEC  Storiesでは、管理職の立場で7カ月の男性育休を取った社員と、職場のサポートを紹介します。

NECの男性育休取得、2年で倍以上に 育児支援の制度も充実

「産後パパ育休」は、従来の育休とは別の制度で、子どもが産まれてから8週間以内に4週間まで取得でき、分割も可能です。2023年には従業員1000人を超える事業主に育休取得状況の公表が義務づけられます。2021年度の男性の育休取得率は過去最高の13.97%。「2025年までに30%」という政府目標には遠いものの、少しずつ前進しています。

NECの男性育休取得も増えています。2019年の36人(女性は306人)から2021年は83人(女性283人)と、2年間で倍以上になりました。NECは育児と仕事の両立をサポートするため、男女問わず育休を法定の期間より長くとることができる制度となっています。また、管理職研修や育休中の社員の研修など、意識改革や復帰支援にも取り組んでいます。

9月には男性育休への理解を深め取得を後押しするために、新制度に合わせて男性向けの育休ガイドを発行し、NECの社内サイトで周知。アクセスランキングでトップを走るなど、社員から高い関心が寄せられています。では、実際にNECで男性育休をとった社員と職場は、どんな試行錯誤をしたのでしょうか。

1人目の時は思いもしなかった育休、2人目で決意した理由は

NECの基盤ソフトウェア統括部で働く浅見大輔(43)は、6年前に1人目の子どもが生まれる時には、父親となる自分が育休をとる発想は全くうかびませんでした。事前調整はたいへんそうだし、キャリアに響きそうだし。

2人目が生まれる時は一転、7カ月の育休取得を決意します。浅見の考えが変わったのは、共働きの妻と育児の負担を今まで以上に分かち合うためでした。

1人目のときの大変さは想像以上で、何をしても何時間も泣き止まない赤ちゃんに困り果てる妻。なるべく早く帰ったり電話で話をきいたり、寄り添う努力をしたつもりでも、子どもと1人で向き合う妻の負担を分かち合うには全く足りていないと痛感しました。「もっとそばにいればよかった」。この反省があったから2人目の時の育休取得を決意しました。コロナ禍の不安も、家族に寄り添う時間をじっくりとりたい気持ちを強めました。

この頃、1~2週間の育休をとる男性は増えていましたが、月単位となるとまだ少数。上司への相談に身構えたのも事実でした。ダメとは言われなくても短くしてほしい、くらいは言われるかも──。「いいんじゃない」。反応は、拍子抜けするほどあっさりしたものでした。

当時の部下も全員、応援してくれました。一方で、必ず言われたのが「引継ぎはちゃんとお願いします」。2020年の育休宣言から、実際に育休に入る2021年6月までの間、仕事の棚卸・作業の見える化を進め、自分じゃなきゃできないと思う仕事は育休中にも問い合わせてもらう覚悟で引き継ぎました。結果的に、育休中の仕事のヘルプ要請の連絡はなし。「しわ寄せで業務量が増えた人もいます。申し訳なく思いつつも、同僚の優秀さと職場の理解に助けられました」

「短い目でみた損得より、長い目で見て魅力的な会社になることが大事」

家事や子どもとの接し方など、育休中にスキルアップした家庭での基礎力が、復職後にも役に立ちました。2022年4月に体制と役職が変わり部下が増え、家族とすごす時間をつくるのも一段と工夫がいるようになったけど、「お父さん、また育休取ろうよ」なんて息子に言われると、育休は自分の人生の宝物だった、人生を大きく変えた時間だったと思うのです。

職場の支えも重要です。「自分の同世代の男性育休は珍しかったけど、今は自然なことですよね」。浅見の上司、小柴国博は部下の男性育休に抵抗はありませんでした。一方で、チームの中核の一人である浅見の抜けた穴が大きいのも事実。自分が引き受けたり、他の部下に割り振ったり。当然、引き継ぎや割り振りの工夫では補えない分もありました。

浅見の決断を応援するだけでなく、小柴が心を配ったのは、浅見の業務をカバーするメンバーへのケアです。負荷がある程度増えるのは仕方がないにしても、ここで無理な働き方や理不尽な思いをさせたら、浅見自身も戻ってきにくくなる。仕事の総量について、一時的な見直しにも着手しました。

短い目で見たチームの成果については割り切った部分もあります。それでも、男性育休を職場で応援することの意義を、小柴はこう語ります。「長い目でみたときに、社員が働きやすい、働きがいのある魅力的な会社になること。そうすれば多種多様な人材が集まって、長く働いてくれる。そのメリットの方がずっと大きいんだと思います」

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