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高校生「コロナ禍で困っているひとり親助けたい」 活動支えたのはNEC有志たち

「コロナ禍で困っているひとり親を支援したい」と、桐光学園(川崎市)の女子生徒が、NECの玉川事業場でイベントを行いました。寄付で集めた食料品や日用品を配り、子連れで遊べるコーナーも好評となったこのイベント。川崎市社会福祉協議会と、NECグループ社員の有志でつくる「NECプロボノ倶楽部」もサポートしました。高校生の活躍と、縁の下の力持ちとなったNECプロボノ倶楽部の活動を紹介します。

立ち上がった高校生 サポートの輪広がる

イベントは5月19日に開催され、会場となったNECの玉川事業場には、親子連れなど約70組が訪れました。食料や日用品の配布が人気を集めたのはもちろん、川崎市社会福祉協議会が開いたひとり親向けの相談会にも多くの人が参加。NECの社員らが用意した積み木などで遊ぶ「木育」コーナーでも、子どもが楽しみました。
メディア取材も相次ぎ、市内から訪れた女性は「若い人の前向きな力を企業や地域で応援するのっていいですね」。イベントは多くの人から好評を得ました。

このイベントの発起人は、桐光学園3年生の篠原花蓮さん、橋本さや花さん、添田理奈さん。1年前、コロナ禍でひとり親の女性が困窮しているというニュースに触れた篠原さんが「何かできることはないか」と、橋本さんと添田さんに声をかけたのが始まりでした。

困っている人を助けたい、というアイデアはうかんだものの、イベントの具体化や運営となると、高校生だけでは難しいこともたくさん。篠原さんが先輩を通じて相談した川崎市社会福祉協議会が、まずは企画の具体化に力を貸しました。その後声がかかったNECプロボノ倶楽部も、企画や運営をサポートし、会場にNECの玉川事業場を提供しました。イベント会場の総勢50人近くのスタッフのうち、17人はNECからの参加です。

添田さんは「最初は知識も全くなかったけど、大人との信頼関係を築いてここまでできた。やってよかったです」。橋本さんは「アイデアをどう形にするかを学べた、楽しい1年でした」。篠原さんは「川崎市社会福祉協議会とNECの方にとても感謝しています。コロナ禍で困っている人の問題を社会に伝えられたかな」と振り返ります。

NECプロボノ倶楽部の実績、川崎でのコラボ拡大

イベントを支えたNECプロボノ倶楽部とは、どんな活動をしているのでしょうか。
「プロボノ」は広い意味ではボランティアの一部ですが、ボランティアとの違いは「会社の業務や経験で培った知識やノウハウを生かす」という点。国内企業のプロボノ活動としてNECは先駆的な存在で、2020年には活動を全国に広げるため、有志によるNECプロボノ倶楽部が発足しています。

川崎市とNECのプロボノ活動は2020年に連携を発表し、川崎市内でのNECプロボノ倶楽部の活動は、この2年間だけでも20件以上にのぼります。子ども向けのオンライン授業のサポートや老舗和菓子企業との商品開発プロジェクトなど活動は多岐に渡り、今回のイベントで声がかかったのも、NECプロボノ倶楽部の実績があったからでした。

「プロマネのいい経験」参加した社員に手ごたえ

今回は、高校生たちの思いをイベントとして実現するために、NECプロボノ倶楽部のメンバーがイベント企画のノウハウを提供しました。高校生たちとの打ち合わせを十数回重ね、課題の洗い出しやスケジュールの管理、さらには会場のレイアウトやスタッフ配置、当日の進行管理や役割分担の整理をリード。「プロジェクトマネージャーとしていい経験ができた」と参加したNEC社員は手ごたえを感じています。

子どものコーナーに「木育」を入れたのもNECプロボノ倶楽部の提案です。積み木はケヤキやスギなど産地・樹種が異なる80ピースあり、木目や手触りの違いを感じて木材に親しみを持ってもらうのが目的。実はここにNECグループの画像認識技術サービスの紹介もしのばせています。積み木に刻印してある部分をQRコードのように読み込むと、木材の紹介や産地の情報のページにつながります。

川崎市社会福祉協議会の担当者は「企業ならではの視点や企画力はとても頼りになった。いい連携ができた」。

NECプロボノ倶楽部代表の川本文人は「ただ請け負うだけの業務ではなく、地域や企業の課題について一緒に考えながらサポートしていく『共創』にNECプロボノ倶楽部の意義がある。メンバーの社会人としてのスキルを活かすのはもちろん、プロボノを通じてスキルアップして、NECや社会に還元しながら、これからも社会課題に取り組んでいきたい」と話しています。

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