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全国Well-Beingアンケート調査

NECスマートシティ

全国アンケートからひも解くWell-Being

■背景

気候変動や経済格差などの世界的な課題に対応するため、従来のGDPに代わる豊かさの指標として「Well-Being」が注目されています。Well-Beingは肉体的にも精神的にも社会的にも満たされた状態を意味し、SDGsに続く国際目標として位置付けられる見通しです。日本においても、2024年6月に閣議決定された骨太方針では、「誰もが活躍できるWell-Beingが高い社会の実現」が掲げられ、「行政におけるWell-Being 指標の活用を促進するとともに、当該指標と各種政策との関係性を整理する」と明記されました。
NECでも、Well-Being向上を目指す取り組みの一つとして、データを効果的に用いた分析技術やロジックモデルの活用を、自治体等の方々と連携して進めてまいりました。その取り組みでは、実態が捉えにくいWell-Beingをデータとして整理し、分析結果から社会通念にとらわれない議論を行っております。
以下にご紹介します調査レポートでは、「ウェルビーイング先進地域」を目指す富山県様が策定した「富山県ウェルビーイング指標」をベースとしたアンケートにより、日本全国でのWell-Beingの状況を調査・分析しました。この調査を通して、エリアごとのWell-Beingの特徴や実態、価値観に寄与する因子などについて明らかにしました。

■全国Well-Being調査のポイント

  • 本調査では、令和4年富山県によって策定された「富山県ウェルビーイング指標1」を基礎として、暮らしの中でのWell-Beingに関連する主観的な実感の評価・分析を行いました。
    1new window富山県/ウェルビーイングの推進 (pref.toyama.jp)
  • 本調査の結果、①幸福に関する実感は、性別や年代、年収、居住地域などによって傾向が異なってくること、②未来に対する楽観性や期待感については、現時点での生きがいや夢・目標に向けての活動が影響度の高い要素となること、③幸福に関する実感には、生活の様々な活動のバランスがとれていることや、経済的なゆとり、安心感や心の余裕が関わること等がわかりました。

■調査実施概要

  • 調査目的
    全国および各エリアのWell-Being意識の現状把握
  • 調査方法
    • -
      調査期間:2024年2月9日~2024年2月10日
    • -
      調査対象:日本全国の12歳以上の男女
    • -
      調査方法:インターネットリサーチ
  • 調査項目
    • (1)
      総合的な実感(理想の生活(幸福)に対する自己評価)
      • 現在を起点にし、過去(5年前)・未来(5年後)も評価
    • (2)
      分野別実感に関する自己評価
      • 心や身体の状態、生きがいなどに対する自分自身の意識
      • 家族、友人、職場・学校、地域等との”つながり”に関する意識・実感
    • (3)
      基本属性(年齢、性別、家族構成、職種、年収、地域など)

■全国でのWell-Being調査結果の概要

主な調査・分析結果の一部を以下に記載します。

  • 現在、5年前、5年後の幸福の実感(総合実感)に対する自己評価について
    (最も理想的な生活であると思う状態を10、最悪であると思う状態を0として、11段階で評価)
    年代別に総合実感を見ていくと19歳以下で総合実感が高く、50代に向けて低くなりました。また、60代、70代では「現在」に比べ「5年後」の方が、評価が低くなります。世帯年収の多寡は幸福度とおおよそ比例する関係にありますが、1,200万円からは大きな幸福度の差は見られず高止まりする傾向が見て取れました。その他、居住地域や職種によっても幸福度の傾向が異なることが明らかになりました。

年代別・性別・世帯年収別の総合実感平均値

  • 総合実感(現在、5年前、5年後)に関する因果分析結果の比較からわかったこと
    総合実感と関係性の強い指標について、以下の表にまとめました(表中〇印が関係性の強い指標)。「現在」「5年前」「5年後」の傾向は類似しますが、「5年後」においては生きがい・希望に関する実感が影響の高い因子となることが特徴になります。将来に対する期待感や楽観性を改善・向上させるためには、生きがいや夢・目標に向けての活動が重要になると考えます。
  • Well-Beingに関する全国調査結果の因果分析について
    本調査のデータから幸福度を向上させるためには、どのような観点や指標に着目すべきか検討するため、当社のAI因果分析ソリューション「causal analysis」を活用して分析を行いました。「総合実感(現在)」の指標を向上させることを目的とした場合(図中の橙色3重丸)、以下に示すような因果ストーリーが必要であると推定しました。
    幸福度向上には、家族とのつながりや、安心感・心の余裕を持てること、経済的なゆとり、生活の様々な活動のバランスがとれていることが大きく寄与すると考えます。

NECでは、AIなどのデータ分析技術を効果的に活用し、これまで感覚的にとらえていたWell-Beingに対して、常識にとらわれない示唆や一定の確からしさをもって、向上施策の検討を進めてまいります。
より詳しい情報やエリア別の調査結果、分析支援などご興味ありましたら、以下よりお問い合わせください。

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