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NEC、Green x Digitalコンソーシアムの仮想サプライチェーン上におけるCO2データ連携実証実験に参画

~32社共同実証、サプライチェーンCO2データ見える化に貢献~

2023年8月4日
日本電気株式会社

NECは、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA:代表理事/会長 小島 啓二)が事務局を務めるGreen x Digitalコンソーシアム(読み:グリーン カケル デジタル コンソーシアム)の見える化ワーキンググループ(以下「見える化WG」)に参画し、サプライチェーンCO2データ(注1)見える化の実現に向け、仮想サプライチェーン上でCO2データ連携を行う実証実験に成功しました。本実証実験は32社による共同実証であり、グローバルレベルで業界横断的にCO2データ交換を実現することを視野に入れた日本では初めての試みです。
本実証の成功は、同コンソーシアムが策定したCO2データ算定方法と技術仕様の社会実装を後押しし、サプライチェーンCO2データ見える化に大きく貢献します。

背景

Green x Digitalコンソーシアムは、環境関連分野のデジタル化や新たなビジネスモデルの創出などの取り組みを通じて、2050年カーボンニュートラルの実現に寄与することを目的に、2021年10月に設立され、会員数は151社(2023年5月26日時点)まで広がっています。サプライチェーンにおけるCO2排出量の可視化や再生可能エネルギー導入などをテーマに会員間の共創促進を図る活動を展開しており、その中の見える化WG(主査 稲垣 孝一、NEC 環境・品質統括部)ではCDP(Carbon Disclosure Project)やTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)などでも提出を求められるようになった、GHGプロトコルのScope3の算定において、「サプライヤーの削減努力が反映されない」といった業界横断の課題に対し、サプライヤーからの一次データを直接活用するためのルールとデータ連携仕様を定める活動を行っています。本実証実験はその一環の取り組みとなります。

実証実験について

本実証実験は2つのフェーズから構成されています。今回の実証実験は、2023年1月に成功したCO2データ連携を異なるソリューション間で実証する「フェーズ1」に続けて行われ、「フェーズ2」と位置付けています。フェーズ2では、同コンソーシアムより32社が参画し、ソリューションユーザによるCO2データの算定実務も含めた検証を行いました。具体的には、素材・加工材・製品から成る3層の仮想サプライチェーン上で、同コンソーシアムの見える化WGで策定した「CO2可視化フレームワーク」及び「データ連携のための技術仕様」(注2)を用いてCO2データの算定並びに連携を実施しました。これらのフレームワークと仕様は、サプライチェーンのグローバル性を鑑み、先行する国際的な枠組みであるWBCSD PACT: Partnership for Carbon Transparency(注3)の取り組みに立脚して策定しています。

また、フェーズ2の成果として、サプライチェーン上の複数企業群が異なるCO2データ見える化ソリューションを使用した場合であっても、共通の方法とフォーマット、いわば共通言語を用いてCO2データを算定し、複数のソリューションが連携することよりサプライチェーンの上流から下流までCO2データを受け渡すことが可能であることを実証しました。これにより、今回使用した「CO2可視化フレームワーク」及び「データ連携のための技術仕様」が普及することで、サプライチェーンCO2データの見える化の早期実現に繋がることが期待されます。

NECは本実証実験において、ソリューション提供企業とユーザー企業の両方の立場で実証へ参画しました。ソリューション提供企業の立場としては、他社ソリューションとのデータ連携モジュールを開発することで、仮想サプライチェーン上で上流および下流に位置する企業へのデータ連携を実現しました。ユーザー企業の立場としては、NECプラットフォームズ掛川事業所の製造ラインにおいて、IoTを実現するソフトウェア製品群である「CONNEXIVE」(注4)を活用し、IoTセンサーを用いて製造プロセスで実際に消費する電力量を計測・収集し実証に利用しました。さらにNEC独自の取り組みとして、セキュリティサービスである「NEC IoT System Security Lifecycle Services」(注5)を活用し、収集した消費電力量データが改ざんされていないことを表す真正性(注6)を担保する仕組みを導入しました。これは、収集した消費電力量データがサプライチェーンで共有されるCO2排出量に変換されることを念頭に、サプライチェーンに共有するCO2排出量の値の正しさの確保に向けて、消費電力量データの取得からソリューションへの入力までの間で値の正しさを保証する試みです。これらの活動により、現行の「CO2可視化フレームワーク」及び「データ連携のための技術仕様」の高度化に必要な知見の獲得と、本コンソーシアムへの取り組みに貢献しています。

今後の展開

本コンソーシアムでは今後、実証実験の中で得られた知見をもとに、グローバルレベルでの相互運用性を確保しつつより多くの企業にとって利用しやすい先進的な取り組みとして、「CO2可視化フレームワーク」と「データ連携のための技術仕様」のアップデートを進めます。そのため、先行する国際的な枠組みであるWBCSD PACTとの連携も強化して参ります。

NECは環境パフォーマンス管理ソリューション「GreenGlobeX」やPLMソリューション「Obbligato」などを提供しています。また、IoTを実現するソフトウェア製品群である「CONNEXIVE」およびセキュリティサービス「NEC IoT System Security Lifecycle Services」を活用したデータトラストのソリューションを展開しています。
NECは、引き続き見える化WGの主査及びメンバーの一員として、複雑なサプライチェーン排出量の可視化や連携の実現の一助となるよう、本コンソーシアムに取り組んでいきます。また、本実証で得られた知見を織り込んだソリューション開発やサービス提供を進め、日本及び世界での気候変動の取り組み推進に貢献していきます。

以上

  • (注1)
    CO2データについて
    本プレスリリースにおいては、IPCCが定める温室効果ガス排出量(GHG排出量)のCO2等価量(kg-CO2 e等と表記される)を指す。二酸化炭素以外の温室効果ガスを含む。
  • (注2)
    「CO2可視化フレームワーク」及び「データ連携のための技術仕様」について
    サプライヤー企業の削減努力を反映した一次データに基づくCO2データの流通の実現を目的に、デジタル技術を活用してサプライチェーン内で交換されるCO2データについて、算定ならびに共有ルールを提示する方法論文書「CO2可視化フレームワーク」と、共通データフォーマットと連携仕様を提示する技術文書「データ連携のための技術仕様」。双方、国際的な枠組みであるWBCSD PACTによるPathfinder FrameworkならびにPathfinder Networkのアプローチを取り入れながら、参加企業のニーズや国内制度等を踏まえた独自の要素も含む。
    CO2可視化フレームワーク:
    PDFhttps://www.gxdc.jp/pdf/CO2_VisualizationFrameworkEdition_1.0.pdf
    データ連携のための技術仕様:
    PDFhttps://www.gxdc.jp/pdf/data01.pdf
  • (注3)
    WBCSD PACT: Partnership for Carbon Transparencyについて
    WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は、持続可能な開発を目指す企業約200社のCEO連合体。GHGプロトコルの主催団体。Partnership for Carbon Transparency (PACT) は、WBCSDの下、バリューチェーンにおける排出量の透明性を高めて脱炭素化を加速することを目的として活動。排出量データ交換に必要な方法論と技術仕様を定義し、Pathfinder FrameworkならびにPathfinder Network Technical Specificationsとして公表中。Green x Digitalコンソーシアムは、PACTのエコシステムに参画。Webサイト:new windowhttps://www.carbon-transparency.com/
  • (注4)
    CONNEXIVEについて
    詳細は以下の製品サイトをご覧ください。
    https://jpn.nec.com/connexive/index.html
  • (注5)
    NEC IoT System Security Lifecycle Servicesについて
    詳細は以下の製品サイトをご覧ください。
    https://jpn.nec.com/iot/platform/security/iotssls/index.html
  • (注6)
    真正性について
    デバイスが正しくなりすましが無いこと、データがその機器から発生したこと(本人性、出自証明)、データが改ざんされていないこと(非改ざん性)、データがその時刻に存在したこと(存在性)を表します。今回の実証実験では本人性、非改ざん性を担保しています。

Green x Digitalコンソーシアムについて

実証フェーズ2最終報告書

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC 環境・品質統括部
E-Mail:info@eco.jp.nec.com

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誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。
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