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NEC Analytics Challenge Cup for Business Idea 2023
開催期間:2023年8月15日〜9月15日(最終審査会:2023年10月13日)
AIの社会実装・活用が急速に進むなか、AI・データを活用してビジネス課題を解決し、新たな価値を創造するデータサイエンティストの育成が急務である。「NEC Analytics Challenge Cup for Business Idea」は、データサイエンティストに必要な「ビジネス力向上」および「イノベーション創出」を目的としている。
2023年8月15日~9月15日に開催した「NEC Analytics Challenge Cup for Business Idea 2023」では、ChatGPTなどの「LLM(大規模言語モデル)」をテーマにしたアイデア企画コンテストを開催。NECアカデミー for AIの連携企業・大学、AI・データアナリティクスコミュニティ参加企業から46チーム(総勢91名)がエントリー、23チームが最終提出に至り、AI・データを活用した新しいサービス企画とそのビジネス価値を競い合った。
アイデア企画コンテスト
「LLM(大規模言語モデル)」を活用した新しいサービスのビジネスアイデアを企画書にまとめ、そのビジネス価値を競う「アイデア企画コンテスト」では、最優秀賞に滋賀大学大学院 戸簾 隼人さんの「重度認知症患者向け介護支援LLMデータロボCo-Chappie」が輝いた。
最優秀賞:
“重度認知症患者向け 介護支援LLMデータロボ Co-Chappie”
滋賀大学大学院 データサイエンス研究科 戸簾 隼人さん
受賞コメント
最優秀賞受賞に心より感謝申し上げます。LLMを日常的に使用し、生まれたアイデアが多くの方から共感を得られたことは私の自信にも繋がりました。提案内容だけでなく、教育機関やVRでの利用も視野に入れ、研究・努力を重ねていこうと思います。
審査員コメント
方向性に疑いはなく、認知症患者などへのコミュニケーションの相手としてのLLMは介護の負担軽減等期待できると感じました。また、社会課題をテーマに、競合調査・ロードマップの検討までされている点が素晴らしいと思いますし、高齢化社会を迎える日本で喫緊の課題に対してご検討いただき非常に勉強になりました。先行する AI ロボも進化・低価格化を目指すなか、どういった UX ならば参入価値が出せそうか、認知症患者に受入られるか、が争点でしょうか。
優秀賞 ”想い出をアロマに変換するサービス”
日本電気株式会社 入江田 大輝さん
受賞コメント
優秀賞にご選出いただきありがとうございます。嗅覚とAIを掛け合わせてみたいなぁという発想から今回の企画に至りました。他の方々の発表も自分では思いつかない素敵なものばかりで、LLMの可能性を改めて感じることができました。
審査員コメント
アロマのブレンドまでLLMができるのは驚きですね。思い出をアロマに変換するという発想が非常にユニークだと思いますし、思い出の文章からアロマの配合をAIが生成する事で思い出が彩られるので良いと思いました。敢えて 「AI が分析しました」 と言うと 2023 年頃の想い出としても面白そうです。
優秀賞 “幸せに気をつかおう!会話を通して本音を引き出し、個人のデータと福利厚生からおすすめの行動プランを提案するサービス”
NECネクサソリューションズ株式会社 濃野 清子さん、北田 成美さん、佐藤 潤さん、藤森 叶子さん、本田 浩之さん
受賞コメント
優秀賞に選出いただきありがとうございます。LLMが得意とする自然な会話を通して、自分のため、大切な人のための時間を過ごすきっかけとなるような、一人一人の“今”に寄り添ったサービスを作りたいと考えました。今回、このような評価いただけたこと大変嬉しく思います。また、ご協力いただいた皆さまには感謝の思いでいっぱいです。
審査員コメント
業務データからエンゲージメント向上の施策を提示してくれるのは面白いと感じました。客観的に自分を見て、サービスを推薦してくれるのは嬉しいですし、定型サービスであればお得に利用できるウェルビーイングが向上しそうに思います。単にお勧めの行動プランを提示するにとどまらず、会話をするようにフォローして寄り添えるといいかもしれません。プライバシーの配慮・個人情報の扱いは要検討でしょうか。
入賞 ” 煌めく瞬間、あなただけの物語”
日本電気株式会社 五十嵐 雄大さん
受賞コメント
前回に続いて個人参加し、今回も入賞をいただけたことは大変光栄です。予てより抱いていた、「『あはれなり』な感情を言葉にしたい」という思いから今回の企画を考えました。AIによって、言葉にしにくい人間の繊細な感情・自身の価値観をはっきりとしてあげられるとよいなと思います。
審査員コメント
「「あはれなり」を生成する」が素敵だと思いました。単なる脚本テキストの生成だけに留まらない点が楽しく、感情を言葉に変える、表現することは人間ではなかなか難しいので便利な使い方であると思いました。企業のお客様参加型CMなどに活用できる可能性を感じましたし、「自分だけの物語の生成」は、昨今の生成AIならではだと思います。動画だけでなく是非BGMも生成してほしいですね。
入賞 ”二番目の上司”
NECフィールディング株式会社 向井 和範さん
受賞コメント
今回の企画は「エンゲージメント向上」をテーマにしました。アイデアをまとめるにあたり、LLMをはじめ新たに学ぶことが多く、楽しく参加できました。プレゼンテーションという貴重な機会までいただき、本当にありがとうございました。
審査員コメント
上司に直接じゃなくボットに相談できるのは心理的な負担が軽減されて良いと思いましたし、「このサービス欲しい!」と共感された方も多いのではないでしょうか。視座が足りず理解できないこと、情報が足らず理解できなかったことなどが「二番目の上司」によって理解できるようになれば、自分の業務に対しても、組織に対しても、愛が深まりそうです。
入賞 ” AIで紡ぐ永遠の愛 ~AI(愛)とデータで最高のブライダルを~”
株式会社静岡情報処理センター 風間 純さん、東京海上日動火災保険株式会社 安原 美里さん、株式会社スカイウイル 真木 英志さん、日本電気株式会社 志村 典孝さん
受賞コメント
とても楽しかったです!実は企画の裏側でもLLMを使いました。アイデア出し・ライティング・壁打ち・評価など、5人目のメンバーとして大活躍でした!良い経験になりました。
審査員コメント
様々な情報からウェディングプランを提案してくれるのは面白いと感じました。自分達らしさを踏まえて何をやりたいか、悩む場面が多いと思います。アイデアの幅を広げたり、具体化したりするところでLLMは大きく役立ちそうです。一方で、ウェディングプランナーの負担軽減として効果がありそうな反面、特別な結婚式を望む利用者にとっては「趣味嗜好の似た前例に近いパターンに押し込められる」と感じる可能性もありそうです。位置づけをうまく考えて活用できるといいかもしれません。
入賞 ” 緊急通報(110,119等)のSNS対応及び通信指令員の省力化対応”
NEC航空宇宙システム株式会社 柴田 憲文さん
受賞コメント
この度は、発表できる機会を頂きありがとうございました。なぜ「110番119番は音声なのか?」という疑問から始まり、今ならGPT-4などのLLMを使って省力化して通信指令員の負担を減らし、SNS化して利用者の利便性も向上できると考えました。全国民が利用者である緊急通報だからこそ、課題を解決して実現すべきだと考えます。
審査員コメント
文字と音声とでのサポートで、人の監視もあり、素晴らしいと思いました。このような仕組みにより、「些細な事でも心配があればまずは気軽に相談できる」状態になれば、多くの人の安心・安全に繋がりそうです。一報、緊急通報というシビアな場面で、どれくらいの精度やレスポンスが求められるのかによって生成 AI が適切かを見極める必要がありそうに思います。継続的に検討したいテーマと考えます。
まとめ
カンファレンス(最終審査会)では、上位入賞チームが検討した企画書を発表し、NEC コーポレート事業開発部門 プロフェッショナル 山本 直志さん、NEC Generative AI Hub上席プロフェッショナル 佐藤 優理さん、NEC コーポレートIT・デジタル部門 ディレクター 川戸 勝史さん、NEC Generative AI Hubプロフェッショナル 世良 拓也さんが審査員を務め、「事業性」「革新性」「LLM活用度」「完成度」の4指標による審査員の配点と、聴衆票の配点の合算で審査が行われた。
コンテストの締めくくりでは、審査員から「LLMの技術的な特徴を活かし、ユーザにどのような価値を提供するかを考えていただいて非常に良かった」「LLMは成果を捉えるのが難しい部分があり、ビジネス的に考えた際、”何を評価するのか”という部分を是非ご検討いただけると嬉しい」「それぞれ光るものがあり、是非継続してブラッシュアップいただきたい」「聴衆の皆様も今回のアイデアをいい形で持って帰って頂き、ご自身のビジネスにつなげていただきたい」など温かいコメントが送られた。
開催概要
イベント名 | NEC Analytics Challenge Cup for Business Idea 2023 |
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主催 | NEC AI・アナリティクス統括部 AI人材育成グループ |
スケジュール | エントリー期間:2023年6月19日(月)~7月21日(金) コンテスト期間:2023年8月15日(月)~9月15日(金) 審査・表彰:2023年10月13日(金) |
参加対象 | NECアカデミー for AIの連携企業、AIデータアナリティクスコミュニティ参加企業・大学、NECグループ社員 |
会場 | オンライン開催 |