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インタビュー
2024年3月25日
将来の健康リスクをAIで可視化
誰も病気にならない未来を目指す

血中タンパク質測定×データ解析・シミュレーション技術を駆使し、現在の健康状態と将来の疾病リスクを可視化する「フォーネスビジュアス」。NECグループのフォーネスライフ社が提供するこのサービスの海外展開に向けて積極的に取り組むチームがあります。医療環境に限らず言語、文化、生活・商習慣も異なる国にアプローチして関係を築く大変さと、新事業だからこそのやりがいとは――。奮闘を続ける2人に聞きました。
NECグループから生まれた革新的な技術を世界へ
―これまでのお二人の経歴を教えてください。
伊原 新卒で入社してからヘルスケア領域に携わり、電子カルテシステムの企画を長く担当していました。現在は、フォーネスビジュアスを海外に展開するための現地調査、交渉などを主に担当しています。
キョウ 治験の運用を手がける外資系企業を経てNECに入社しました。伊原さんと同じチームで海外展開の業務に携わり、オペレーション全般のマネジメントを担当しています。1つずつ乗り越えながら、お客さまの満足度向上に貢献したいと考えています。
―「フォーネスビジュアス」とはどのようなサービスなのでしょうか。
伊原 少量の血液から将来かかるリスクの高い疾患を予測する検査です。結果をもとに生活習慣の改善提案などを行うことで、誰も病気にならない未来、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指しています。日本国内でのサービスはすでに提供を始めています。
キョウ フォーネスビジュアスでは血中タンパク質を検査します。血中タンパク質は生活習慣によって構成割合が変化するため、測定により現在の健康状態を把握できます。血中タンパク質の測定技術と、NECグループのICT・AIの技術をかけ合わせることで、高い精度で将来の健康リスクを可視化できるサービスになります。
NECのICT・AIの技術力があってこそ
―フォーネスビジュアスの強みや特徴は何でしょうか。

伊原 血中タンパク質を検査対象にしている点です。血中タンパク質は、半年も経てばすべて変化するといわれていますので、検査結果が思わしくなくても、生活習慣の改善に取り組めば次の検査で結果が大きく変わるかもしれません。検査結果を見ながら行動変容を促し、病気のリスクを減らせることが1番の特徴です。
キョウ 検査結果の見える化、つまりリスクを可視化することが重要だと考えています。可視化されたデータをもとに、一人ひとりの生活習慣を見直しながら、健康維持につなげることができるからです。病気のない世界を実現するために、NECが持つ高い技術力は強みであり、欠かせないものです。
―この事業に携わろうと思ったきっかけは何ですか。
伊原 育児休暇から復帰したとき、上司から国内で提供しているフォーネスビジュアスを海外展開する構想を聞きました。海外企業とのアライアンスにとどまらず、相手国を根本的に理解することでチャンスが広がるかもしれない。そこに可能性とやりがいを感じ、挑戦を決意しました。
キョウ 私は同世代の友人が大病を患ったことをきっかけに、ヘルスケアに興味を持つようになりました。未来の疾病を予想できる血液検査から生活習慣の改善まで、トータルでサポートできるサービスは今までにないものです。そして、平均寿命だけでなく、健康寿命を延ばすという観点でも、このサービスは大きな可能性を秘めていると感じました。ここで、自分のキャリアを生かしたいと強く思ったのです。
ゼロから1をつくる大変さとやりがい
―海外展開を進めるうえで、苦労されていることは何でしょうか。

キョウ 海外のベンダーは、支払い条件などが日本企業とは違います。最初は情報がまったくなかったので、ノウハウの蓄積にとても苦労しました。ただ、ゼロからつくる新規事業は、自分で方向性を決められるということでもあります。それぞれの国の違いを理解しながらアプローチするところにやりがいを日々実感しています。
伊原 正解もガイドラインもなく、相手はまったく異なる文化を持っているので、苦労は絶えません。でも、それがおもしろいところでもあります。契約の話がまったく進まず、途方に暮れたこともありましたが、時間をかけて信頼関係を築いていくことを、最近は楽しく感じています。現在、APAC諸国への展開を進め、香港では契約をいただきました。想定外のことに直面しても、臨機応変に立ち回ることのできる人に向く現場だと思います。
―フォーネスビジュアスは海外の方にどのような印象を持たれていますか。
伊原 日本の医療技術の高さは海外でもよく知られていますし、日本発のサービスということに安心感を持っていただいています。健康診断などの制度が整い、平均寿命も長い日本の印象が、私たちが提供するフォーネスビジュアス検査とリンクするのかもしれません。手応えは感じていますし、社内での期待に応えなければいけないと思っています。取り組みは始まったばかりですが、海外の現地医療機関などと提携したり、健康意識の高い海外富裕層にアプローチしたりすることで、2024年度は検査数を飛躍的に伸ばしたいと考えています。
―最後に、この事業を通して成し遂げたいビジョンを聞かせてください。
キョウ NECのAIの力で、世界の人々の健康寿命を延ばすことに貢献したいですね。各国のニーズを調査しながら、一つひとつのプロジェクトを積み上げていきたいと思います。
伊原 フォーネスビジュアスは医療費削減につながる可能性も秘めています。みなさんが健康になることで医療費を抑えて、成長に投資できる社会の実現に貢献したいですね。
学生時代は工学博士の元で“感性”の研究をしていました。NECに新卒入社後は電子カルテシステム企画の他、ユーザ会、国内外allianceなどに従事、2023年 度から本事業に携わっています。家族でキャンプと、夜中(しか弾けないので)のピアノ演奏が趣味です。

ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門
ライフスタイルサポート統括部
プロテオミクスグループ
伊原 未紗さん
学生時代横浜国立大学に交換留学し、日本文化を研究しました。臨床治験の運営を手がける外資系の会社に勤務後、2023年にNECに中途採用として入社。学生時代に描いた水墨画が、中国の大学に飾ってあることが自慢です。

ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門
ライフスタイルサポート統括部
プロテオミクスグループ
キョウ エイさん
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