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インタビュー

2023年3月24日

営業出身者が挑む
ASEAN地域の新しいヘルスケア事業

ASEAN地域のヘルスケアを中心とした複数のプロジェクトを同時に進めるインキュベーショングループ。この大きなチャレンジに対して、時に高いハードルを感じながらも意欲的に取り組んでいるのが営業出身の大熊さんと吉富さんです。海外現地法人やスタートアップ、国内外の研究所メンバーなどを巻き込みながら進めているプロジェクトについて語りました。

アジア新興国・地域が抱えるヘルスケアの課題解決を目指す

―インキュベーショングループの業務について教えてください。

大熊 ASEAN地域のヘルスケアを中心とした事業開発を進めています。インキュベーショングループには現在、薬局を起点としたプライマリヘルスケア、介護施設のDX化・デジタル化、理学療法士のリハビリオペレーションDX化と大きく3つのプロジェクトがあります。これらの全体の戦略立案と、自分がリーダーであるリハビリ施設のプロジェクトの推進を担っています。

吉富 私も大熊さんと同じグループで、薬局を起点としたプライマリヘルスケアのプロジェクトリーダーを務めています。タイを起点に、インドネシア等他のASEAN諸国も対象としています。

―具体的にどのようなことをしていますか。

吉富 病気の初期段階での医療を、薬局の力や遠隔診療を活用して向上することで、市民の健康向上と社会全体の医療費を最適化することを目指しています。
タイでは公的病院が少なく常に混雑していますし、私立病院は高額で利用できる人が限られています。また、初期段階での医療が適切に受けられないことが結果的に病気の重症化や慢性疾患の増加に繋がっています。
高齢化が進むなかで人材不足や医療格差の拡大も進行しているため、薬局でも医療処置を担えるような仕組みづくりを目指しています。

大熊 リハビリのプロジェクトでは、不足している理学療法士のスキルを補う機能や患者とのコミュニケーション支援から市場に参入し、将来的には理学療法士がいなくても適切なリハビリができるソリューション開発の検討を進めています。いずれのプロジェクトにおいても一次医療、プライマリーケアと呼ぶ領域で、適切な処置を手軽に受けられるサービスをエンドツーエンドで提供し、医療リソース負担の軽減に貢献したいと考えています。

―インキュベーショングループでヘルスケア関連の新事業開発に取り組むまでに、どのような職歴をお持ちですか。

大熊 総合商社の子会社で海外製品を取り扱い、グローバルなビジネスの面白さを感じていたときに、NECの海外営業の募集を見つけて転職しました。NECに入社してからはドバイに4年半駐在し、セーファーシティ向けのソリューションや通信機器を政府や通信事業者に向けて営業していました。2019年から新事業開発も兼務で始め、2021年から現部署の業務に取り組んでいます。

吉富 私は新卒でNECに入社してから、食品卸業や流通業を対象にした国内営業を担当していました。新事業開発の部署には、2017年に異動しました。

培った営業経験を新事業開発でも役立てる

―新事業開発に携わるきっかけを聞かせてください。

大熊 ドバイに駐在していたときに、当時の帰国時所属となる部署の本部長から「NECでエビの養殖をやっている」という話を聞きました。それに「面白いですね」と答えたところ、新事業開発に興味を持っていると思われてしまったようです。(笑)

吉富 大学の社会福祉学科で学んだこともあり、NECに就職してからもいつかは人の役に立つサービスをつくりたいと思っていました。新事業開発の業務研修があり、社会への貢献を実現するチャンスだと感じて応募したことがきっかけです。

―新しい仕事にチャレンジをする期待や不安はどのように感じていましたか。

吉富 営業出身者が新事業開発で通用するのか、とても不安はありました。でも、研修がしっかりしていたので安心感がありましたね。もちろん、新しいキャリアのスタートになる期待も抱いていました。

大熊 海外で仕事を続けたいという思いがありましたし、海外の現地経験を使って新事業開発の領域で挑戦できることにポジティブな思いがありました。でも、何をやったらよいかはその時点ではアイデアもなく、不安に感じることもありました。

―営業時代の経験は新事業開発で役に立っていますか。

大熊 海外での仕事という意味では、お客さまと話して現状を把握したり、ネットワークをつくっていろいろな人とコミュニケーションを取ったりすることで形を作り上げていくことは、営業でも新事業開発でもあまり変わりはありません。経験は役に立っていると思います。

吉富 営業を7年やってきたので、NECがどのような事業を行い、どのようなお客さまに価値を届けてきたかを現場の実感として知っています。それまでの経験は、具体的なアイデアを考えるときに役立っています。

多くの人たちとチームで事業をつくる面白さ

―これまでの仕事との違いや、面白さを教えてください。

吉富 言葉のハードルが一番の違いです。タイだと英語も通じづらく、タイ語でしかコミュニケーションが取れない企業も多いです。英語は異動後に一生懸命勉強しましたが、現地のスタートアップのメンバーに英語からタイ語に翻訳してもらいながら、説明したりしています。もう1つはNECの知名度の差です。日本では会社紹介をしなくても「ああ、NECさんね」とある程度理解してもらえていましたが、タイではそういう認識や理解は多くありません。

大熊 新事業開発は、業務を積み重ねることで形になっていくことが多いので、進捗が見えやすいのは1つのやり甲斐です。また、最初のアイデアは1人で考えたとしても、その後は社内外で仲間をつくりながらできることが増えてくるのは面白いです。

吉富 同感です。いろいろな人を巻き込んで、自分のアイデアを形にしていけるところが面白いところですね。グローバルの拠点や国内外の研究所メンバーとも交流しながら、いろいろな力を使って仕事を進められるのが楽しいところです。

―チャレンジだと感じる点はありますか。

吉富 営業時代はお客さまの課題を聞き、その解決策を提案していました。今は、まずこういう課題があるだろうという仮説を立てるところから始めます。そうした新事業開発の手法を、実践しながら学んでいます。

大熊 そもそもASEANでNECがヘルスケア事業を立ち上げること自体のハードルが高く、チャレンジだと感じています。まずは社内外と連携し、スモールスタートでもよいので、サービスを早期に立ち上げることを目指しています。

―新事業開発で実現したい夢があったら教えてください。

大熊 新事業は失敗がつきものですが、事業としては、手掛けているプロジェクトを早くスタートさせて収益化できる状態に持っていき、その上でサステナブルに続けていけるようにしたいと思っています。私個人の思いとしては、「海外で」「今までにNECが実現できていない」新しい事業の立ち上げを通じ、グローバル社会に貢献できればと考えています。

吉富 社会課題を抱えている人、困っている人を、自分が考えたサービスで助けたい。それだけに、課題を解決できる新事業を早く世に出したいと思います。幸いにしてNECの新事業開発には様々なバックグラウンドをもつ方がいて、必要な時にはサポートをしていただけます。またNECのグループ会社には、シリコンバレーのスタートアップエコシステムの中で新事業を創出するNEC Xもあります。日本の大企業ではまだ少ないその知見があるからこそ、私たちの新しいチャレンジも後押ししてもらえると信じています。

総合商社子会社での海外製品営業勤務を経て、海外営業としてNEC入社。ASEAN諸国をターゲットとした新規事業開発を担当。趣味はクロスバイク、子どもとのバス旅。

事業開発統括部 インキュベーショングループ
大熊 一慶さん

大学卒業後、国内営業としてNEC入社。自身の希望で新規事業開発部門に異動し、様々な領域での事業開発を担当。趣味は子どもと一緒にお菓子作り。最近はアイシングクッキーに挑戦中。

事業開発統括部 インキュベーショングループ
吉富 久美子さん

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