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携帯電話 N701iECO
ケナフ繊維強化バイオプラスチックでつくられた携帯電話 N701iECOのデザイン開発をご紹介します。
デザインのポイント
- 材料の特性を生かしたデザイン
- ユーザーに「必要とされる」製品づくり
- 環境保全への理解を促すデザイン

ケナフ繊維強化バイオプラスチックの色彩開発
携帯電話のカラーリングは売り上げを大きく作用する一つの要因です。たとえば「白」一色でも雪のような白からクリーム色がかった白まで、何通りものサンプルを作り、関連部門と検討を重ねます。
N701iECOの色彩は携帯電話では珍しい和紙のような風合いと、一見エコとは感じさせないピンクが特徴です。環境問題に関心を持つお客様はもちろんですが、そうでないお客様にも広くエコを訴求できるよう開発が行われました。

濃い色は繊維が入っていることが認識できない。そのため、ケナフ繊維の模様を生かし、色彩としての美しさを損なわないように繊維の含有量も検討された。
ケナフ繊維強化バイオプラスチックの色彩開発

モバイルターミナル事業部
業務内容プリインストールコンテンツ企画
マネージャー
森山 祐助

N701iECOの開発は、2005年「愛・地球博」の(株)NTTドコモ様ブースの連絡用端末としてケナフ繊維強化バイオプラスチックが採用されたことをきっかけに実現しました。
同じ外観を持つ携帯電話 N701i(白、黒、水色、朱)と差異化し、エコのメッセージを際立たせるために、当初は自然を感じさせるベージュ系とグリーン系の提案がされました。ところが検討を重ねていくうちに「エコだから買う、というお客様は少ない。売れないものを作るのは最も環境に悪いのでは?」との意見が台頭してきました。そして、メーカ主体の頭でっかちなエコはやめて、「気に入って買ったらエコだった」というように、エコに関心のないお客様にも広く訴求できる色彩で再検討することになりました。
着目したのは「Nのピンク」です。売り場でも定評があるこの色は、環境に関心を持ちながらも自分の快適なライフスタイルを追求するロハスといわれる女性に訴求できる色彩となりました。今後の携帯電話の環境対応としては小型化、スリム化やバッテリー開発などがテーマとしてあげられます。今後の開発にご期待ください。

NECデザイン&プロモーション株式会社
デザイン事業本部
プロダクトデザイン部
クリエイティブマネージャー
山内 賢一
デザインのポイントは「Nのピンク」としての商品のまとめ方でした。本体の材料であるケナフ繊維強化バイオプラスチックは、繊細な色彩のコントロールができません。従って、その本体に組み込まれるLCDスクリーンやキー等の部品の色や仕上げを丹念に検討しながらデザイン全体のバランスとることが必要です。そうすることで、これまでの塗装仕様の携帯電話と同等のデザインクオリティを再現しました。また、バイオプラスチックの含有率を90%という高い割合で実用化したことへの高い評価と共に一般女性からも予想を上回る反響があり、広くお客様にエコのコンセプトを訴求できたと思います。