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ネットワーク複合機 MULTINA αシリーズ
高齢者・障がいのあるかたにも、一般ユーザーにも使いやすい配慮が数多くなされたオフィス用デジタル複合機です。2003年にミノルタ社(現コニカミノルタ)と共同開発しました。ネットワーク複合機は、北米やヨーロッパにも市場を持つグローバルな商品です。UDに配慮した商品開発を目指し、開発者のUD教育からスタートしました。障がいのあるかたを含む多様なユーザーにヒアリングを実施し、きめ細かな配慮をしています。米国のリハビリテーション法508条にも対応しています。

UD配慮のポイント
利用するうえでの柔軟性
- 操作パネルの高さが抑えられ、車いすなどの座位でも操作できる。
- 操作画面や表示文字が大きく読みやすく、色彩コントラストにも配慮。
- 用紙トレイのハンドルには上からでも下からでも手がかけられ、弱い力でも用紙トレイを引き出すことができる。
- 操作ボタンは縁がはっきりして触知しやすく、スティックなどの自助具でも押しやすい形状になっている。テンキーの「5」のボタン中央に凸点をつけた。
- ユーザー補助機能はユーザーの個人ニーズに合わせて、画面の白黒反転 、反応音の音量調節 、キーリピート設定、オートリセットまでの時間 、受付完了時間の延長などが設定できる。
- 用紙サイズなどの表示は大きく、コントラストも高くて見やすい。
- LANやPCに外部接続し、自席のパソコンで操作設定が可能。これにより、様々な障がいのあるかたが自分にあった支援技術を導入したパソコンを使って、細かい設定操作などができる。
- トナーカートリッジは正面から交換でき、弱い力でも簡単に正しくセットできるように工夫されている。交換の仕方がわかりやすいよう、説明イラストも改善。
- 自動原稿送り部分は上まではねあがらずに、途中でいったん止まるので、背の低いかたや手のあがらないかたも手をかけて操作することができる。
操作のしやすさ
- 排紙の取り出しやすさ、用紙カセットの機構、ジャム処理の手順、自動原稿給紙部の用紙ガイド、スキャナ部ガラス面、各部位の表示、開閉部の取っ手など、多くの部分を使いやすく改善。

操作ボタン

表示モード


開発プロセス
ユーザー情報の理解と把握
UD教育
UDの概念や米国のリハビリテーション法508条について内容の理解を目的として、責任者やプロジェクトリーダー、および担当者への事前教育を実施しました。

現行機の理解、対象ユーザーの意識・状況理解
開発者が、視覚障がいや肢体不自由、スティックの使用などをシミュレーションしながら現行機のバリアを自ら発見するプロセスです。複数人のグループでシミュレーションを行いながら問題点を確認し、同時に解決案の検討も行いました。

対象ユーザーの意識・状況理解
障がいのあるかたに、実際に現行機を使用していただき、問題点を確認しました。



目標の明確化
- コピーやファックス、メンテナンス操作など基本となる10のタスクを抽出しました。その上で個々のタスクを操作の意味や手順ごとに細分化し、それぞれに重要度のレベルを設定しました。

設計による解決
タスクの重要度と抽出された問題点から、検討した改善方法を反映させたプロトタイプ(試作機)を製作しました。

ユーザー評価
現行機評価でバリアの多かったユーザ層を中心に、前回と同じ10タスクのユーザ評価を実施しています。現行機とプロトタイプ(試作機)を実際に操作してもらい、比較しながら複数の解決案について評価・改善点の効果を確認しました。同時に、新たなバリアの有無などをチェックしました。
試作機のユーザ評価で、有効だった改善策、無効だった改善策、さらに発見されたバリアなどを詳細に検討しました。ここで、最終商品に向けての改善策をまとめています。


