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テレビ放送70年、NECの技術が支えた安全・安心 新時代システムは安定と挑戦の両立

年末年始はのんびりテレビ三昧という人も多いのではないでしょうか。2023年は、日本でテレビ放送が始まって70年の節目でした。テレビ放送の進化は、NECの技術の進化の歴史でもあります。社会の安全・安心を支えるテレビ放送を、より高品質により速く──テレビ放送とNECの二人三脚の歩みとこれからを、ご紹介します。

国民生活の向上・オリンピックのカラー中継…NECの技術が貢献

NECがテレビ開発を始めたのは、ベルリンオリンピックのテレビ中継が行われた1936年頃です。テレビ受像機の試作には成功したものの、戦争の拡大で開発は縮小しました。戦後、日本が独立を回復した翌年の1953年2月1日、NHKが東京地区でテレビジョンの本放送を始め、テレビの時代の幕を開けました。「テレビは国民生活全体の上に革命的とも申すべき大きな働きをもちます」。当時のNHK会長の言葉は現実のものとなります。

1940年、「世紀の科学展」でのNE式テレビジョン装置の公開実験

NECはこの頃にテレビ放送装置の国産化に成功し、全国のテレビ局に大量に納入することとなります。技術進展もリードし、例えば放送所の無人化では、1960年の山形放送の事例を皮切りに各放送所で続々と達成。無人化に必要とされた装置と、全体のシステムを安定される技術の両方をNECだからこその実現でした。ほかにも自動番組制御装置や小型軽量な中継装置など続々と開発し、日本のテレビ時代の黎明期を技術面から支えていきます。

カラー放送は1964年に開かれた東京オリンピックで一気に広まり、オリンピックの全国カラー中継を実現するため、NECは全国各地の放送局に多くのカラー放送装置を納入し、高い評価を得ました。当時は家電としてのテレビ生産も手掛けていましたが、放送の高度化とともに、NECは放送局側のシステムに注力して存在感を発揮していきます。

NHKに納入したカラー用スタジオカメラ
VHF 5kWテレビ放送機(山形放送無人化送信所内)

CMも緊急速報も時間通りに流す「放送の心臓部」、新システムに注目

カメラなどの機材からアナログ・デジタルの送信機など、取材・制作・送出・送信といったテレビ放送のあらゆる場面に、NECの世界クラスの技術が活かされています。中でも最近注目を集めているのが、新しいマスターシステム、その名も「IPマスターシステム」です。

マスターシステムは、番組やCMを時間通りに流したり、大きな事件や災害時に緊急報道番組に切り替えたりする役割を担い、テレビ放送の心臓部とも呼ばれています。

IP化では、これまでのSDI規格の信号を同軸ケーブルで伝送するシステムから、IPの規格・伝送に置き換えます。 近年、放送システムのIP化は世界的に進んでいますが、そもそもIP化するとどんなメリットがあるのでしょう。

IP化すると従来ほぼ専用機器で構成されていた設備が、汎用機器も多く使えるようになります。これによって、「新しいシステムやサービスを追加しやすくなる」ことが特長の一つです。汎用機器にすることで調達しやすくコスト削減効果も見込まれます。さらに、ケーブルや機器が減らせるため、省スペース・省電力化にもつながります。

「長距離・大容量の伝送がしやすい」IP化のもう一つの特長に加え、コスト削減分をコンテンツの充実に回せば、視聴者がよりよいコンテンツを受け取れることにもなります。

NECは2021年にテレビ東京系列の4局から次世代のIPマスターシステムを受注するなど、全国の放送局にIPシステムの納入を拡大しています。

「24時間365日止めない」安全・安心を守る使命感と技術

「マスターシステムは24時間365日止めないことが大前提です」と力を込めるのは、マスターシステム担当者。万が一、障害が発生した場合でも、放送を継続できるようなシステム構成の構築、迅速な障害対応、保守体制を構築してきました。「緊急地震速報がもし、きちんと画面に出なかったら、人命を奪うことになりかねない」という放送関係者のもつ危機感を、システムを提供する側も当事者として共有しています。

新しい技術を採り入れるのは放送局にとっても大きな決断です。安定だけを重視するなら現状維持でも当面はしのげますが、NECは積極的にIP化を提案しています。それは新しい技術を入れることが、長い目で見て安定につながる、つまり「これからも止まらないシステムであるために」という強い使命感があるからです。

テレビの黎明期から築いてきた信頼関係も大きな役割を果たしています。マスターシステムの更新はおよそ15年に1回ですが、その間もNECは4K放送や8K放送への対応など様々なアップデートに対応してきました。「アナログ時代から、より良い視聴者サービスを実現するための新技術追求や提供で放送局を支えてきた。NECのそういった姿勢や体制がお客様にも認めてもらっていると感じます」と、NECの営業担当者は話します。

メディア総合イベントInter BEE 2023に、NECは様々な放送ソリューションを出展した

国民の娯楽として安全安心を守るインフラとして、NECが支えてテレビ放送は成長してきました。そして今、放送局の変革や、新たなサービスの進化もNECの技術が支えています。「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」NECだからこそ担える役割なのかもしれません。

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