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国枝さんの挑戦「勇気もらった」「パラスポーツの礎」 現役引退にNECから感謝の声

「車いすテニスがスポーツと認知されたのは国枝さんのおかげ」「日本の誇りであり、NECグループの誇りです」。車いすテニス世界ランキング1位のまま現役を引退した国枝慎吾さん(38)が2月10日、応援への感謝と引退報告でNEC本社を訪れました。「誰もが夢を抱き挑戦できる環境づくり」を国枝さんとともにめざすNECグループ社員からは、たくさんの感謝のメッセージと、国枝さんの新たな一歩へのエールが届けられました。

車いすテニスサポート30年超 「世界のクニエダ」とNECの縁

「感動をありがとう! 国枝慎吾は最強だ!」 東京23区に朝から大雪警報が出ていた2月10日、NEC本社の正面玄関。この日来社する国枝さんを歓迎するため、各所の画面にメッセージが大きく映し出されました。リアルで国枝さんの姿を一目みようと多くの社員が詰めかけ、別の拠点勤務なのに、国枝さんのためにわざわざ本社にきたという社員も。「国枝さんの努力とプレーにずっと勇気をもらってきました。今日会えたのは一生の記念です」

国枝さん、車いすテニス、そしてNECの縁は長く、そして深いものがあります。国枝さんは11歳で車いすテニスと出会い、2001年に17歳でツアーデビュー。2009年には当時のパラアスリートとしては珍しい「プロ宣言」をします。その後、車いすテニス男子4大大会(グランドスラム)でシングルス28回、ダブルス22回優勝を果たしています。「車いすテニスをスポーツとして見てほしいとこだわりをもってきた」と国枝さん。

NECは30年以上車いすテニスを支援しており、1994年からは世界選手権に相当する「NEC車いすテニスマスターズ」を協賛。国枝さんはこの大会で3回優勝しています。引退報告で訪れた日も「ツアーに出始めた頃からどの大会にもNECのバナーがあった。海外をとびまわる中、大会でNECのロゴをみると元気をもらっていました」と振り返っています。

「誰もが夢を抱き挑戦できる環境を」 国枝さんにもエネルギーと刺激

2020年にNECは国枝さんとパートナー契約を結び、プロアスリート活動を支援し、ともに「挑戦」してきました。翌年、国枝さんがNECアスリートとして迎えた東京2020パラリンピックでは、3個目の金メダルを獲得。国枝さんにとっても「集大成」の大会となりました。

2022年8月には「NEC +CHALLENGE PROJECT」を発足。「スポーツを通じて、誰もが夢を抱き挑戦できる環境づくりに貢献したい」という思いを込めた、NECと国枝さん、堀米雄斗選手(スケートボード)、野中生萌選手(スポーツクライミング)、中西麻耶選手(陸上競技)の4人による共同プロジェクトです。発足会見で国枝さんは「車いすテニスをもっと広めたい。スポーツが希望を持つきっかけになれば嬉しい」と意気込みを語りました。

11月12日にはプロジェクト第一弾のイベントが、国枝さんの車いすテニスの原点となった吉田記念テニス研修センター(千葉県柏市)で行われ、国枝さんは特別講師として車いすテニス体験にチャレンジする子どもたちを熱血指導。子どもたちに勇気を与えただけでなく、国枝さん自身が「みんなのチャレンジする姿にエネルギーをもらった」と語っています。

引退した後も「これから自分が熱くなれるものを探していきたい」という国枝さん。NEC +CHALLENGE PROJECTについて、「刺激をもらえる、視野の広がる取り組み。これからの人生にも活きてくると思っています」と手ごたえを感じています。

200件超すメッセージ「これからも応援」「チャレンジは続く」

「誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す」というPurpose(存在意義)を掲げるNECグループの社員にとっては、国枝さんの挑戦を応援すること、そして国枝さんと一緒に挑戦できること、それは大きな誇りであり、励みとなっています。

国枝さんの来社前にメッセージを社内サイトで募集したところ、ごく短期間ながら寄せられたメッセージは200件以上にのぼりました。

──車いすテニスだけでなく、パラスポーツ全体の礎を築いた功績は素晴らしい! 本当にお疲れさまでした。(森田隆之社長)
──NECアスリートに国枝さんがいることはとても誇らしく、仕事で疲れた時に国枝選手の活躍記事を読むとエネルギーをもらいました。
──私も“最強だ”と自分を奮い立たせながら仕事や人生を戦っていきたいと思います。
──世間のパラスポーツへの認識が福祉からプロスポーツに変わった大きなきっかけが国枝さんだと思います。これからも応援しています。
──展示されているラケットの「俺は最強だ」のテーピングに、苦しい時こそ努力や己を信じる強い気持ちが大切だと改めて気づかされます。

寄せ書きにまとめて届けられたこれらのメッセージ一つ一つを、国枝さんは時に真剣に、時に笑顔で目を通しました。「こんなにたくさんの…本当に、ありがたいですね」。

詰めかけたNECグループ社員へのあいさつでは、国枝さんは「サポートありがとうございました!」と感謝を伝え、「これからも、ともに進んでいきましょう」と締めくくりました。国枝さんの挑戦、そしてNECグループの挑戦は、これからも続いていきます。