サイト内の現在位置

高専でNEC出前授業 未来のセキュリティ人材育成へNECの「実践的」教材も提供

サイバー攻撃の脅威が増す中、デジタル社会の安心と安全を守るサイバーセキュリティ人材の育成は日本全体にとって急務です。人材育成とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進はNECにとっても経営の柱の一つ。社内育成だけでなく、教育の資源を社外にも広げたい。NECはPurposeで掲げる社会価値創造への取り組みとして、高等専門学校(高専)にNECのノウハウを提供します。未来を担う人材育成のためにNECができることは。

「古典的な手法とは違う、これが実践」木更津高専にNECプロフェッショナル登壇

「テストの目的はシステム全体を掌握することです。システムへの侵入を実演します」

10月21日、木更津工業高等専門学校の教室に集まった木更津高専の学生を前にNECサイバーセキュリティ戦略統括部の中島春香が、システムの脆弱性を検査するテストのシナリオに沿って、システムへの攻撃をやってみせます。IPアドレスをスタート地点としてシステムに「侵入」。中島の繰り出すコマンドに熱いまなざしが注がれ、約30分後、パスワードは暴かれます。「ファイルサーバーにアクセスできました。システムの掌握が完了しました」。拍手が沸き起こりました。質疑応答では「防御をする上で知った攻撃手法を悪用させないためにはどうしたらいいのか」という鋭い質問も。

「NECのサイバーセキュリティプロフェッショナルによる特別講義」と題した出前授業には情報工学科の約80人が参加。「未来を担う技術者への期待」をNEC執行役員常務兼CIO兼CISOの小玉浩が話した後、サイバーセキュリティのテストで使う実践的なテクニックを中島がデモンストレーション。1時間半に及ぶ講義の模様は、全国の国立高専にオンライン配信され、38箇所で視聴されました。

「高専生は実践的な話が大好き。ふだんの授業より一層生き生きとしていましたね」と情報工学科の丸山真佐夫教授も満足げ。「学校で習う古典的な攻撃手法とは違った」「こんなやり方があったのか」と、実践的なデモに学生も釘付けでした。「技術は社会の役に立ててこそ意味がある、と繰り返していたのが印象的でした」という感想もありました。

サイバーセキュリティ戦略統括部 宇都田賢一
サイバーセキュリティ戦略統括部 中島春香

社内教育で磨きあげた教材や訓練場を提供 「最新の環境に期待」

サイバーセキュリティ人材は日本で20万人近く不足しているともいう試算もあります。

NECは以前から高専とは協力関係にありましたが、人材不足の深刻化を受け、連携をパワーアップ。今年7月には、独立行政法人国立高等専門学校機構と包括連携協定を結び、全国51の国立高専にNECの最新のセキュリティ技術に基づいた教育サポートを行う態勢を整えました。協定には教職員と技術者の定期的な情報交換も盛り込まれており、今回の出前授業は情報交換がきっかけで企画されました。

そもそもDX推進はNECの戦略の中核で、社内のDX、お客様のDX、社会のDXという3つの柱を掲げています。人材こそがDX実現のための基盤であり、セキュリティ人材育成もその一つです。また、NECは社内で「実験」したプログラムを社外に提供する取り組みも幅広く行っており、高専に提供する教材や演習環境もNECが社内で磨き上げたものです。

教材はNECが社員向けeラーニングに使っているもので、セキュリティの入門教材として社内で年間延べ3万人が受講し、随時バージョンアップしています。サイバーアタックを模擬的に体感できる訓練場も、社内の営業やSEが利用している環境を高専に提供します。
木更津高専の丸山教授は、「最先端の企業がつくった演習環境なら実践的かつ最新。学生たちはもちろん一個人としても楽しみです」と期待を寄せます。

「NECをきっかけに学んだ人材が社会を守る それこそが目標なんです」

今や、サイバーセキュリティ人材の育成は政府も後押ししており、全国各地の教育機関と企業による地域に根差した産官学連携への注目度も増しています。

「サイバーセキュリティのために最も大事なのは人材。産官学で連携して、社会全体で育てていかないと日本を守ることはできません」

木更津高専の出前授業の冒頭で、小玉はこう力を込めました。

知識だけじゃなく実践力。得た知識をいかに社会実装していくかが大切なサイバーセキュリティの分野において、日本全国51校で技術力を徹底的に磨く高等専門学校の人材は、頼もしい即戦力になる。連携協定をリードした小玉は高専人材に熱い視線を注ぎます。「学校で学んだ理論を社会実装することの面白さ、大切さは、サイバーセキュリティの最前線にいる私たちだからこそ、伝えられることです」

サイバーセキュリティはNECという企業だけで立ち向かうことのできる課題ではありません。「優秀な人材がNECに集ってほしいという気持ちはもちろんあります。でも、セキュリティリテラシーが高まり、NECが提供する教材や環境がきっかけで育った人材が、NECに留まらず、社会全体の安心安全を守るために活躍してくれること。それこそが、私たちがめざしていることなんです」

NEC執行役員常務兼CIO兼CISO 小玉浩

【関連リンク】