Japan
サイト内の現在位置
西九州新幹線開業 全国の新幹線の安全な運行、NECのシステムも支えています
西九州新幹線(武雄温泉・長崎間)が9月23日に開業しました。地元の佐賀県や長崎県では、観光客の呼び込みや経済の活性化など、新幹線効果への期待の声が上がっています。日本で新幹線が走り始めたのは1964年10月1日、東京―新大阪間で東海道新幹線が開通したときです。開業当時から半世紀以上にわたって、多くの人の夢を載せて走ってきた新幹線。その安心・安全な運行を、NECのシステムも「縁の下」で支えていること、ご存じでしたか。
日本の大動脈ついに長崎にも 実はそこにNECも…
1973年に「全国新幹線鉄道整備法」に基づき「整備計画」が決定された九州新幹線西九州ルート(福岡・長崎間)のうち、9月23日に開業した武雄温泉―長崎間の路線の名称が「西九州新幹線」です。九州地域全体の活性化をはかる交通インフラとして期待されています。
1964年の東海道新幹線開業以来、新幹線はビジネスや観光や人々の生活を支えるインフラとして日本を支えてきました。秒単位の正確さに加え、高い安全性は、世界でもトップレベルの評価を得ています。
日本の大動脈輸送を担う新幹線の安全を支えるための様々なシステムのうち、NECが提供しているのは信号通信設備や防災設備の情報を制御・監視するシステムです。CIC(Centralized Information Control System:通信情報制御監視システム)や、KMS(Kyushushinkansen Monitoring System:防災情報・信通設備監視システム)などと呼ばれるこのシステムは、いったいどんなシステムなのでしょうか。
信号・通信や雨・風・地震の気象情報 異常があればスピード検知
簡単にいうと、運行を安全に行えるか判断するため、様々な設備の状況を一元的に見ることができるシステムです。設備、といっても多岐にわたり、路線にある信号設備や通信設備、沿線にある風速計や雨量計、積雪計、レール温度計、地震計など防災関係の設備…これらは一例で、まだまだあります。設備の情報が「総合指令所」に送られて集約され、運行中に現場で発生するさまざまな事象をリアルタイムに収集、一元管理し、指令員の迅速な対応をサポートします。
このシステム、新幹線が運行しているエリアの大半で、NECがお客様と協力して提供しています。
監視、制御する対象となる設備は、通信設備重視だったり防災情報重視だったり、JR各社によって少しずつ異なっていますが、各社の指令室に情報が集約されることは共通しています。まとめて一つのモニターに設備の情報が表示されるので、各設備の個別のコンソールを見ることなく、指令員が素早く様々な装置の異常を認知することができます。
運行に直結する風速や雨量、河川水位、地震などの防災情報も取り扱い、速度規制を行うための情報を提供しています。それぞれの項目と地点が一覧表になって、異常があったところは色が変わり、一目でわかります。
「癖」のある設備 うまくつなげるNECの技術
多岐に渡る情報を一元化することで迅速な判断をサポートするこのシステムは、1980年代ごろから導入されました。技術の進化とともに、設備やシステムもアップテートが進んでいます。
NECのエンジニアとしてこのシステムを担当する船木慎平は「受けた情報を指令室に送って表示する、というのは技術的に難しいことではない」と言います。NECがこのシステムで圧倒的なシェアを誇るのはなぜでしょうか。「それぞれの設備には癖があります。メーカーも違うし、更新時期も異なるので、新しいことに対応できるかも違います。数多くの設備が持つ癖をまとめることができる、それはNECの経験と実績があるからです」。
同じくエンジニアの出水啓介も「新しい技術も既存の古い設備も両方知っている。お客様と綿密にやりとりしながら、これをうまくつなげることができる」。これがNECの強みだと話します。「長年担当していると、お客様以上にお客様の設備を知っている、ということもあります」
様々なベンダーが提供する設備や技術を組み合わせたシステムを構築し、安定して運用することができるのがNECグループの強みです。世界がオープンにつながる今、信頼に裏打ちされた技術で「Truly Open,Truly Trusted」な社会の創造は、NECがこれから大切にすることであり、これまで確かに積み重ねてきたことでもあります。NECの技術でこれからも日本の安心・安全な交通を支えていきます。
【関連リンク】