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ウエンツ瑛士×NEC執行役「これからどうなる!?NEC」 [32:41]
音声テキスト
ウエンツ:
さて皆さん、私が今どこにいるか分かりますでしょうか
私はNECの本社ビルにお邪魔しております
NECといえば、歴史のある伝統的な会社なので
言い方的には歴史のある
でもそれが言葉が変わると古い会社というイメージもありました
ただ玄関の綺麗さから違います
そしてここ、開けてて明るいイメージがあります
そして当然最新鋭の設備もいっぱいあるんですが
少し僕が今まで思ってたNECのイメージと違いました
やはりパソコンとか携帯電話
そして半導体っていうイメージも僕はあったんですが
本日はとても偉いお三方にこちらにお越しいただきまして
皆さんも気になってるでしょう
「これからどうなるNEC!?」というテーマでお届けしたいと思います
ということでお三方、よろしくお願いいたします
3人:
よろしくお願いします
ウエンツ:
よろしくお願いします、お世話になります。お座りください
さあということで、お三方に来ていただきました
早速ですが自己紹介お願いしてもよろしいでしょうか
藤川:
CFOの藤川でございます、よろしくお願いいたします
西原:
CTOの西原でございます、よろしくお願いいたします
堀川:
CHROの堀川です、よろしくお願いいたします
ウエンツ:
それぞれお立場と言いますか、キャリアと含めて
どういうことになるんでしょう
藤川:
CFOって言うと経理とか財務とか
ちょっと堅苦しいイメージあるんじゃないかと思うんですよ
私、実はそういうとこに全く無縁で会社生活過ごしてきまして
最初はどちらかというとお客様に対して
営業とかエンジニアとかそういったことをやって海外にも行って
その後、新しい事業を作るというとこもやって、全く縁遠かったんですね
今の社長がCFOだったんですが
CEOになる時に誰がなるんだろうと思っていたら
急に言われて、とんでもなくびっくりしたというような感じですね
ウエンツ:
なるほど、そして西原さんは
西原:
はい、CTOというのはチーフテクノロジーオフィサーという略で
NECの技術の優秀性を、競争優位なところを責任持つ立場です
NECは技術が非常にありますので
いろんなテクノロジーのトップの人たちと連携しながら
私が取りまとめてるような立場になります
私自身は元々事業部門で製品の開発をしてたんですけども
海外の経験を色々してるうちに、研究所のマネジメントをするようになり
CTOになって、現時点では、研究所、新事業開発、知財、
ヘルスケアをNECの中では見させていただいてます
ウエンツ:
はい、そして堀川さん
堀川:
はい、私はCHROというのは、チーフヒューマンリソーシズオフィサー
というちょっと噛んじゃうんですけども
人事関係の役員ということになるのですが
元々私も人事をやってたわけではなく
ビジネスで営業をやっていました
それから経営企画部門等、色々渡り歩いて
昨年の4月から今の役職になったんですけども
なんで私みたいな人事の元々の担当でない人が
この今の役職になったのかというところなのですが
会社の文化を今変えていくという取り組みをしてまして
人事制度を色々変えながら
ビジネスの現場の視点を持って変えるというのが自分の役割かなと思っています
ウエンツ:
NECは今年125周年、歴史がありますよね
今グループ全体で従業員の数どれぐらいいらっしゃるんですか
堀川:
今は11万人ですね、世界ですけどね
ウエンツ:
世界で、11万人従業員がいて売上も3兆円近くあるという中で
そこを取り仕切る難しさもあると思うんですけど
藤川:
全体見ながら、私の場合どちらかというとヘルスチェックする立場です
数字を見ながら、どこかおかしいとこがないかという風に見ていて
見るポイントがいくつかあると思うんですけど
おかしいなとちょっと感じたら、胸騒ぎに応じて、そこを掘り下げていって
実際にそこにいる人と話をしてみるということで
全体的には健康を保つという感じです
ウエンツ:
冒頭にお話しさせてもらいましたけど
玄関からすごく素敵な作りになっていて
ここのフロアもすごいじゃないですか
これはもうお世辞抜きで
今のところ、僕がすれ違った従業員の方は概ねニコニコされてました
堀川:
良かったです
ウエンツ:
楽しそうに働きやすい場所だなという
空気感って意外と作るのが難しいなと思うんですけど
それがすごく素敵だなと
堀川:
ありがとうございます
ウエンツ:
ということで今回はNECの最新テクノロジー、人材
ESGに対する取り組み、この3つのテーマでお話ししていきたいと思います
最初のトピックはこちらです、NECのテクノロジーです
NECといえばテクノロジーの会社と思ってる方も多い気がしますけれども
リーダーの西原さん、テクノロジーの会社というイメージは皆さん持たれてると思います
西原:
非常に多様な技術が各領域にありますので
NECは宇宙から海底まで全部網羅しているテクノロジーがありまして
例えば衛星だと80機ぐらいの打ち上げの経験がありますし
あと大陸の間の海底、いわゆる光の通信なんですけど
ここもNECは世界の中で3本指に入る会社で
そこの領域もNECが提供してる
地上の中ではDXとか、AIとか、セキュリティとか
そういったコンピューティングの技術を通信の技術も含めて提供してる
ウエンツ:
特許の数、すごいって伺ったんですけど
西原:
そうです、テクノロジーの強みというのは
グローバルでも通用する特許の数をどれぐらい持ってるかと
それはやはり長年テクノロジーに対して一生懸命投資をして
優秀な人材を集めた成果が表れている形だと思います
ウエンツ:
NECとしてはこれだけ潜在能力もあるということですよね、特許の数で言うと
西原:
そうですね、特にこれから重要になるAIとかセキュリティとか
もしくは非常に高度な通信の領域で持ってますので
これは今後の社会のソリューションに役に立つかなと自負しております
ウエンツ:
そんな中で今注目されてるのは何でしょうか
西原:
ラージランゲージモデルという、ちょっと難しい名前なんですけども
ChatGPTという言葉をお聞きしたことがあるかもしれませんが
いわゆるAIの言語処理の性能が、ここ数年で格段に上がりまして
ほとんど人間と同様に話しているのと同じぐらいの
知性を持ち始めたというのがAIのフェーズなんですね
NECは昔から実は研究もちゃんとしてまして
ちょうど1年前に、質問するとすぐに答えが返ってくるレスポンスの速さと
あとポータブルであること、つまり大きなクラウドだけじゃなくて
いろんな組み込みの機器とか、例えば携帯とか普通の通信のシステムとか
どこにでも入るような、ポータブルな機能を持った
ラージランゲージモデルというのを
ちょうど1年前に開発に成功しまして、アナウンスしてます
これを使って、ますます、いろんなソリューションなり
テクノロジーの発展に貢献していこうかなと考えています
ウエンツ:
我々がニュースで知ってるのはやはりChatGPTだなってなるんですけど
そういうNECの新しいものはどういう使い方ができるんでしょう
西原:
ChatGPTというのは、チャットというのはお話するという意味なので
会話したり質問すると答えてくれると、もちろんそれは素晴らしい
いろんなとこ使えるんですけども、大事なのは
あらゆる社会のシステムとか、あらゆる機械システムとか
あらゆるテクノロジーシステムってちゃんと言葉で書けますよね
ということは、それだけ知性のある言語処理のシステムが
ポータブルにいろんなものにも入るってなるってことはですね
あらゆる機器が、それこそ人間を超えるぐらい
人間と同じぐらいの知性を持てるということを語っている
ウエンツ:
テクノロジーのこの数年間の進化はすごいですもんね
西原:
ええ、LLMとか世間で色々言われてるんですけれども
先ほど言ったように、チャットシステムだけではなくて
実はあらゆる機器が、今の機器がインテリジェントになるというのは
そこの機器は実はもうNECが色々と納めてたりとか
実はその非常に世界でもリードしてる領域がたくさんありますので
そこの部分が上がるってことは、NECの強みを生かす形になりますので
必ずしも競合の中でも劣後せずにリードできると我々は思ってます
ウエンツ:
西原さんどうですか、面白い人材がいたりするんですか
西原:
いますね、しかもNECの場合はグローバルな企業なので
海外、世界7拠点研究所がありまして
そこはそれぞれユニークなんだけど、考え方はNECの考え方
社会ソリューション、社会にどう価値を提供するかというところは一致していて
いろんな多様な人材からアイデアが出てくるということですね
そういう意味で言うと、ラージランゲージモデルで我々が1年前に発表した製品は
名前をつけまして「cotomi」という名前にしたんです
これは「こと」が「みのる」という意味ですけれど
いまちょうど議論したことと一致してる話でして
テクノロジーをどうやって社会の価値につなげるかと
価値につなげるってことはことが実る、まさしくそれを意味してるということで
「こと」が「みのる」という我々の考え方とか
思いも含めてつけさせていただきました
逆にこれをどういうことに使うかで
いろんな知恵とかアイデアとかが必要ですね
ウエンツ:
藤川さん、そう聞くと形は完全には見えてないですけど
投資をしなきゃいけないっていうのは、どういうご気分ですか
藤川:
私自身、新しいこと好きですし
なんでCFOになったかというのは多分その事業を作る側にいたから
逆に言えば、投資する時は株主から預かったお金を
きちんと投資して結果を出したいと思うわけです
もちろん可能性があれば、チャンスがあれば、そこには投資をするし
リスクがあったらリスクを少なくするし、だめだと思ったら諦めるし
みたいな判断をするっていう立場なんで
でもそういう機会があったらやっぱ嬉しいですし
そういう意味では冥利につきますよね
ウエンツ:
投資家の方だったり、NECを応援してる方は、結果を求めてる部分もある
でも会社内でのことだったり、未来のことを考えると
ある程度不透明でも
投資も必要というそこのバランスを担当されてることですよね
藤川:
リスクを取らなかったら成長はないと思うんですよね
やはりリスクを取りながらも
いかにそれを成功に結びつけていき成長につなげるか
それの繰り返しだと思うので、そういう意味では期待しながら投資をしています
ウエンツ:
嫌な言い方かもしれませんけど、失敗もあり得るわけじゃないですか
その許容というか、そういうのもあるってことですよね
藤川:
そうですね、失敗がない成功はないと思うんですよね
失敗はいかに最小限に抑えながらも、成功確率を上げるかっていうことで
失敗ゼロで成功っていうのは、あっても小さいですし、ほとんどないと思うので
失敗をきちんと理解した上で抑えながら、同じ失敗を繰り返さないということ
それで成功を上げると
ウエンツ:
全てがポジティブなお返事で嬉しいです
堀川:
いい失敗を重ねてくってことですよね
ウエンツ:
なかなかね、いろんなご経験をされてきたお三方は
失敗という言葉も使いやすいでしょうけど、
それが若手のとこまで、失敗ということも含めて
広がってるとなんか素敵だなと思いました
ありがとうございます
ウエンツ:
続いて参りましょう、こちらです
NECの人的資本です
従業員が11万人を超えてる会社においての
人的資本というとなかなかこう想像つかないんですが
どういう風に人的資本っていうのは捉えたらいいでしょうか
堀川:
よく似た言葉で人的資源
ヒューマンリソースってまさに資源なんですけど
よく人・物・金・情報の4つが重要な経営資源と
昔は言われてきたんですけども
その人的資源をさらに発展させたのが
人的資本だという風に思ってるんですね
ウエンツ:
違いがあるんですね
堀川:
はい、違いは人がとても重要だってことですね
環境変化が激しい中で新しい価値を生み出していく
最大の経営資源が人です
資源と資本の差というのは投資をしているか
ウエンツ:
なるほど
堀川:
人に対して会社としてどれだけ力を入れて
教育をし、ちゃんと成果に対して報酬を出してるか評価してるかっていうことが
とても重要な時代になってきたと思うんです
ウエンツ:
実際ではNECにおいての人的資本っていうのはどういうものなんでしょうか
堀川:
とても重要だと思うのは
社員ひとりひとりの強み・個性といったものを
最大限発揮するということじゃないかなと思うんですよね
多様性、ダイバーシティっていう考え方がやはり重要で
ひとりひとりが違う個性があって強みがあって
価値観があるものを
お互いぶつけ合うことによってイノベーションが起きる
そういうようなイノベーションを起こしてく上で
新卒だけじゃなくて外からも
いろんな方に入っていただいて
起こしていこうっていうのが
今の動きだと思います
ウエンツ:
社員の方の満足度は変わったんでしょうか
堀川:
はい、エンゲージメントのサーベイというのを
2018年からNECでは取り始めたんですね
この会社で働くにあたってその仕事とか
自分の評価にどれだけ納得しているかという指数と
思っていただければいいかなと思います
2018年で初めて取った時は実は19%
ウエンツ:
それってかなり低いんですか
堀川:
はい、こんなに低いのかということで
当時の経営陣はもう愕然としたという話は聞いてます
今はほとんどの社員の方がそれなりに今の仕事と評価に対して
納得感が得られ始めてる
ウエンツ:
それはやはり1つの企業価値ということになるんでしょうか
堀川:
そうですねやはり人的資本なので
それに対して会社として社員の声をしっかり聞いて
社員を育成してその強みを生かすということが
結果に表れてきているということだと思います
とても重要ですね
ウエンツ:
育成って言葉にするのは簡単ですけどすごく難しいですよね
堀川:
やはり人材が多様になってるからこそ
価値観もみんなバラバラじゃないですか
それを1つにまず束ねるものとして
我々の中ではNEC Wayという
NEC全体で大切にする
価値観を定めた言葉がある
まずそれを社員共通に持ちながら
職種別に人材育成委員会というのを作ってまして
例えば営業職であったり研究職みたいな職種別にきちんと
NECが求めてる研究職というのはどういう人材像かというのを定めて
それに基づいた教育体系であったり報酬体系だったり
そういうものをちゃんと作るというのを今やっています
ウエンツ:
それはこの数年の話ですか
堀川:
ここ1、2年の話ですね
ウエンツ:
どこかでこの10年以上の中で
そういうものが必要だなと感じてらっしゃったってことですか
堀川:
そうですね、NECは社会価値創造と言ってますけども
さっきのNEC Wayの中で書かれてるPurpose
に向けて社員の全体の力をベクトルを合わせていく
それが人的資本経営なのかなっていう風に思います
ウエンツ:
人事は採るだけではないんですね
堀川:
採るだけではなくて事業のために人を育てて
きちんと事業に貢献してくという人事に
変わっていかないといけないと思ってます
ウエンツ:
そう考えると人的資本というのが
いかに大事かということになってきますよね
それがよりよく会社としての成長も望めるという形でございます
ありがとうございました
ウエンツ:
さあ続いてはこちらです
NECのESGです
そもそもESGというのは
環境・社会・企業統治の英単語の頭文字を取った言葉です
今企業が長期的に成長するためには
経営においてESGの3つの観点が必要だというのが
世界中で広まっているんですが
藤川さん、NECのESG、どうでしょうか
藤川:
例えば「E」環境ですよね
NECはずっと前にもう取り組んでるんですよね
私は1980年代後半に入社しましたけど
当時製品にはエコの観点で省エネとか
リデュースとかリユースとかリサイクルとか
3Rって言ってたんですけど
当たり前のように製品の企画製品
製品を作る中で考えられてたんですよね
どちらかというと時代が我々が言ってたことに
近づいてきたようなイメージがあります
ウエンツ:
実際にそれが目に見えてこういうものがあるというものはありますか
藤川:
CDPという国際的に評価するところがある
いろんな申請をしてそれに対して取り組みがいいとA判定をくれる
これ5年連続評価もらってるんですね
これはすごく大きいことで
それだから投資家の人が投資しようっていうこともありますし
実は私たちそれを使って
最近はサステナビリティリンクボンドというのがあります
ボンドというのは債券、お金ですね
企業がお金を調達する時に銀行から借りることもあれば
社債という債券を発行して
お金を調達するケースがあるんですけど
こういうコミットメントしてます
こういうことでNECとしては色んな投資をしますみたいな
それをさっきの外から評価されてる指標を元に
コミットメントしてやると利率が下がるんですね
ウエンツ:
利率に関わってくるんですね
藤川:
だから少し安く調達できるっていうメリットがあって
そういった形で自分たちで生かしたりします
ウエンツ:
それはもうまさに会社の財務としては
藤川:
そうです、必要なことです
せっかく持ってる私たちのアセットなので
これどう活用するかというのが1つですね
ウエンツ:
当たり前のようにやってらっしゃったかもしれないですけど
なかなか認知はなかったですね
藤川:
そうですね、そういう意味でいくと機会を見ながら
常に生かすってことだと思うんですけど
私たち自身は環境のところって
いろんな自分たちの体験だとか技術がある中で
どこに生かそうみたいな話を結構するんですよ
例えばちょっと変わったとこでいくと
農業みたいなそういったところもあるんですよね
ウエンツ:
農業ってどういう風に
西原:
ITの仕組みを入れて例えば土壌の水分の量がどのぐらいあるのかとか
あともしくは育ってる状況が衛星からの写真で
どのぐらい育ってるかとかいうところモニタリングしながら
ウエンツ:
衛星から見るんですか
西原:
そうです、作物の成長状況だとか
場合によっては、土地の状況もかなり見えてきてるんですね
そういうのを組み合わせて肥料をより減らして
かつ灌漑(水の量)も減らして
一方で作物の量を20%くらいアップさせるということができるんです
もう1つ言うと農業って実はカーボンニュートラルの面から言うと
CO2も結構出してる部分があるんですね
ウエンツ:
出してる方
西原:
出してるんですよ
そうするといかに農業を効率よくやるか
作った作物を今度船でまた運んでいくと
このルーティングもより適正な経路を選ぶとか
そういったサプライチェーン全部合わせてICTの技術を生かすことによって
カーボンニュートラルの問題に
非常に大きな貢献をすることができるというのが
我々の中で見えてきたという
今は事業化してる最中です
ウエンツ:
そう考えると環境そして社会貢献という意味では
お話伺ってる限りでもナチュラルにそこにコミットしてるというか
何をどうしようっていうことじゃなく
やれる技術で我々もお互いにwin-winでいったら
自然と貢献していたっていう感じにすごく見えた
社会「S」の部分ですね
ダイバーシティの取り組みなどございますけど
この分野のNECの取り組みはどうでしょうか
藤川:
1つの例が最近すごく言われてるセキュリティ
セキュリティって言っても
いわゆるサイバーセキュリティって結構最近言いますよね
これって個人の中でも
色んな個人の情報が抜かれたりとかでいろんな話もありますし
そういったことに対してどう防ぐか
実はNECって我々自身がまずそれを防がなきゃならない
我々が強くなければ、お客様にご提供できないので
まずクライアントゼロという形で自ら体験して
社内でもって実践したことをお客様に示して
お客様にご提供していくみたいなことやっています
サイバーって見えない話なのでそれを見えるように
ダッシュボードって社内のシステムで
今どのぐらいの攻撃を受けてるかって見えるんですリアルタイムに
NECもグローバルにあるので
グローバルのどこが弱いとか強いとかってグラフィカルに分かる
かなり先進的な取り組みを自らやり
それを社会にも提供して貢献していくということをやってます
ウエンツ:
さあそしてガバナンスですね、企業統治
これは巨大企業ならではの難しさもあるんですけどもそこはいかがでしょう
藤川:
私CFOになって3年過ぎましたけど
投資家の方々に直接お話しに行くんですけど
ガバナンスの観点でこの1年間ものすごく良くなったって言われるのが
指名委員会等設置会社という会社の形態を変えたこと
これ何かって言うと
取締会の方はより監督機能の強化で
執行側の方は権限委譲されて
スピーディにいろんなことを動かしていけるということです
社外取締役の方も去年7名で
NECの中よりも2名多いんですね
社外の方が多くなりそこでいろんな議論がされると
執行は執行で任されてる範囲できちんと責任持ってやっていくということで
この辺の機能がスピーディな経営になって企業価値の向上につながる
これは欧米型のやり方に近づいてるんですけど
すごく評価されてると思います
ウエンツ:
これを変えるにあたって少し摩擦があったりとかそういうものはありましたか
藤川:
摩擦というか日本企業まだトライしているところが少ないんですよね
なので少ない企業を参考にしながら
我々どういう運営してったらいいんだろうかということで
社外取締役の方と話しながらも
改善に向けた努力を続けていくということかなと思ってます
ウエンツ:
常に新しいものに日本の中でもチャレンジもしながら
それが投資家さんからも評価を受けてるということでございます
さあここまでお三方のお話聞いて
現状そして未来のNECのことをすごく学ばせてもらいました
ありがとうございます
最後に特に僕が個人的に伺いたいことがございます
それがこちらです
お三方のモチベーションという言葉を書かせてもらったんですけど
ここは立場としてのお話ではなく
個人としてのお話を伺いたいなと思いまして
藤川さん、10年、15年前日本も大変な時期があった
それと同時にNECも大変だった
でもそこで変わらなきゃという思いは当時ありましたか
藤川:
そうですね、私ちょうど2010年から2013年にシンガポールに赴任していて
実はそこで2つあったんですけど
1つは東日本大震災ですね
向こうでテレビで見るしかなかったので
ものすごいショックですけど何もできない
自分として何か貢献できることないかというのは
常に考えて帰国することになったのが1つと
当時ってアベノミクスの前で日本の経済もすごくダメ
NECもものすごく危ない状況だったんですけど
ウエンツ:
今から見ると信じられない
全部の企業がそれに近かったですよね
藤川:
厳しい状況の中で
何できるんだろうとすごく考えた時ありまして
一旦実は私会社を辞めようと思ってですね
やめかけたんですけどあの結局心を入れ替えてやめたのは
やはりそこで日本に何かNECも貢献できるということで
私、恩送りという言葉が好きなんですけど
親から例えばちっちゃい時に育ててもらった恩がある
それは親に返すんじゃなくて次の子供につなげるとか次の世代につなげる
私はNECから、もしくは社会からものすごく色々と恩を受けた
それを次につなげていきたいなと思って
そういう活動がもしNECでできるならっていう時に
新しい事業をやってみないか、と
私の経験したいろんなこと、海外での経験、新しく作ったこととか
それが次の世代につなげられるんだなっていう思いでやり始めて
残ることになったんですけど、やめかけたということですね。
ウエンツ:
心を入れ替えたっておっしゃってましたもんね
でも堀川さん、藤川さんはシンガポールにいらっしゃいましたから
堀川さんは社内(日本)にいらっしゃった
堀川:
はい、いましたね
ウエンツ:
その時の空気とかってどんな感じだったんですか
堀川:
まず藤川がやめようと思ってたという話は初めて聞きましたけど
ウエンツ:
そうなんですね
堀川:
それとそのときに改めてNEC WayとかPurposeとかをちゃんと定めることで
会社の存在意義を定めて、社会価値創造のためにNECはやっていくんだって
やはりNECはそれを100年以上も続けてきたっていう誇りみたいなものがあるので
自分自身は辞めずに会社を、このいいNECがちゃんと評価されてエンゲージメントされる会社にしていこうという風には思っていました
西原:
今色々話を聞いて思ったんですけど、あの時に
ある種の組織の幹部の人間は
やはりNECをどうしても変えたいと、もっといい会社にしたいという
忸怩たる思いが非常にたくさんあったと思うんです
10年経ってみていろんな変化とかですね
改革に対して、ものすごくポジティブでどんどんいい会社にしたいと
今までやったことないやり方でも
それは良いって言うのなら、どんどん取り入れようと
外から来た人でもこれが役に立つか、会社に貢献してくれるんだったら
もう関係ないと、そういうメンタリティが僕はできたような気がするので
きっかけになっているのじゃないかなと私は感じてます
ウエンツ:
今NECが、言葉選ばずに言うと復活というとこになってきて
お三方今どう感じてらっしゃいますか、藤川さん
藤川:
本当に誇らしい会社になってきてると思いますし
まだまだできることはたくさんあるんじゃないかなと思い ます
夢のある会社であります
それを社会に対しても貢献する中で示していきたいなと思ってます
ウエンツ:
西原さんいかがでしょうか
西原:
今すごく過去の経験をベースに成長してると思うんですね
まだまだいけると
それこそ100年に1度に起きるようなテクノロジーの技術革新が一挙に
この2020年代に起きているんですね
1つは生成AIの技術、もう1つは量子コンピューティング
あとは宇宙
宇宙はある種のネットワークにもなるし
いろんなセンシングするインフラとしても
もうかなり手軽に使えるようになった
こういった3つの技術というのは
それこそ100年に1回起きてもおかしくないぐらいのものがですね
ちょうどここ5年、10年にいっぺんに起きようとしてるんですよ
NECはそれぞれで技術を持っていて
事業も持っていて拡大する余地があるというところなんですね
ですからやはり我々としてはしっかりと連携して詰めていって
どうそれを使って社会に貢献していくかと
NEC全体として面白い時代に突入しつつあると思ってます
ウエンツ:
いやもう本当にモチベーションに溢れてるなとすごく感じたんですけど
堀川さんどうでしょうか
堀川:
私も同じですね
やはり今のNECが1番いいし
自分自身楽しいなと思える会社になったなと本当に思うんですよね
もっとどんどん良くしていかなきゃいけないというのが
共通の思いだと思うんですよね
そのためには西原が思いを込めてる強い技術を
もっとビジネスに変えて社会の価値に変えるというのを
どんどん加速していくということかなっていう風に思います
ウエンツ:
どんどん新しいものチャレンジして
上げてくという作業って本当に大変だと思いますし
チャレンジもしなきゃいけないと思うんですけど
ここまでそしてこれから藤川さん自身の思いも含めていかがですか
藤川:
今の中計(中期経営計画)の中で森田(取締役 代表執行役社長 兼 CEO)が最初にお話したのは「「未来の共感」を創る」
私たち今1つの企業ができることって限られちゃってるんですよね
さっきみたいに大きな社会課題に向き合おうと思うと
やはり手を取り合っていろんな仲間を創る
だから我々が持ってる技術とか我々の思いとかを伝えて
多くの仲間を巻き込んでいって
それで大きな力にして何かを成し遂げることが
すごく大事なので我々社員だけじゃなくて
このNECグループの力というのを社会の中で発揮して
いろんな人にも共感してもらって投資もしてもらって
その結果としてより大きな成果を上げていくということをつなげて
それができればもっともっと良くなるんじゃないかなと思ってます
ウエンツ:
素敵なギラギラをたくさん感じました
当然企業としての利益だけじゃなくて社会に貢献していくとか
今の時代あると思うんですけど
でもお三方が目の奥にすごいギラギラしてるものが
勝手にこっちも燃えるものがあるというか
そういう方とお話しできる機会があって本当に自分も勉強になりました
本日はどうもありがとうございました
3人:
ありがとうございました
Orchestrating a brighter world
NEC
概要
ウエンツ瑛士さんがNEC執行役の3名に尋ねる「これからどうなる!?NEC」。
最新テクノロジーから、人材、ESG経営と、仕事のモチベーションまで、わかりやすくご紹介していきます。
(2024年5月28日)