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NEC、自動運転の安全性向上に向けた適応ネットワーク制御技術の実証実験を実施

~車両や周囲の状況に応じて通信の優先度を変更~

2019年2月21日
日本電気株式会社

NECは、モバイルネットワークにおいてリアルタイムの通信制御が求められるサービスの実現に向けて、緊急度の高い車両に無線リソース(周波数帯域や通信時間)を割り当てる「適応ネットワーク制御技術(注1)」を当社のMEC(注2)サーバ及び基地局に実装し、自動運転の安全性を向上する実証実験を行いました。
実験では、車両の位置情報や道路の周囲を撮影するカメラ画像などの分析結果を基に、基地局が緊急度の高い車両へ優先的に無線リソースを割り当てることで、安全運転支援に必要な通信遅延時間100ミリ秒以内を安定的に実現できることを確認しました。

拡大する図1.実証実験のシナリオ

1.背景

昨今、IoT(Internet of Things)の普及に伴い、モバイルネットワークでリアルタイムの通信制御を行う自動車、工場・倉庫内の搬送車、警備用ロボット、検査・宅配用ドローンなどの自動運転技術の開発が進められています。安全性が最重要となる自動運転では、見通しの効かない場所にいる人間や物体との衝突を回避するため、複数の車両や街頭カメラなどのIoTデバイス間で位置や画像などの情報をリアルタイムに共有し、車両を制御する技術が求められています。
しかし、既存のモバイルネットワークでは、基地局に接続するデバイスの数や通信のデータ量が増えて無線リソースが不足すると、車両制御に遅延が発生し、円滑・安全な自動運転が困難になります。

2.実証実験について

NECはこのたび、デバイスからの情報や通信の状態などを基に、MECサーバ上で動作するContext-aware Service Controller(CSC、注3)で通信の遅延時間や時間内に送るデータサイズの目標を決定し、CSCの要求に応じてLTE基地局が緊急度の高いデバイスへ無線リソースを優先的に割り当てる、適応ネットワーク制御技術の実証実験を行いました。

図2.実証実験の様子

実験では、電波暗室内に模擬した交差点で、街頭カメラの画像をMECサーバが画像解析し歩行者を検出するとともに、周辺車両の位置情報を収集し、それらの情報を個々の車両とリアルタイムに共有する、自動運転の環境を構築しました。交差点付近のLTE基地局には商用装置を用い、車両模型、カメラ、スマートフォンなど複数の多様なデバイスを接続して、無線リソースが不足した状態を作りました。CSCとLTE基地局の連携により、交差点を横断する歩行者に接近する車両や後続の車両に対して、目標遅延100ミリ秒以内(注4)に注意喚起の情報を届けるように優先的に無線リソースを割り当てました。
実験の結果、従来は車両とMECサーバ間を往復する通信の遅延が100ミリ秒以内となる確率が27%でしたが、本技術の適用により99%に改善することを確認しました。これにより、混雑した通信環境下でも安全運転支援に求められる100ミリ秒以内の遅延を安定的に実現可能となり、周囲の交通環境の情報をリアルタイムに車両へ提供することで、自動運転の信頼性向上に貢献します。

3.今後の展望

NECは本実証実験の成果を踏まえ、本技術を自動運転をはじめ、リアルタイムな通信制御が求められる様々なIoTサービスに適用していきます。今後、本技術の5G対応に向けて開発を進め、より多くのデバイスへの接続、かつさらなる低遅延を実現するサービスへの適用も目指します。

NECは2019年2月25日(月)から28日(木)までスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2019」にて、適応ネットワーク制御技術について展示します。

なお本実証実験には、総務省の委託研究「電波資源拡大のための研究開発~多数デバイスを収容する携帯電話網に関する高効率通信方式の研究開発~」の成果が含まれています。

NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

以上

本件に関するお客様からのお問い合わせ先

NEC ネットワークサービス企画本部
TEL:03-3798-6141

NECは、社会ソリューション事業を推進する
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