NEC、ヒアラブルデバイスの活用領域を拡大する新技術を開発
~多様な技術の活用により、幅広いパートナーとの共創を加速~
2018年10月11日
日本電気株式会社
NECは、ヒアラブルデバイスの活用領域を拡大するため、これまでの耳音響認証技術(注1)、屋内位置測位技術(注2)、音響AR技術(注3)に加え、騒音下でもクリアな音声を届ける「ノイズキャンセル技術」を新たに開発しました。さらに、実証実験用プロトタイプとして、新技術を搭載したネックバンド型ヒアラブルデバイスを新たに開発しました。また、既存のイヤホン型ヒアラブルデバイスには「ノイズキャンセル技術」を搭載しました。なお、耳音響認証技術はNECの生体認証「Bio-IDiom」(注4)の中核技術の一つです。
昨今、働き方改革が積極的に推進される中、現場で働く人々の生産性向上は企業にとって重要な課題となっています。今回開発した「ノイズキャンセル技術」を利用し、音声などの情報を活用することで、生活や仕事における様々な活動を妨げることなく、新しいソリューション創出を支援していきます。
なお、NECは、ヒアラブルを活用したコンピューティングスタイルの実現と幅広い市場への浸透に向け、多様な技術を組み合わせたヒアラブルプラットフォームの提供(2019年度予定)を目指しており、サービス事業者やデバイスメーカ、システム構築事業者など産業パートナーとの共創や実証実験を進めていきます。
新技術/新事業の概要
- 騒音下でもクリアな音声を届ける「ノイズキャンセル技術」
ヒアラブルデバイスのノイズキャンセル技術は、耳内部/外部に面した2つのマイクを利用して、騒音下でも歪みの少ないクリアな声を人やIT機器に届けます。デバイス装着者の発話音声を、外部の騒音の影響を受けにくい耳内部に面したマイクで取得します。発話音声に混入する騒音成分は、耳外部に面したマイクで拾った騒音をフィルタ処理し生成した擬似騒音成分を用いて打ち消すことで、発話音声をクリアにします。
ノイズキャンセル技術の活用により、工場や工事現場、駅のホーム、ショッピングモールなどの騒音下でも音声による円滑なコミュニケーションや音声UIによる機器への指示、操作や記録などAI/IoTを活用したサービスの実現が可能となります。 - 実証実験用にネックバンド型ヒアラブルデバイスを開発
既存のイヤホン型ヒアラブルデバイスに加え、今回新しく開発した2つの技術を搭載したネックバンド型ヒアラブルデバイスを実証実験用に開発しました。現場で長時間利用を可能とする電池の搭載や落下防止にも配慮したデザインを採用し、工場や現場作業など、様々な業種や用途に応じたヒアラブルデバイスの活用が可能となります。 - ヒアラブルプラットフォームを提供し共創を推進
耳音響技術による個人認証、地磁気やPDR(注5)データによる屋内位置測位情報など、ヒアラブルの多様な技術をプラットフォームにまとめ、2019年度に提供開始を予定しています。サービス事業者やデバイスベンダー、システム構築事業者などのパートナーとの共創により、工場や現場でヒアラブルデバイスを利用すれば、「誰が」「どこで」「どんな状態か」を継続的に把握ができるため、作業者を特定した上で働き方改革や安全管理などのサービス提供などが可能です。ヒアラブルプラットフォームの活用により、多種多様な業界、業種において、さまざまな形でのデータ利活用ビジネスの可能性が広がります。
今後、NECは、パートナー企業との共創や実証実験を行い、ヒアラブルを活用したコンピューティングスタイルの実現と幅広い市場への浸透を目指します。
なお、NECはヒアラブルデバイス向けの取り組みについて、「CEATEC JAPAN 2018」(会期:10/16(火)~19(金)、会場:幕張メッセ)と、NECグループが開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018」(会期:11/8(木)~11/9(金)、会場:東京国際フォーラム)にて、紹介します。
「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2018」について https://uf-iexpo.nec/
NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。
以上
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- (注1)NEC、人間の耳には聴こえない音で個人を識別する耳音響認証技術を開発
https://jpn.nec.com/press/201802/20180227_03.html
NEC、人によって異なる耳穴の形状を音で識別する生体認証技術を開発
https://jpn.nec.com/press/201603/20160307_01.html - (注2)NEC、地磁気を活用して屋内の対象者の位置を正確に測定する技術を開発
https://jpn.nec.com/press/201610/20161028_02.html - (注3)NEC、ヒアラブルデバイスを活用し、顔の向きに関係なく音源を任意の位置で固定する世界初の音響AR技術を開発
https://jpn.nec.com/press/201709/20170925_05.html - (注4)
「Bio-IDiom(バイオイディオム)」は、顔、虹彩、指紋・掌紋、指静脈、声、耳音響など、NECの生体認証の総称です。世界トップクラスの技術や豊富な実績を活かし、ニーズに合わせて生体認証を使い分け、あるいは組み合わせることで、「誰もが安心してデジタルを活用できる世界」を実現していきます。 - (注5)歩行者自律航法(Pedestrian Dead Reckoning): スマートフォンやヒアラブルデバイスが備えている加速度、磁気、角速度などのセンサ機能を活用し、自分の移動方向と移動量を推定する技術。
ヒアラブルデバイスについて
本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC デジタルプラットフォーム事業部
E-Mail:hearable_spbu@iot.jp.nec.com
NECは、社会ソリューション事業を推進する
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