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再チャレンジを支える力になる
─ NECのプロボノとmimococoが見出した復職支援の価値

近年、メンタルヘルス不調による休職は、多くの企業や働く人にとって身近な課題となっています。復職支援制度の整備が進む一方で、「復職可」と実際に働き続けられる状態との間には依然としてギャップがあります。復職はゴールではなく、新たなスタートです。復職後の定着や再発防止まで見据えた支援が、今あらためて求められています。

そうした課題に向き合っているのが、株式会社mimococoです。同社はNECがオフィシャルパートナーとして参画する「社会起業塾イニシアティブ」の2025年度卒塾生で、「身を動かし、ココロとセカイをひろげる」をビジョンに掲げ、うつ病などで休職中の人に向けて、「運動療法×コミュニティ」を活用した復職支援プログラムを提供しています。

NECは、2026年5月から7月にかけて社員4名がチームを組み、総計約80時間を投じてmimococoへのプロボノ支援を実施しました。目指したのは、mimococoが提供する復職支援プログラムの価値を整理し、より多くの企業へ届けるための基盤づくりでした。

「良いサービス」だけでは届かない

mimococoが抱えていた課題は、サービスそのものではなく、その価値の伝え方にありました。

同社が提供する復職支援プログラムは、「通勤訓練」「朝のオンラインフィットネス」「心理療法」を組み合わせた独自の取り組みです。しかし、企業へ導入を提案する際には、「なぜこのプログラムが必要なのか」「既存のリワーク支援と何が違うのか」を分かりやすく説明する必要がありました。

特に、多くの企業人事担当者が悩むのは、医師による「復職可」という判断と、実際に職場で働き続けられる状態との間にあるギャップです。休職者本人の状態を客観的に把握し、安心して復職を迎えるための支援には大きなニーズがある一方、その価値を十分に伝え切れていない状況がありました。

現場の声から見つけた、本当の価値

今回のプロボノでは、営業資料のブラッシュアップに加え、ターゲット企業の整理や差別化ポイントの言語化に取り組みました。特徴的だったのは、単に資料を改善するのではなく、「このサービスが本当に届けている価値は何か」をmimococoとともに掘り下げたことです。

プロボノメンバーの中には、自身が復職経験を持つ社員や産業保健領域の知見を持つ社員も参加していました。そうした経験を活かしながら、「休職者本人」「人事担当者」「医師」など、それぞれの立場からサービスの価値を見つめ直しました。

対話を重ねる中で見えてきたのは、このプログラムが単なる運動支援ではないということです。

オンラインフィットネスへの参加状況や活動実績は、生活リズムの安定や継続的な行動を可視化する客観的な情報となります。また、一人ではなく仲間とともに取り組む「チーム戦」という仕組みは、休職期間中に感じやすい孤立感の軽減にもつながります。

こうした価値を整理したことで、mimococoのプログラムは「孤独になりがちな休職期間を支える伴走型プログラム」として特徴や強みをより明確に伝えられるようになりました。さらに、既存のリワークサービスとの違いを整理することで、待機期間がなく短期集中で取り組める点や、専門家による伴走支援といった強みも改めて整理されました。

対話と共創が生み出した成果

支援の成果は、資料の改善だけではありませんでした。ブラッシュアップした営業資料を活用した結果、mimococoは実際に5社との接点を創出。そのうち1社からは「ぜひミーティングしたい」との打診を受けるなど、トライアル企業獲得に向けた具体的な前進につながりました。

mimococoからは、

「複数人でのプロジェクトだったことで、今までにはなかった視点や意見を取り入れることができた」 「クライアント、本人、企業人事、医師など、多様な立場から考えることで新しいビジネスプランにつながった」

といった声が寄せられました。
今回のプロジェクトを通じて、サービスの特徴の整理に加え、mimococoが目指す「復職を支える仕組み」が、社会の中でどのような価値を生み出すのかが、より明確になりました。

また、プロボノメンバーからも、

「社会課題の解決に対する理解が深まった」 「多様な専門性を持つメンバーと協働できた」 「自分たちの経験や知見が誰かの役に立つことを実感できた」

という声が上がっています。

mimococoとNEC社員が立場を超えて対話を重ねたことで、サービスの価値が磨かれただけでなく、それぞれが新たな気づきや学びを得る機会にもなりました。社会課題の解決に向けた共創の力が、確かな成果として形になったのです。

「働き続けられる社会」を支えるために

NECはPurposeで、「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会」の実現を掲げています。

今回のプロボノ支援は、復職支援プログラムの営業資料を改善するプロジェクトであると同時に、「安心して再チャレンジできる環境づくり」に向き合う取り組みでもありました。復職できることだけではなく、その先も働き続けられること。そのために必要な仕組みや支援を社会の中に増やしていくことが、一人ひとりの可能性を広げることにつながります。

NECグループはこれからも、社員一人ひとりの専門性や経験を社会価値創造につなげながら、誰もが自分らしく働き、生きることができる社会の実現に取り組んでいきます。

関連リンク

NECは2010年に国内企業としては初めてプロボノを開始。
2020年には、NECグループの社員有志による、地域社会やNGO/NPO・教育機関等の課題解決に取り組むプロボノコミュニティ「NECプロボノ倶楽部」が発足。現在、約900名の社員から構成。

2002年に、NPO法人ETIC.とNECが協働で開始した、社会課題に取り組む若手社会起業家を育成するプログラム。

NECプロボノイニシアティブ 企業プロボノの原点。共創が社会価値を生み出す