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音楽の力で心を繋ぐ
~NECのプロボノと社会起業家が描く、音楽で自分を理解し整える未来~

NECグループでは、社員が専門スキルを活かして社会課題に取り組む「NECプロボノイニシアティブ」を推進しています。2010年からスタートし、これまでに2,000名以上の社員が自治体やNPO、教育機関と連携して活動してきました。
2025年3月から約半年間、NECプロボノチームは、NECの若手社会起業家育成プログラム「NEC社会起業塾」の2024年度卒業生で、音楽を通じて人々が自分を整え、その人らしく人とつながれる社会の実現を目指す株式会社Estlaghtive(エストラフティヴ)への支援を行いました。
Estlaghtiveが開発するアプリ「soundefine(サウンディファイン)」は、ユーザーの状態に応じた選曲支援を通じて、一人ひとりに寄り添い、その人らしい日々を支える新しいサービス。今回のプロボノ活動では、このアプリの戦略策定と効果検証を支援しました。

音楽×メンタルケア──新しい価値を届けるために

支援開始時、Estlaghtiveは「必要な時に必要な音楽にたどり着けることの価値はわかってきたが、誰に・どんなタイミングに価値が発揮されるのか」「サービスの価値をどう伝えるか」「メンタルケアへの抵抗感をどう乗り越えるか」といった課題を抱えていました。NECプロボノチームは、これらの問いに向き合い、ユーザーの声を集めながら、サービスの方向性を共に探りました。
支援期間中、NECグループ社員のアプリモニター登録者152名、アンケート参加者172名から様々なデータを収集。NECグループの規模と仕組みを活かした協力体制により、幅広い視点からのフィードバックが得られました。
アンケートでは、音楽を毎日聴く人の64%が「音楽で自分の内面を理解し、活用したい」と願いつつも、実践は難しいと感じていました。難しさの理由は、音楽を適切に選び、音楽体験を後から振り返る“手間”でした。また、孤独を感じやすい人ほど、音楽を心の理解と活用のツールとして必要としていることも明らかになりました。

社員の力を結集し、社会に価値を届ける

NECプロボノメンバーにとっても、この活動は大きな学びと刺激のある経験となりました。異なる会社や部門に所属するメンバーが集まり、約150時間をかけて支援を実施。普段触れることのない領域に関わることで、新たな知識や視点を得ることができました。
また、Estlaghtive北橋玲実代表の熱意に触れたことも、メンバーにとって大きなインパクトでした。「音楽とメンタルヘルス」というテーマは、専門性だけでなく個人の関心や感性も活かせる領域。過去の研究経験を活かしたり、音楽への興味から参加したメンバーもおり、それぞれが自分らしい形で支援しました。
また、NECグループ社員へのわずかな呼びかけだけで十分なデータが集まったことから、「NECグループの温かさ」を実感する場面も。活動を通じて、メンタル領域は一様ではなく、さらに細かなセグメントの理解が必要であることも明らかになりました。

次のステージへ──支援の成果と未来

Estlaghtiveからは、「サービスの価値を言語化・可視化してもらえたことで、改めて自分たちの目指す方向が明確になった」「厳しい声も一緒に受け止めてくれたことが非常に心強く、次の支援につながる発見もあった」との声が寄せられました。
NECのプロボノ支援は、単なるアドバイスにとどまらず、共に悩み、考え、創り上げるという共創プロセスそのもの。音楽という身近な存在を通じて、心のケアというテーマに向き合うこの取り組みは、NECのPurpose(存在意義)「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現」に深く通じるものです。
今後も、社員一人ひとりの力を活かし、NECグループが目指す社会の実現に向けてできることを一歩ずつ取り組んでいきます。

関連リンク

「NEC社会起業塾」は、2002年に、NPO法人ETIC.が主催、NECがオフィシャルパートナーとして協働で始めた、社会課題に取り組む若手社会起業家を育成するプログラム。

NECは2010年に国内企業としては初めてプロボノを開始。
2020年には、NECグループの社員有志による、地域社会やNGO/NPO・教育機関等の課題解決に取り組むプロボノコミュニティ「NECプロボノ倶楽部」が発足。現在、約800名の社員から構成。