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「伝える力」が生まれる場を、地域の中に。
─川崎市中原区と進めた発信力向上プロジェクト

地域には、価値ある活動が数多く存在しています。子どもや高齢者の支援、地域コミュニティの活性化、環境保全──その形はさまざまです。一方で、「知られていない」「届いていない」という課題も少なくありません。活動があるにも関わらず伝わらないことで、共感や参加の機会が広がらない。そんな状況が各地で見られています。

デジタルツールが広く普及した現在でも、「何を発信すればいいのか分からない」「ツールの使い方に自信がない」といった声は少なくありません。それを活かしきるための経験や知識が十分でないという課題に対して求められていたのは、単に知識を教えることではなく、地域の中に「発信できる人」を増やしていくことでした。

川崎市中原区とともに進めた共創プロジェクト

2025年8月から2026年3月にかけて、NECプロボノチームは川崎市中原区役所と連携し、市民活動団体および地域住民の広報力向上を支援しました。
プロボノメンバー5名が参加し、約8か月、計52時間にわたって活動を推進。行政・市民・企業が一体となり、「地域の発信力を高める」という共通のテーマに向き合いました。
このプロジェクトの特徴は、外からスキルを提供するだけではなく、地域の中に自ら発信していく力を育てる点にあります。

なぜ“講座”なのか──設計から見直したアプローチ

検討の中で浮かび上がったのは、「理解はできるが、行動に移せない」という問題です。
情報は十分にある。しかし活用されない──このギャップを埋めるためにたどり着いたのが、“その場で使える状態”までつくる講座設計でした。
知識を提供するのではなく、「できる」状態をその場で生み出すこと。その考え方を軸に、本講座の設計が固まりました。

学びを“その場で使う”という設計

講座は以下の3テーマで構成しました。

  • SNS:発信内容の整理や投稿設計の考え方
  • 画像編集:伝わりやすいビジュアルの作り方
  • 動画編集:活動の魅力を短く伝える構成づくり

各回約3時間。NECが持つデジタル活用の知見も活かしながら、すべてを以下の流れで設計しました。
講義 → 実演 → 実践
学んだ直後に手を動かすことで、「理解」から「実行」へと一気に引き上げます。
実際の講座では、「投稿案作成」「画像制作」「動画編集」までをその場で実施。
参加者は「持ち帰る」のではなく、“すでにできた状態”で帰ることになります。

“できた”が行動に変わる瞬間

参加者からは、

  • 「ここまでの講座を受けられることに驚いた」
  • 「継続して学びたい」

といった声が寄せられ、各回とも非常に高い満足度が得られました。
また、講座を通じて、参加者の行動には明確な変化が生まれています。
講座終了後に、自団体を紹介する動画を実際にYouTubeに投稿する参加者も現れました。「できた」という体験が、次の「やってみる」という行動へつながったのです。

「参加できてよかった」──現場で見えたもう一つの価値

このプロジェクトは、プロボノメンバーにとっても新たな気づきをもたらしました。

  • 「地域住民、NPO、区と連携できたこと、地域の困りごとの解決に少しでも貢献できたことがうれしかった」
  • 「行政の取り組みを知り、地域の方の声を直接聞くことで視野が広がった」
  • 「自分の得意なことが地域の新しい挑戦につながっていると実感できた」

現場に入り、同じ目線で課題に向き合うことで、単なる支援を超えた“関係の中で生まれる価値”が見えてきます。

「伝える力」が生まれるとき、地域は動き出す

今回の取り組みで生まれたのは、スキルではなく、行動の変化です。
発信できる人が増える→活動の魅力が伝わる→共感が生まれる→参加が広がる
この好循環が、地域のつながりを強くしていきます。
そして、行政・企業・市民が連携することで、この変化は持続的なものになっていきます。

誰もが伝えられる社会へ

NECがPurposeとして掲げるのは、「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現」です。
本プロジェクトは、情報発信という観点から、一人ひとりが自らの価値や想いを社会に届けられる環境づくりに取り組むものでした。
「伝えたい」という想いが、「伝わる」ことで広がっていく社会へ。
NECはこれからも、地域の多様なステークホルダーとの共創を通じて、社会価値の創造に取り組んでいきます。

関連リンク

NECは2010年に国内企業としては初めてプロボノを開始。
2020年には、NECグループの社員有志による、地域社会やNGO/NPO・教育機関等の課題解決に取り組むプロボノコミュニティ「NECプロボノ倶楽部」が発足。現在、約900名の社員から構成。

NECプロボノイニシアティブ 企業プロボノの原点。共創が社会価値を生み出す