2016年度(17年3月期)決算概要
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NECグループの連結財務諸表は、2016年度第1四半期から国際財務報告基準(IFRS)を適用しています。また、2015年度の連結財務諸表についても、IFRSに準拠して表示しています。
Ⅰ 2016年度 決算概要(2016年4月1日から2017年3月31日の1年間)
2016年度の売上収益は、2兆6,650億円と前年度に比べ1,598億円(5.7%)減少しました。これは、テレコムキャリア事業やパブリック事業が減収となったことなどによるものです。
収益面では、営業利益は、販売費及び一般管理費の削減に取り組んだものの、売上が減少したことなどにより、前年度に比べ496億円悪化し、418億円となりました。
税引前利益は、関連会社株式売却益が増加したものの、営業利益が悪化したことなどにより、前年度に比べ185億円悪化し、681億円となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益(当期利益)は、税引前利益の悪化に加え、法人所得税費用が増加したことなどにより、前年度に比べ486億円悪化し、273億円となりました。
セグメント別の前年度比では、売上収益は、製造業向けが堅調に推移したことなどにより、エンタープライズ事業が59億円(2.0%)増加しました。一方、国内外の通信事業者の設備投資が低調に推移したことや、円高の影響を受けたことなどによりテレコムキャリア事業が859億円(12.3%)、第4四半期から日本航空電子工業(株)を連結子会社化したものの、公共向けが消防・救急無線のデジタル化需要の一巡で減少したことなどによりパブリック事業が356億円(4.6%)、ハードウェアや企業ネットワークが減少したことなどによりシステムプラットフォーム事業が88億円(1.2%)、それぞれ減少しました。また、その他はスマートエネルギー事業が減少したことなどにより355億円(10.9%)減少しました。
営業利益は、海外事業の採算性が悪化したものの、スマートエネルギー事業の損益改善によりその他が40億円改善しました。また、エンタープライズ事業は前年並みとなりました。一方、売上の減少などによりテレコムキャリア事業が271億円、パブリック事業が113億円、システムプラットフォーム事業が23億円、それぞれ悪化しました。
Ⅱ 2017年度 業績予想
2017年度の売上収益は、前年度に比べ5.1%増加の2兆8,000億円、営業利益は82億円増加の500億円、当期利益は27億円増加の300億円を計画しています。配当金については、6円の年間配当(中間無配、期末配当6円)を継続したいと考えています。
セグメント別の売上収益の予想については、パブリック事業は日本航空電子工業(株)の連結子会社化などにより19.6%の増収を見込んでいます。エンタープライズ事業とテレコムキャリア事業はそれぞれ横ばい、システムプラットフォーム事業はハードウェアが減少し4.8%の減収を見込んでいます。その他は海外事業やスマートエネルギー事業の増加などにより、9.9%の増収を見込んでいます。
営業利益の予想については、パブリック事業が売上増に加え、宇宙事業の採算性改善などにより210億円、テレコムキャリア事業が海外事業の改善により45億円の増益を見込んでいます。一方、エンタープライズ事業がプロジェクトミックスの悪化などにより39億円、システムプラットフォーム事業が売上減などに伴い4億円の減益を見込んでいます。また、その他はスマートエネルギー事業の改善に加え、海外事業の採算性改善により62億円の改善を見込んでいます。
≪ご参考≫ 業績予想における特殊要因(前年度比)
Ⅲ 中期経営計画について
2016年4月に策定した2018中期経営計画では、「収益構造の立て直し」と「成長軌道への回帰」を経営方針に掲げました。中計初年度の2016年度は、「収益構造の立て直し」については、業務改革推進プロジェクトで前年度比で140億円の効果額を実現したほか、子会社の再編・統合を行い、開発・生産機能の最適化を進めました。
また、「成長軌道への回帰」については、動画顔認証技術の性能評価で第1位を獲得したほか、大手通信事業者からのSDN/NFV商用案件10件の獲得、米国セブン-イレブンからのPOSシステム・保守サービス受注といった成果を挙げたことに加え、AI・IoTの領域で産学連携や他社との提携・協業を推進しました。
しかし、2016年度の実績は期初計画を大きく下回る結果となりました。その原因は、市場環境や顧客動向の変化に対応したマネジメントの実行力不足です。加えて、公正取引委員会の調査を受けていた3件の事案については、2016年度に排除措置命令および課徴金納付命令を受けたことにより、業績へのマイナスの影響が顕在化しました。結果として、2018中期経営計画は見直しが必要になったと考えています。
こうした状況のもと、当社は今後、経営スピードのさらなる向上をはかり、一層の変革を進めていきます。新たな中期経営計画を策定するにあたっては、課題事業の変革も含めた国内事業の収益性改善と海外でのさらなる成長のための具体策検討を柱に、規律・メリハリの効いたポートフォリオ経営による営業利益率5%の収益構造の確立にこだわっていきたいと考えています。新たな中期経営計画は、年内に検討・策定し、2018年1月に発表したいと考えています。
≪ご参考≫ 業績連動型株式報酬制度(中長期インセンティブ)の導入
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