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BluStellarが牽引するDXの未来 〜AI・セキュリティ・データマネジメント・モダナイゼーションで拓く価値創造モデル〜
Vol.77 No.1 BluStellar特集 BluStellarが牽引するDXの未来 ~AI・セキュリティ・データマネジメント・モダナイゼーションで拓く価値創造モデル~本特集は「BluStellarが牽引するDXの未来」をテーマに、NECが目指す価値創造モデルの全体像と実践知を体系的に紹介します。AI・セキュリティ・データマネジメント・モダナイゼーションの4つの注力分野を軸に、AI時代のコンサルティングや自社実践「クライアントゼロ」、最先端テクノロジー、ソートリーダーシップ活動まで、NECの多様なデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを多角的かつ具体的に解説します。
BluStellar事業推進部門長
吉本 裕
1. はじめに
本特集では、「BluStellarが牽引するDXの未来 〜AI・セキュリティ・データマネジメント・モダナイゼーションで拓く価値創造モデル〜」をテーマに、NECグループが目指す価値創造モデルの全体像を初めて体系的に紹介します。本稿では、AI・セキュリティ・データマネジメント・モダナイゼーションという4つの注力分野に焦点をあて、BluStellar Scenarioを活用した実践事例や「クライアントゼロ」戦略を通じたNEC自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)の知見、更にHuman AI Collaborationによる新しいコンサルティングの形、そしてソートリーダーシップ活動による未来ビジョンの発信まで、多角的かつ具体的にNECのBluStellarに関する取り組みを紹介します。
2. BluStellar によるDX価値創造戦略
BluStellarはNECが2024年に発表した、「ビジネスモデル」「テクノロジー」「組織・人材」の3つを軸とした「お客様を未来へ導く、価値創造モデル」であり、経営アジェンダを起点に構想から実装までEnd-to-Endでお客様のDXを支援します。戦略立案力、AIやセキュリティを軸とした技術・ノウハウ、そして高度なDX人材育成を強みとし、迅速かつ高品質にお客様の価値の創出を実現します。
中核となるBluStellar Scenarioは、NEC自身の実践知「クライアントゼロ」や先進的なお客様との共創、導入事例から成功要因を抽出した「クライアントワン」をベースに、最適なオファリングや製品・サービスを組み合わせて型化したものです。これにより、経営課題の見える化から解決策の提案、ロードマップ策定、運用までを迅速かつ高品質に支援し、革新性・安心性・スピードを兼ね備えたDXを推進します。更に、AIガバナンスやセキュリティの強化、グローバル連携を通じて、BluStellarは企業や社会の競争力向上と社会価値創造をリードします。
3. BluStellarを支える基盤技術とDX実践知の融合
BluStellarは、AI・セキュリティ・データマネジメント・モダナイゼーションという4つの注力領域を軸にした基盤技術の有機的な組み合わせを推進しています。単なる技術導入にとどまらず、経営層による戦略的視点と現場で培われた実践的なノウハウを融合させている点が特徴です。こうした取り組みはBluStellar Scenarioを通じて体系化され、包括的な価値創造を支えています。次の節では、4つの技術領域ごとに最新の研究成果や実践事例、今後の展望を詳しく紹介し、技術とビジネスの両面からBluStellarの価値創造の全体像を明らかにしています。
3.1 AI最前線:DX時代の価値創造エンジン
AI技術は近年急速に進化し、ビジネスや社会に大きな変革をもたらしています。NECでは、生成AIやAgentic AIを活用した業務自動化や高度専門業務への適用、AIガバナンス・リスク管理技術の開発を推進しています。
例えば、警察や消防などのコマンドセンター業務では、Agentic AIが状況把握から対応策の提示までをリアルタイムで支援し、オペレーターの対応時間を短縮しています。また、クラフトビールの開発では、AIが消費者分析やレシピ案作成を担当し、職人との協働による新商品の創出に貢献しました。
更に、環境報告書作成支援などの専門性の高い分野でもAIの導入が進んでいます。AI活用にあたっては説明責任や信頼性向上、ガバナンス体制の整備が重要であり、AIの出力結果の検証や説明性向上のための技術開発も進められています。
NEC社内では「クライアントゼロ」戦略のもと、自社を最初の顧客としてAI活用を徹底し、その知見を社外に還元する取り組みも進めています。
今後もAIと人間の協働による新たな価値創出と、社会課題解決に向けた技術革新を目指していきます。
3.2 AI時代のサイバーセキュリティへのアプローチと生体認証の最新事例
AI時代のサイバー脅威に対応するため、BluStellarではAIやデータドリブンなアプローチを活用し、サイバーセキュリティの高度化と経営課題の解決を推進しています。
全社的なサイバーセキュリティダッシュボードの導入により、リスク・脅威・マネジメントの状況を可視化し、KPIに基づく迅速なアクションと自動化されたフォローアップを実現。これにより、対処速度やリスク低減効果が大幅に向上しました。更に、生成AIやAgentic AIを活用したセキュリティ監査の自動化や、内部統制・脅威インテリジェンスの高度化にも取り組んでいます。
DID(分散型ID)やVC(Verifiable Credential)と生体認証技術を組み合わせた新しい本人証明の仕組みを導入することで、セキュリティの強化と利便性の両立を実現しています。これらの技術により、従来の認証方法に比べて安全性・信頼性が大きく向上しています。
NECは今後もAIとセキュリティの連携を深化させ、安全・安心なデジタル社会の実現に貢献していきます。
3.3 データマネジメント&ガバナンス:データドリブン経営への道
データドリブン経営の重要性が高まるなか、NECはデータ活用基盤の構築とAI-Readyデータの整備を軸に、企業や社会の持続的成長を支援しています。現場では、システムや媒体ごとに分散したデータの統合、標準化、品質管理が大きな課題となっていますが、NECはBluStellar Scenarioを通じて、ユースケース定義から基盤設計、AI活用まで一貫して支援をしています。
具体的には、金融業界の大垣共立銀行様におけるデータ活用基盤導入事例では、データの散在や形式不一致といった現場課題を、ハイブリッド構成やデータガバナンス強化によって解決し、顧客接点や業務プロセスの変革を実現しました。また、NEC内では経営コックピットやダッシュボードを活用し、KPI管理や粗利益率向上など、データに基づく意思決定の迅速化と成果創出を実現しています。
技術面では、AI-Ready化のためのデータクレンジングや、特徴量自動設計、データカタログやデータ仮想化の導入、更に先進的なツール・フレームワークを活用し、データ利活用の実効性と効率性を高めています。専門組織によるガバナンス強化や、Quick Winの積み重ねと継続的な改善にも注力し、変化に柔軟に対応できるデータマネジメント体制を構築しています。
NECは今後も、AIとデータを活用した価値創造を通じて、企業競争力と社会価値の向上に貢献していきます。
3.4 モダナイゼーション・AIを活用したインテリジェントクラウドの実現
モダナイゼーションは、AI時代の経営や社会課題に対応するため、ITインフラや業務システムの刷新、そして運用DXを推進する取り組みです。NECは「クライアントゼロ」の考え方のもと、まず自社で最新技術や運用モデルを徹底的に実践し、その知見をBluStellar Scenarioとして体系化し、お客様企業へ展開しています。
技術面では、インテリジェントハイブリッドクラウドやマルチクラウド(AWS、Azure、Google Cloudなど)を活用し、AIによる自律運用・最適化、データのシームレス化、標準化・自動化された運用モデルを実現しています。NEC内では「6R戦略」に基づく資産仕分けや、NoOpsモデルへの進化、インシデント管理高度化サービス、Agentic AIによる自律運用エージェントの研究開発などを推進し、運用基盤の統一と効率化を達成しています。
具体的な事例として、セブン‐イレブン・ジャパンでは、国内初のフルクラウド化とマイクロサービス化により、店舗運営の効率化・省力化、端末統制規模の拡大(約31万台)、ITSMによるインシデント一元管理などを実現しました。官公庁向けには、ガバメントクラウド運用支援サービスを展開し、IaCテンプレートによる迅速な環境構築とセキュリティガバナンスを提供しています。
これらの取り組みにより、NECは企業・行政の持続的成長、業務効率化、セキュリティ強化、変化への柔軟な対応を支え、サステナブルな社会価値創造に貢献しています。
4.「Human AI Collaboration」による共創型の課題解決・価値創出
コンサルティングビジネスは、従来の「ヒト」依存型・情報の非対称性モデルから、AIと専門知見を組み合わせた「AIアズアサービス」型の共創モデルへと急速に進化しています。VUCA(Volatility(変動性)/Uncertainty(不確実性)/Complexity(複雑性)/Ambiguity(曖昧性))時代の環境変化や生成AIの進化により、企業は短期間で課題解決策を立案・検証し、プランを継続的に更新するサイクルが求められています。
NECでは、AIエージェントや生成AIを活用した業務自動化やお客様ケア機能の高度化を進めるとともに、コンサルタントは戦略的・創造的な役割へシフトし、業種固有の知見やデータを活用してお客様企業の持続的な競争優位の実現を支援しています。社内外での実証やお客様企業との共創プロジェクトを通じて、「Human AI Collaboration」による新たな価値創出を実現し、お客様との関係性も単なる評価者からパートナー・共創者へと転換し、継続的な価値創出サイクルを重視していきます。
今後もNECは、AIと人の協調による新しいコンサルティングの在り方を追求し、情報の非対称性を解消しながら、お客様企業の変革と成長を力強く支援していきます。
5. 「クライアントゼロ」戦略による共感創出型DXの実践
NECの「クライアントゼロ」戦略は、自社を“ゼロ番目の顧客”と位置付け、まず社内でDXを徹底的に実践し、その過程で得られたリアルな知見やノウハウを体系化して、お客様や社会に還元するアプローチです。経営層の強いコミットメントのもと、部門間の利害対立や現場の抵抗、グローバル文化の違い、変革疲れといった社内DXならではの壁を乗り越えた「生々しい経験」を、BluStellar Scenarioや最新技術のフレームワークとして整理しています。
この戦略では、働き方・基幹業務・運用のDXを三本柱とし、統合エクスペリエンス、データプラットフォーム、ITインフラ&セキュリティの横串機能で全社変革を推進しています。特にIT運用領域では、クラウド基盤やAI・Agentic AIの活用による自律化、サイバーセキュリティダッシュボードによるガバナンス強化、データドリブンな意思決定と透明性向上など、NEC内で実証された成果を具体的な事例や成果指標として蓄積しています。
「クライアントゼロ」により、お客様企業はNECの実践知に基づく提案を受けることで、より現実的で共感を生むDXを実現し、持続的な価値創造につなげることができます。
6. 未来のDXを支えるテクノロジー
DXを支えるテクノロジーは急速に進化しています。NECでは、実世界の機器や人を協調・最適化する「実世界エージェント」の研究開発を進めています。
例えば、製造現場ではAIエージェントが生産ラインの状況をリアルタイムで把握し、工程の自動調整や異常検知を行うことで、品質向上とコスト削減を実現しています。物流分野では、AIによる最適ルート選定や自動倉庫管理により、配送効率の大幅な向上を達成しています。ITサービス領域では、AIエージェントがシステム監視や障害対応を自動化し、運用負荷の軽減とサービス品質の安定化に貢献しています。
更に、量子コンピュータ時代に対応した「量子暗号通信」技術の実用化にも注力しています。NECは、金融機関向けに量子暗号通信ネットワークを構築し、機密性の高い取引データの安全な流通を実現しています。また、行政機関では、量子暗号技術を活用したセキュアな情報共有基盤の導入が進められています。
また、NECは、国際標準規格に準拠したセキュリティチップを開発し、製造業や流通業のサプライチェーン管理において、偽造防止やトレーサビリティ強化を実現しています。ゼロトラスト実現に向けては、企業ネットワークにおけるアクセス制御や認証プロセスの高度化を推進し、セキュアなインフラ構築を支援しています。
これらの先端技術は、DXの信頼性・安全性・効率性を飛躍的に高め、未来社会の持続的発展を支える重要な役割を果たしています。
7. 未来を創造する「ソートリーダーシップ活動」
NECグループは、独立シンクタンクである国際社会経済研究所(IISE)を中心に、「ソートリーダーシップ活動」を積極的に推進しています。この活動は、単に未来の構想を描くだけでなく、共感を生み、社会実装へとつなげる一連の流れを重視しています。IISEは、AIネイティブ社会の到来を見据え、技術分野にとどまらず、倫理・哲学・文化人類学など多様な知見を集め、産官学や多様なステークホルダーが集う「プラットフォーム型シンクタンク」としての役割を担っています。
VUCA時代においては、従来の「北極星」型の単一ビジョンではなく、多様な価値観や知を結集した「星座」型の未来像が求められます。IISEは、世界中の知見や人材を星座のようにつなぎ、NECのBluStellarはその星座へ向かう道筋を示す存在として、社会課題の解決や新たな市場創造に挑戦しています。
このように、IISEとNECは、信念に基づく未来像を提示し、共感する仲間とともに社会実装を進めることで、持続可能な未来社会の実現を目指しています。
8. BluStellarが切り拓く未来とNECのコミットメント
BluStellarは、上流の戦略コンサルティングからサービスデリバリー、運用・保守に至るまで一貫した BluStellar Scenario により経営課題の見える化から解決、ロードマップ策定、運用までをEnd-to-Endで支援します。
NECは、従来の SI中心 からお客様の価値創造の駆動力(Value Driver)へと進化し、自社の実践知「クライアントゼロ」、AIによる自動化・自律化・標準化、ノウハウのテンプレート化を活用する「モデル化SI」を組み合わせて、高収益化・高品質化・導入期間短縮・アップセル/クロスセル といった事業インパクトを継続的に創出します。
今後は、BluStellar Scenarioの売上比率拡大 に加え、グローバルパートナー及び国内外グループ会社との連携の強化、業種共通Scenarioと業種別Scenarioの組み合わせによる価値連鎖の創出を推進し、DXによる社会変革をリードします。
NECは、BluStellarを通じてAI時代の価値創造エンジンとして、先進技術と信頼で社会の持続的成長に貢献し続けます。
9. おわりに──お客様とともに未来へ
本稿では、NECが目指す「お客様を未来へ導く、価値創造モデル」としてのBluStellarの全貌を、戦略・技術・実践・未来構想の4層で立体的に描き出しています。BluStellarという新たなアプローチを通じて、NECグループが社会やお客様とともに歩む未来へのビジョンを感じていただけると幸いです。
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