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イノベーション・マネジメント

取り組み方針

複雑で予想不可能なVUCA*1時代の社会において、NEC 2030VISIONをどうやって実現していくのか。NECは「未来の共感」と「テクノロジー」の掛け算がキーコンポーネントであると考えています。

この目的を達成するためには、テクノロジーを社会に実装することが重要であり「マーケットインテリジェンス」「技術開発」「ビジネス開発」「社会受容」のスキームを確立することが必要です。

これに向けてNECは、R&Dの共創、オープンイノベーションの拡大、社会にインパクトのある事業を創造する新事業領域への挑戦、さらにはThought Leadershipに取り組んでいます。

  • *1
    Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)

技術開発戦略

NECでは、CTOが技術開発全体に責任を持ち、開発投資の全社最適化と、オープンイノベーション戦略の立案やプロセスデザインの策定を進めています。

これらの技術開発の源泉となる研究開発は、SDGsなどで示されている社会課題に対して取り組むべきソリューションを絞り込み、その実現に必要な技術アセットを効率的かつ早期に揃え、いち早く価値を社会に届けることを基本方針としています。この技術アセットには、技術トレンドをふまえながら徹底的に磨き上げたNECのNo.1/Only 1のコア技術だけでなく、外部から積極的に取り込んだ優秀な技術も含んでいます。

研究開発投資は売上収益の4%程度とし、これを効果的かつ効率よく活用するために、注力領域への集中投資や、外部の研究機関などとの連携にも投資しています。2021年度の研究開発費は、売上収益比4.2%でした。

研究開発費

対象範囲:NECグループ

  • 予想値は2022年4月28日現在

NECの最新技術を核にしたエコシステム型R&D

NEC技術を早期に社外展開し、顧客/スタートアップ/ベンチャーキャピタルの技術や資金を取り込み、R&Dのスピードを向上します。インバウンド/アウトバウンド融合型のオープンイノベーションに取り組んでいます。

強みのある技術領域への集中投資

集中投資を行っている技術領域は、データサイエンスと、ICTプラットフォームの2領域です。当社は、同領域において独自性や競争優位性のある技術アセットを数多く有しており、これらを継続的に強化することで、社会ソリューション事業の競争力を強化しています。

標準化戦略

NECは、ビジネスチャンスの拡大を図るため、AIなど先進技術の社会受容性を高めることに役立つ標準化活動を戦略的に行っています。また、ビジネスをより強固にするため、標準化関連特許の強化や活用を推進しています。

知的財産戦略

NECは、NEC 2030VISIONの実現に向け、成長事業を牽引し、次なる成長の柱を生み出す技術領域の知的財産を特に強化をしています。

また、知的財産を事業競争力や事業安定性、さらにはお客さまやパートナーさまとの共創を促進する重要な経営資源と位置づけています。

このため、特許権やノウハウはもとより、グローバルブランドを支える意匠権や商標権の強化とその活用を推進しています。

事業開発戦略

既存ビジネスの枠組みを超えた新たなビジネスモデルへの変革や自社コア技術の事業化を推進しています。

社会課題起点・自社コア技術起点・先端ビジネスモデル導入の3つの起点で、課題仮説を立案し、現地現物での検証によるビジネスモデル化を推進することで、新たなビジネスモデルを具体化し、高い社会価値・持続的成長を実現するための事業開発に取り組んでいきます。

これらの取り組みの中で、自社内での事業立ち上げだけでなく、ジョイントベンチャー、スピンアウト/カーブアウトなど、多様なスキームでの事業開発活動を推進しています。

個人と社会の視点に立った「ソーシャルバリューデザイン®

新たな社会価値を創造するためには、企業や国・自治体などの観点から、都市のビジョンづくりなど将来の社会のあるべき姿を描く必要があります。このようなニーズに対応するためには、「個人の視点」に加えて「社会の視点」に立ってシステムやサービスの価値を高める考え方が不可欠です。NECでは、この考え方を「ソーシャルバリューデザイン®」として新しい製品・サービスの企画や開発に取り入れ、イノベーションの創出に取り組んでいます。

推進体制

NECは、技術開発投資の全体最適化と社外とのコラボレーション戦略の立案などを事業戦略とリンクさせて、全社視点で遂行するためにCTOを設置しています。そして、CTOのもとに、各ビジネスユニットや研究開発部門と連携して技術開発戦略を検討・推進する技術開発推進体制を構築しています。

また、研究開発力やエンジニアリング力と事業開発力を統合し、一体となって革新的なビジネス開発に取り組む「グローバルイノベーションユニット」を設置し、既成概念の枠を超えた多彩な知の新結合によって世界を舞台に新たな社会価値を創出します。

さらに、技術を早期に社外展開し、社外パートナーを取り込んでR&Dを加速する取り組みを進めています。NECの人材と技術を核に、米国シリコンバレーのエコシステムの中でオープンイノベーションによる事業化を推進するNECX社を設立したほか、共創型R&Dにより新事業創出を加速するBIRD INITIATIVE(株)を異業種6社で設立するなど、価値創造・新事業開発を加速しています。

社内では、他ユニットと連携し、コア技術を活かして、社会価値創造に向けた事業化の加速にも取り組んでいます。

グローバルな社会価値創造を目指す研究開発拠点

グローバルな利点を活かしたNo.1/Only 1の技術創出と、先進国・新興国市場双方への社会ソリューション創出を目指して、下図のように、日本、北米、欧州、中国、インド、イスラエル、シンガポールに研究開発拠点を設置しています。

知的財産力の強化を担う知的財産部門

  • 「2025中期経営計画」を実現する成長事業・先端技術の特許ポートフォリオ構築・活用のため、ビジネスユニット/ユニット、グループ会社に知財責任者を設置
  • 事業・研究開発部門との円滑な連携体制を構築
  • グローバルな社会価値創造に向けたグローバル特許ポートフォリオを構築・強化のため、北米、欧州および中国に知的財産センターを設置
  • NEC 2030VISIONに照らした社会価値の共創に向け、共創型R&D事業の遂行や新事業の創出における知財支援体制を構築
  • NECのブランドステートメントの発信や権利保護、商品デザインなどの権利保護をコーポレート部門や知財責任者と連携して推進

人材開発・育成

NECでは当社の核となる技術を価値創出へとつなげる人材の育成・獲得に積極的に取り組んでいます。

トップ研究者の育成・獲得
  • 高度な専門性を有する研究者に上限のない報酬制度を適用(高度研究専門職制度、非管理職層向け選択制研究職プロフェッショナル制度)
  • 博士採用の強化
  • データサイエンス、バイオメトリクス、ネットワーク、セキュリティ領域の研究者の採用強化
    コア技術を社会価値創出につなげる人材の育成・獲得
  • 事業部門と研究部門の人材交流によるプロジェクトリーダー、技術アーキテクト人材の育成
  • 事業開発者向けの研修を研究者向けにも展開
  • 応用研究人材(リサーチエンジニア)、ドメイン専門家を中心とした経験者採用の強化
ダイバーシティ
  • グローバルな先進課題に取り組む国内研究者の育成(国内研究者の7割が米国大学院または社内外の研修プログラムによる海外業務を経験)
  • 海外研究所でのトップ人材の積極採用
  • インド工科大学をはじめとする有力海外大学からの採用
新事業創出のための
人材の育成
  • 高度に専門的な事業開発知識・能力を有する人材の任用(事業開発職高度専門職制度)
  • 事業開発職の人材育成体系整備(事業開発職のスキル・コンピテンシー整理、実践型の研修体系の構築)

施策と2021年度の主な活動実績

オープンイノベーション

社会価値創造のための価値向上に向けて、社外の研究機関はもとより事業化パートナー、スタートアップなどとのオープンイノベーションを積極的に推進しています。従来、当社単独では難しかった新事業の事業開発や必要な技術の開発、そして、将来のあるべき姿を想定し、そこからバックキャストして次の時代の注力事業領域や技術を検討することも、社外のパートナーや専門機関などとも協力して進めています。

No.1/Only 1技術による主な研究成果

知的財産活動に関わる成果

  • クラリベイト・アナリティクス社の「Top100グローバル・イノベーター・アワード」を11年連続で受賞(11年連続受賞は21社のみ)

  • (株)パテント・リザルトによる顔認証技術の調査(2021年版)の特許総合力(日本特許)において、第1位の評価を獲得
(株)パテント・リザルトによる顔認証技術の調査(2021年版)の特許総合力(日本特許)において、第1位の評価を獲得

円の大きさ:有効特許件数
横軸(個別特許の強さ):各権利者の特許群の中で最高値の特許のスコア=パテントスコア最高値
縦軸(総合的な強さ):各権利者の特許群のスコアを合算した値=権利者スコア
スコア算出対象の特許数:1,404件、権利者の数:713人

(株)パテント・リザルト作成

  • 顔認証技術、生体認証・映像分析・AIの国際特許出願数で世界No.1
    (国際特許出願数:当社調べ、2001年以降の累積出願数:2022年5月時点)

NECの保有特許数は下記のとおりです。

保有特許数(2022年3月末現在) 約45,000件(国内約22,000件)